皆さん、こんにちは!TAKAHIROです!
僕は2018年5月から2021年12月まで、3年半ほど無在庫販売をやっていました。そして2021年の12月に、扱っている商品を一気に全部、在庫を持つやり方に切り替えました。それ以来、一度も無在庫はやっていません。
先に言っておくと、売れなくなったからやめたのではありません。売上はちゃんと立っていました。立っていた上で、やめました。
この記事では、その3年半で実際に起きたことと、やめてから何が変わったかを、数字も感情も込みで全部書きます。
あと、たぶん一番知りたいであろう「無在庫って違法じゃないの?」「規約的にアウトなんじゃないの?」という話。ここは2026年8月時点の一次情報を自分で調べ直した上でまとめました。ネット上には数年前の情報がそのまま残っていて、今とはだいぶ状況が違うからです。
最後まで読めば、「自分はやるべきか/やらないべきか」を自分で判断できる材料はそろうと思います。
この記事で分かること
- 無在庫販売の仕組みと、有在庫との本当の違い
- 資金がなかった僕が、なぜ無在庫を選んだのか
- 3年半やって、それでもやめた理由(10%はクレームが来ます)
- やめたあとに変わったこと(レビューと低評価率の話)
- 法律とモール規約は2026年8月時点でどうなっているか
- 無在庫が成立するケースと、やる前に決めておくこと
無在庫販売とは?仕組みを図で整理します

無在庫販売とは、在庫を持たずに商品を出品して、注文が入ってから仕入れて発送する売り方のことです。ドロップシッピングと呼ばれることもあります。
言葉にすると当たり前なんですが、有在庫と並べてみると「何が入れ替わっているか」がはっきりします。

見てほしいのは、お金が出る順番です。
有在庫は、先に自分のお金が出ていきます。売れるかどうか分からない商品に、先にお金を突っ込むわけです。売れなければ在庫が残ります。
無在庫は逆で、お客様からお金をもらってから、そのお金で仕入れます。だから理屈の上では、自分のお金はほとんど減りません。ここが最大の魅力です。
ただし、代わりに差し出しているものがあります。時間です。
注文が入ってから中国の工場や卸に発注して、そこから日本に送るとなると、どうやっても2〜3週間はかかります。有在庫なら1〜2日で届くものが、です。
無在庫は「リスクがない売り方」ではありません。金銭リスクを減らす代わりに、評判リスクを背負う売り方です。この一文が、この記事で一番言いたいことです。あとは全部、その説明だと思って読んでください。
「無在庫」と言っても中身は3種類ある
もうひとつ、規約の話をする前に整理しておきたいことがあります。
ひとくちに無在庫と言っても、実際には全然違う3つのやり方が同じ言葉で呼ばれています。ここを分けないと、「無在庫は禁止」「いや大丈夫」という会話がかみ合いません。

資金がなかった僕が、なぜ無在庫を選んだのか

2018年当時の僕には、お金がありませんでした。
会社を辞めて、退職金と貯金を切り崩しながら始めた状態です。一歩間違えたら本当に終わる、というところにいました。
その状況で有在庫をやろうとすると、こういうことになります。
- 「たぶん売れるだろう」という商品に、まとまったお金を先に払う
- 売れなければ、そのお金は在庫という形で寝る
- 寝ている間、次の商品を試すお金がない
資金が少ないほど、1回の外しが致命傷になります。「たぶん売れる」を外した瞬間に、次の一手が打てなくなる。
無在庫は、この問題を正面から解決してくれました。
売れるかどうか分からない商品を、お金をかけずに出品できる。売れなかったら下げるだけ。売れたら、そこで初めて仕入れる。
つまり僕にとって無在庫は「稼ぐ手法」ではなくて、「何が売れるかを、お金を減らさずに試すための装置」でした。
実際、この3年半で「これは売れる」というデータが自分の手元に大量に残りました。想像や勘ではなく、実際に注文が入った実績としてです。
そして2021年12月、そのデータをもとに「売れることが分かっている商品」だけを在庫として一気に仕入れました。
これが本来やりたかった着地です。無在庫でテストして、勝ち筋が見えたら有在庫に移す。今振り返ると、無在庫と有在庫は対立する選択肢ではなくて、順番の話だったんだなと思います。
それでもやめた理由|どれだけケアしても10%はクレームが来る

