「メーカー希望小売価格の30%OFF」。型番商品を扱う店なら、いちばん使いたい見せ方だと思います。
ただ、楽天市場でこの表示を出すには条件があります。どんな価格なら「メーカー希望小売価格」と名乗れるのか、そしてどうやって表示するのか。この2つを知らないまま設定すると、二重価格欄が非表示になったり、規約違反になったりします。
この記事では、楽天市場に出店して8年目の現役店長が、メーカー希望小売価格を載せるときのルールを整理します。
この記事でわかること
- メーカー希望小売価格と言えるもの・言えないもの
- 表示するための2つのルート
- エビデンスとして認められる資料4種類
- 商品価格ナビ参照の仕組み
- やってはいけない比較・登録の例
メーカー希望小売価格と言えるもの・言えないもの
メーカー希望小売価格とは、メーカーが自社の商品に設定した希望小売価格のことです。当たり前の定義に見えますが、実務ではここでつまずく店が多いです。
いちばん多い間違いが、仕入れ先から聞いた「参考上代」を希望小売価格として書いてしまうケース。参考上代や参考価格は業者向けの価格であって、消費者に公表された価格ではありません。楽天のルール上、メーカー希望小売価格としては使えません。

ポイントは2条件です。「メーカー自身が決めた価格」で、かつ「消費者に広く公表されている」こと。卸の見積書や納品書にしか出てこない価格は、どれだけ正確でも条件を満たしません。自社のオリジナル商品(プライベートブランド)も、自分で決めた価格なので当然対象外です。
また、本物のメーカー希望小売価格でも比較に使えないケースがあります。メーカー直販以外に販路がない商品や、日々仕入れ値が変わる生鮮食品などです。前者は「市場でその価格と比較する意味がない」、後者は「予め公表された固定価格という前提が崩れている」のが理由です。
表示するための2ルート|エビデンス掲載か、商品価格ナビ参照か
「うちの商品は本物のメーカー希望小売価格がある」と確認できたら、次は表示の方法です。ルートは2つあります。

①は、メーカーが公表している資料を自分で集めて、商品ページに証拠として載せるやり方。②は、JANコードなどの製品コードを登録して、楽天が持っている価格データを参照するやり方です。違いを表にするとこうなります。
| ① エビデンス掲載 | ② 商品価格ナビ参照 | |
|---|---|---|
| 用意するもの | メーカー公表資料の画像+定型文 | JANコード等の製品コード |
| 向いている商品 | 製品コードのない商品 | JANコードのある型番商品 |
| 注意点 | 資料の掲載に著作権者の許諾が必要 | 楽天側に価格データがないと表示されない |
手間が全然違うので、JANコードがある商品なら②の価格ナビ参照が基本です。①のエビデンス掲載は、資料集め・許諾取り・ページへの掲載と工程が多く、次の章で見るように形式のルールも細かいです。
エビデンスとして認められる資料と載せ方
①のルートを使う場合、エビデンスとして認められるのは4種類だけです。

たとえばメーカーサイトのキャプチャなら、該当ページだけでは足りません。TOPページ・価格が載っている該当ページ・サイト運営者がわかるページの3点セットが必要です。「そのサイトが本当にメーカーのものか」まで示す設計になっています。
載せ方にも形式ルールがあります。「メーカー希望小売価格はメーカーサイトに基づいて掲載しています」といった定型文を、一字一句そのままテキストで記載し、あわせてエビデンス画像を掲載します。
逆に、エビデンスにならない資料も明記されています。BtoBサイトや卸売サイトのキャプチャ、輸入代理店のサイト、取引伝票や納品書、手書きのタグ、外部サイトへのリンク——このあたりは全部NGです。「仕入れの証拠」ではなく「消費者向けに公表された価格の証拠」が求められている、と覚えると判断を間違えません。
もうひとつ注意したいのが、エビデンスを載せたからといって法的責任が消えるわけではないことです。楽天のチェックを通ることと、景品表示法上問題がないことは別の話で、表示の責任は最終的に店舗が負う建て付けになっています。だからこそ、資料は「本物のメーカー発か」を自分の目で確かめてから使ってください。
商品価格ナビ参照のやり方|JANコードとカタログID
②のルートは仕組みがシンプルです。商品登録の二重価格文言で「商品価格ナビのデータ参照」を選び、カタログID欄に製品コードを入れる。これだけで、楽天が保有する価格データと自動で紐づきます。

カタログIDに使える製品コードは、JANコード・EANコード・UPCコード・ISBNコード・楽天オリジナルコードの5種類です。国内の型番商品ならほぼJANコード(49か45で始まる8桁・13桁)で足ります。書籍なら参考小売価格、時限再販で定価が外れた商品なら旧定価と、商品の種類に応じた比較対照価格がデータ側で表示される仕組みです。
このルートには表示以外のメリットもあります。製品コードを登録すると商品価格ナビ(同じ製品をまとめた型番ページ)に自店の商品が載るので、型番検索で探しているユーザーからの入口が増えます。二重価格のためだけでなく、集客面でも登録しておいて損のない項目です。
紐づけたのに二重価格が出ない、というときは、コードが間違っているか、楽天側に価格データがないかのどちらかです。輸入盤CDみたいに「商品データはあるのに価格データがない」パターンもあります。
禁止事項|同一商品と言えない比較・コードの流用
この仕組みでいちばん重い違反が、別の製品の製品コードを流用することです。悪気のない「近い商品だからいいか」が、そのまま規約違反につながります。