ここからが本題です。
無在庫でお客様を待たせるのが問題だということは、最初から分かっていました。だから、できる限りのことはやっていたつもりです。
当時やっていた対策
- 商品ページに「お取り寄せ商品です」「お届けまで◯週間かかります」と明記する
- 注文から3日後に「これはお取り寄せの商品ですが大丈夫ですか」という確認メールを個別に送る
- 3日目までであればキャンセルを受け付ける、と伝える
ここまでやっていました。ページに書くだけでなく、注文後にわざわざ確認まで入れていたわけです。
それでも、だいたい10%くらいはクレームになりました。
「なんでまだ来ないんだ」「いつ届くんだ」。10件売れたら1件は、そういう連絡が来る。これはもう、どれだけ丁寧にやっても消えませんでした。
待たせるだけでは終わらない
しかも、問題は「遅い」だけではないんです。無在庫は在庫を自分の目で見ていないので、こういうことが起きます。
| 起きること | そのとき何が起こるか |
|---|---|
| 注文後に工場が欠品していると判明 | 2週間待たせた末に「作れませんでした」と謝ることになる |
| 届いた商品が写真と違う | 検品する時間がないまま、そのまま出てしまうこともある |
| 色味やサイズがロットで変わっていた | お客様が想像していたものと別物が届く |
謝って、待ってもらって、値引きしてお詫びして。そういう対応をずっとやっていました。
そして、一番きつかったのがプレゼント用の注文です。
誰かの誕生日のために、記念日のために買ってくれている。それが2〜3週間待たされた上に、違うものが届く。
その人にとっては、その日は一回きりです。取り返しがつかない。
楽しみにしてくれていた人の特別な日を、こちらの都合で悲しい思い出にしてしまう。これが本当にきつかったです。
罵倒してもらったほうが、まだ楽でした
もっと言うと、怒られるのはまだよかったんです。
しんどかったのは、いい人でした。
「大丈夫ですよ、待ちます」「お忙しいところすみません」って言ってくれる人。いい人であればあるほどきつかった。正直、まだ罵倒してもらったほうが楽でした。
罵倒されたら「まあ仕方ない、次はちゃんとやろう」で処理できます。でも、こちらのミスなのに気を遣ってくれる人に対しては、処理のしようがない。ずっと残ります。
この積み重ねが、たぶん限界でした。
もう一度書きますが、売上が落ちたからやめたのではありません。売上は立っていました。立っていたからこそ、注文が増えるほどこの手のことが増えていって、それが耐えられなくなった、というのが正直なところです。
やめて何が変わったか|レビューと低評価率の話

2021年12月に全部在庫を持つやり方に切り替えました。そこから何が変わったか、正直に書きます。
| 項目 | 無在庫のとき | 有在庫に切り替えてから |
|---|---|---|
| お届けまでの日数 | 2〜3週間 | 1〜2日 |
| クレーム対応 | 毎日のように発生 | ほぼゼロ |
| ★1〜2の低評価 | 一定の割合で必ず出る | およそ10分の1に |
| 運営のストレス | 常に何か抱えている状態 | 体感で100分の1 |
| 自分の時間の使い道 | 謝罪と状況説明 | 商品ページの改善など、売上に直結する仕事 |
数字として一番はっきり出たのは、低評価の割合がだいたい10分の1になったことです。
そしてショップレビューも商品レビューも、目に見えて伸びました。商品自体は同じものを売っているのに、です。
これで分かったことがあります。
レビュー評価のかなりの割合は、「どれくらい早く届くか」で決まっている。商品の質でも、ページの作りでもなくて、まず納期。ここが揃っていないと、その先の評価にたどり着けないんだな、というのが8年やってきた実感です。
あともうひとつ、地味に大きかったのが時間です。
謝罪メールと状況確認に溶けていた時間が、まるごと空きました。その時間を商品ページの改善や新商品のリサーチに回せるようになって、そこからのほうが売上は伸びています。
無在庫販売は法律違反なのか?規約はどうなのか【2026年8月時点】