共通する考え方は「同一の商品の比較か?」です。互換品と純正品、新品と中古品、保証ありと保証なし、6缶パックと1缶——どれも消費者から見れば「別の条件の商品」です。別の商品の希望小売価格と比べて安く見せるのは、実態のない割引表示になります。
製品コードの登録間違いは、二重価格の問題にとどまらず出店規約上の禁止行為として、商品削除や出店停止などの措置の対象になり得ます。型番商品を大量登録する店ほど、CSVの一括登録でコードがずれていないか気をつけてください。
オープン価格の商品はどうするか
家電を中心に、メーカーが希望小売価格を設定しない「オープン価格」の商品が増えています。この場合、メーカー希望小売価格のルートは最初から閉じています。比較する価格が存在しないからです。JANコードを登録しても、楽天側に参照できる価格データがなければ二重価格は表示されません。
取れる道は2つです。
オープン価格の商品の見せ方
- 当店通常価格を育てて比較する……自店の販売実績を条件どおり積めば、元値として使える
- 比較表示なしで売る……価格そのものの魅力・ページの説得力で勝負する
「比較する元値がないと売れないのでは」と不安になりますが、検索結果に並ぶ競合も条件は同じです。オープン価格の市場では、値引き演出よりも実売価格そのものが比較されていると割り切ったほうが、値付けはシンプルになります。
比べていい価格の全体像は、こちらにまとめています。
自店の販売実績で比較する場合の条件は、こちらです。
さいごに
メーカー希望小売価格のルールを整理しました。
この記事のまとめ
- 使えるのはメーカーが決めて消費者に公表した価格だけ。参考上代はNG
- ルートはエビデンス掲載か商品価格ナビ参照の2つ
- JANコードがあるなら価格ナビ参照が基本
- エビデンスは4種類のみ・定型文は一字一句そのまま
- 別製品のコード流用は規約違反になり得る
型番商品の二重価格は、正しく設定すれば強力な訴求です。まずは自分の商品にJANコードがあるかどうかから確認してみてください。
ではでは!
楽天出店を考え始めた方へ
無料のメール講座「楽天出店21ステップ勉強会」をやっています。
毎日1通・21日間のメール講座です。
- 読むのは、1通2〜3分
- 専用シートに1日1マス埋めると、21日後に「あなたの店の設計図」が完成
(誰に・何を・いくらで・どれだけの資金と時間で売るか) - 登録した瞬間に、道具が4つ届きます
(設計図シート/関税計算テンプレ/利益率シミュレーター/集客診断シート) - 「簡単に稼げます」系の話はしません。
出店するかどうかを、自分の数字で決められるようになるための講座です
※メールを待たずに、今すぐ全手順を知りたい方には、有料の「0から始める楽天市場の教科書」もあります。
0から始める楽天市場の教科書はこちら【楽天市場の資料請求】
楽天への出店をまだ決めきれていない段階の方は、先に出店資料を取り寄せておくと判断がしやすくなります。いまのプランや費用の最新の話は、担当の方に直接聞くのが一番早いです。
僕自身も資料請求がきっかけで出店を決め、いまでは一番大きな「売上の柱」になっています。
※下記は楽天市場の資料請求の紹介リンクです。お申し込みがあると僕に紹介料が入ります。もし資料請求する機会があれば、よろしかったらこちらから請求していただけると嬉しいです。

この記事を書いた人

ラクマート認定講師:TAKAHIRO
- 2015年から3年間ネットショップに挑戦するも1円も稼げず、100万円以上の借金を負う
- 2018年に融資を受け、ネットショップ経営に独学で挑戦する
- 初年度から年商2,000万円以上を売り上げる
- 2022年に楽天市場「月間優良ショップ」を受賞
- 2022年に始めたYouTubeが1ヶ月で登録者1万人突破(現在は3万人以上)
- 2023年に楽天市場「ショップ・オブ・ザ・マンス【都道府県賞】」を受賞
- 2024年にラクマート史上初の「認定講師」7人のうちの1人に選ばれる
- 楽天市場は出店8年目。2025年度は年商6,000万円、累計売上3億円を突破
- ラクマートでの累計仕入れは6,000万円以上。最上位のV10会員
- 紹介したラクマート利用者は1,400人以上。中国の工場・船便倉庫と1688本社も現地視察ずみ
ふだんは、こんな発信をしています
ここまで読んでいただきありがとうございました。ブログ以外だと、だいたいこのあたりにいます。
- 日々のルーティン動画(YouTube)
朝の出荷から夜の受注処理まで、店長の1日をそのまま撮った動画です。「ネットショップって毎日なにをしてるの?」の答えになると思います - TAKAHIROラジオ(音声)
作業しながら聴ける音声チャンネルです。数字だけでは伝わらない話や、うまくいかなかったときの話をしています - Substack(コラム・ライブ配信)
週2〜3本のペースで発信しています。ブログに書ききれなかった現場の話はこちらに。ライブ配信も予定しています