ここが一番検索されている部分だと思うので、丁寧に書きます。
先に結論だけ言うと、こうです。
結論
- 法律:無在庫販売そのものを禁止する法律はない。ただし守るべき表示義務はある
- モール規約:モールごとに全く違う。しかも近年はっきり厳しくなっている
① 法律:無在庫販売を禁止する条文はない
「無在庫販売は違法ですか?」という質問への答えは、いいえです。日本の法律に「在庫を持たずに売ってはいけない」という条文はありません。
取り寄せ販売も、受注生産も、予約販売も、世の中に普通に存在しています。
ただし、通信販売である以上、特定商取引法の広告表示義務はかかります。
特定商取引法11条は、通信販売の広告に表示しなければならない事項を定めていて、その3号が「商品の引渡時期」です。ほかにも販売価格(送料を含まない場合は送料も)、支払いの時期と方法、申込みの撤回や解除に関する事項などが並んでいます。
つまり法律が求めているのは「在庫を持て」ではなく、「いつ届くのかをちゃんと書け」ということです。
逆に言うと、納期を曖昧にしたまま、あるいは「在庫あり」に見せかけたまま売るのは、この表示義務の観点で問題になり得ます。
② モールの規約:ここが一番シビアです
で、実際に引っかかるのはほぼ100%こっちです。法律ではなく、出しているモールの規約。
しかもこれ、モールごとに驚くほど違います。2026年8月時点で公開されている情報を並べます。
| 販売先 | 2026年8月時点の状況 |
|---|---|
| メルカリ | 公式ヘルプで明確に禁止。「手元にない商品の出品」「発売前・公開前の予約や取り寄せでの販売」「ECサイトなどから購入者の住所へ直接送らせる行為」「配送代行サービスの利用」がすべて対象。ペナルティとして取引キャンセル・商品削除・利用制限が挙げられている |
| Yahoo!ショッピング | 2023年8月9日の出店者向けの告知で、無在庫転売のような販売方法の取り締まりを強化すると発表。ほかのサイトで注文して顧客へ直送する行為や、他社のロゴが分かる箱で発送する行為が具体例として挙がっている。休店や契約解除もあり得ると明記。さらに2024年1月には「在庫証明審査」が導入されたと報じられている |
| 楽天市場 | 出店規約はRMS(出店者向けの管理画面)の中でのみ開示されているため、この記事では条文の引用はしません。実務の感覚は下に書きます |
特に注目してほしいのはメルカリです。「メーカーや工場から直送だからセーフ」という理屈が通りません。手元にないものを出品した時点でアウト、という書き方をしているからです。
先ほどの3つの型で言うと、①だけでなく②も③も対象になっている、ということですね。
③ 楽天市場については、条文ではなく実務の話をします
楽天については、出店者にしか見られない場所に規約があるので、僕がここで「規約にこう書いてある」と書くことはできません。
なので、出店者としての実務の感覚だけ書きます。
まず事実として、楽天にはお取り寄せの納期を設定する機能や、予約販売の機能自体は存在します。つまり「取り寄せて売る」という形態そのものが、一律に否定されているわけではありません。
それからもうひとつ。当時の僕が「取り寄せ型は楽天の中で成立している売り方だ」と判断した、はっきりした理由があります。
楽天が出店者向けに公開している成功事例の動画コンテンツ(楽天ドリームというシリーズです)で、型番商品を数十万点規模で扱う大型店が、成功事例として紹介されていたんです。その店は商品ページに「お取り寄せ・10〜20営業日以内に発送」とはっきり書いて運営していました。この動画は今も残っていて、確認できます。
楽天が自ら、取り寄せ型の店を「成功事例」として出店者に見せている。それを見て僕は、「納期を正直に表示する取り寄せ型は、楽天が容認している売り方なんだ」と判断しました。僕がやっていた無在庫(メーカー取り寄せ型)の根拠は、突き詰めるとこれでした。
一方で、取り寄せ系の売り方でアカウントを止められたという話も聞きます。
ただ、正直に言うと、その話も中身までは分かりません。その店舗が実際にどういう売り方をしていたのかが、外からは見えないからです。さっきの3つの型で言えば、①の小売転売型だった可能性もあります。
そして、取り寄せそのものが退店の理由だったのかどうかも分かりません。モールが理由を外に説明することはないからです。
なので僕には、「取り寄せなら大丈夫」とも「取り寄せだからやられる」とも言えません。言えるのは、保証はできない、ということだけです。
だから僕の立場としては、こう言うしかありません。
自分が出しているモールの、今この瞬間の規約を、自分で確認してください。人が書いた記事(この記事も含めて)を根拠にしないでください。正直に書くと、僕は3年半、規約の存在を知りませんでした
これは書いておくべきだと思うので書きます。
僕が無在庫をやっていた3年半、規約でどう扱われているかを、ちゃんと確認していませんでした。
知ったのは、動画のコメント欄で指摘をもらったときです。「それ規約違反じゃないですか」と。当時の僕の理解は「Amazonなどから直送させる小売転売型を止めるためのルールであって、メーカーや工場から正式に仕入れて直送するのは別物だろう」というものでした。
でも今回この記事を書くにあたって調べ直して、その当時の理解を、2026年にそのまま書くのは無理だなと思いました。
上の表のとおり、この2〜3年でルールは明確に厳しくなっています。2020年頃に書かれた「無在庫は大丈夫」という記事が今も検索上位に残っていますが、あれを根拠に始めるのは危険です。
それでも無在庫が成立するケースと、やる前に決めておくこと

ここまで散々きつい話を書きましたが、無在庫が成立する場面はあります。
鍵は、買う側が「すぐ届く」と思っていないかどうかです。
たとえば大型の家具。あれは注文してから届くまで数週間かかるのが普通で、買う側もそう思って買っています。この場合、納期が長いこと自体はクレームの理由になりません。
逆に、日用品や消耗品のように「明日には届くだろう」と思われているジャンルで無在庫をやると、僕が経験したことがそのまま起きます。
無在庫が成立するかどうかは、商品の性質ではなく「買う側の納期に対する期待値」で決まります。その上で、やると決めたなら、始める前に決めておいてほしいことがあります。
無在庫を始める前に決めておく4つ
- 出すモールの現行規約を、自分の目で読んだか(人の記事ではなく規約そのもの)
- 納期を商品ページに正直に書けるか(書けない納期なら、そもそも売ってはいけない)
- 欠品・誤送が起きたときの謝り方と補償を先に決めてあるか(起きてから考えると必ず対応が遅れます)
- いつ有在庫に切り替えるかを決めてあるか(出口を決めていないと、ずっと消耗し続けます)
特に4つ目です。
僕の場合、結果的に3年半かかりましたが、無在庫は通り道でした。ずっとやり続けるものではなかった。売れる商品が見つかった時点で在庫を持つ側に移る、という出口があったから成立していたんだと思います。
出口を決めずに始めると、注文が増えるほど対応がきつくなって、しかも増えたぶんだけ評判が削れていきます。売れれば売れるほど苦しくなる構造です。
さいごに|背負うものが違うだけです

長くなったので、まとめます。
- 無在庫は、金銭リスクを減らす代わりに評判リスクを背負う売り方
- 法律では禁止されていないが、納期の表示義務はある
- モール規約はモールごとに違い、近年はっきり厳しくなっている
- どれだけケアしても、待たせる以上クレームはゼロにならない
- やるなら、出口(いつ有在庫に移すか)を先に決める
僕は3年半やって、やめました。でも、無在庫そのものを悪いものだとは思っていません。
あれがあったから、お金を失わずに「何が売れるか」を知ることができました。今こうして在庫を持って安全に商売ができているのは、あの3年半があったからです。
ただ、売上が立ってきた段階で、僕にとっては評判リスクのほうが高くついた。だから乗り換えた。それだけの話です。
この記事を読んで「それでもやる」と決めた人には、僕から言えることはひとつだけです。
そのリスクを自分で背負う覚悟がある人だけ、やってください。
待っているのはお客様で、謝るのは自分です。そこだけは誰も代わってくれません。
逆に、これから始める人で資金にある程度の余裕があるなら、僕は最初から在庫を持つほうをおすすめします。届くのが速いというだけで、レビューも評価も全然違ってくるので。
ではでは!
楽天出店を考え始めた方へ。
無料のメール講座「楽天出店21ステップ勉強会」をやっています。
毎日1通・21日間のメール講座です。
- 読むのは、1通2〜3分
- 専用シートに1日1マス埋めると、21日後に「あなたの店の設計図」が完成
(誰に・何を・いくらで・どれだけの資金と時間で売るか) - 登録した瞬間に、道具が4つ届きます
(設計図シート/関税計算テンプレ/利益率シミュレーター/集客診断シート) - 「簡単に稼げます」系の話はしません。
出店するかどうかを、自分の数字で決められるようになるための講座です
※メールを待たずに、今すぐ全手順を知りたい方には、有料の「0から始める楽天市場の教科書」もあります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。僕のことをもっと知りたい方はこちらもどうぞ。







