楽天市場の検索結果で「最強翌日配送」というラベルを見かけたことがあると思います。あのラベル、店が自分で付けているわけではありません。配送品質向上制度という認定制度があって、その基準を満たした商品にだけ楽天が表示している——つまりラベルは結果であって、土台には制度があります。
そして楽天は、このラベルが付いた商品を検索で優遇していく方針をはっきり打ち出しています。だから「ラベルの取り方」の前に、まず「制度がどういう仕組みか」を知っておく必要があります。
この記事では、楽天市場に出店して8年目の現役店長が、配送品質向上制度の仕組み——認定の構造、土台になる設定、例外商品タグ、遵守事項と禁止事項——を、ガイドラインに沿って整理します。
この記事でわかること
- 配送品質向上制度と「最強翌日配送」ラベルの関係
- 認定が店舗基準と商品基準の2階建てになっている構造
- 商品基準の土台になる3つの設定
- 例外商品タグの対象と申請の流れ
- 発送日・伝票番号など日々の遵守事項
- 自作ラベルはNGなど、やってはいけないこと
配送品質向上制度とは何か
配送品質向上制度は、楽天市場に出店する全店舗を対象に、配送に関する基準を定めた制度です。ポイントはシンプルで、基準を満たした商品に「最強翌日配送」ラベルが表示される。逆に言えば、基準を満たしていない商品にこのラベルが付くことはありません。

なぜこの制度が重要かというと、楽天が最強翌日配送ラベルを検索順位を決める要素のひとつにしているからです。ラベルが付いた商品は検索結果での露出が上がる可能性がある、と楽天自身が明言しています。つまりこれは配送のルールであると同時に、検索対策の話でもあるわけです。
制度の細かい数値基準は随時見直されるので、この記事では変わりにくい「仕組みの側」を押さえていきます。
認定は「店舗基準」と「商品基準」の2階建て
認定の構造でまず押さえるべきなのは、基準が1本ではないことです。店舗基準と商品基準の2つがあり、両方を満たす必要がある。2階建てになっています。

店舗基準は、店全体としての配送実績と運用を見るものです。注文をきちんと期日どおりに出荷しているか、発送日や伝票番号を正しく登録しているか——店の日々のオペレーションが問われます。一方の商品基準は、商品ごとの納期設定の話です。この商品はいつ届くのかを正しく表示できているかが見られます。
だから、「うちは毎日ちゃんと出荷している」だけでは足りません。商品ページ側の納期設定が整っていなければ商品基準を満たせないし、逆に設定だけ完璧でも、実際の出荷が遅れていれば店舗基準で落ちます。店の運用と商品の設定、両輪で初めて認定されると覚えてください。
店舗基準で見られている数字も挙げておきます。納期遵守率が96%以上、6日以内お届け件数比率が80%以上、出荷件数が月100件以上、そして共通の送料込みライン(税込3,980円以上で送料無料)を導入していること。この4つです。判定は月に1回で、前月のおおむね30日間の実績を見ます。
なお、RSLに預けている商品は、この4つのうち共通の送料込みラインだけを満たせばよくなります。残りの3つは倉庫側の実績で見てもらえるからです。自社発送で取りにいくというのは、この土台を自分の店の実績で積むということになります。自社発送での具体的な満たし方と、RMSのどこに何を入れるのかは、こちらの記事で解説しています。
なお、商品基準を満たすルートは2つあります。自社出荷の店は「最短お届け可能日表示機能」を正しく使うこと。楽天スーパーロジスティクス(RSL)を使っている店は「RSLお届け日時表示サービス」の利用でも満たせます。RSLそのものの仕組みと費用は、こちらの記事で解説しています。
納期を守れない商品を例外にする手続きは、こちらにまとめました。
店舗基準の1つになっている共通の送料込みラインは、こちらで解説しています。
この制度でもう1つ出てくるあす楽ラベルについては、こちらで解説しています。
商品基準の土台になる3つの設定
では自社出荷の店は具体的に何を設定するのか。ガイドラインで求められているのは、大きく3つです。

1つ目は休業の設定。定休日や長期休暇を、先6ヵ月分まで正しく登録しておきます。ここがずれていると、休みの日に出荷できる前提でお届け日が計算され、表示と実際がずれます。
2つ目は通常注文締切時間の設定。「何時までの注文をその日に出荷するか」の線引きです。翌日出荷(リードタイム1日)の商品なら、締切時間までに入った注文は当日に出荷する、という約束として扱われます。守れない時間を設定してはいけません。
3つ目が最短お届け可能日表示機能の正しい設定です。商品ごとに「最短でいつ届くか」をお客さんに表示する機能で、休業と締切時間はこの計算の土台になります。3つはバラバラの設定ではなく、正しいお届け日を表示するためのワンセットなんです。
例外商品タグ——すぐ発送できない商品のための仕組み
ここで現場から必ず出る声が、「うちの商品は構造的に翌日出荷できない」です。受注生産や産直品がそうですね。制度はここも織り込んでいて、例外商品タグという仕組みがあります。該当する商品にタグを登録すると、配送実績の集計上、例外として扱われます。
どんな商品が対象になるか。ガイドラインには細かく列挙されていますが、性質で整理するとこうなります。
| 類型 | 例 |
|---|---|
| 時期で出荷が動く商品 | 収穫・水揚げがある産直品、出荷時期を調整する商品 |
| 作ってから送る商品 | 名入れ・セミオーダーなどの受注生産品 |
| 確認してから送る商品 | 医薬品など、注文後に情報確認が必要な商品 |
| 配送の型が違う商品 | 超大型商品、海外直送、ふるさと納税、定期購入など |
共通する条件として、ほぼすべての類型で納期情報を登録し、商品ページに発送日の目安を明記することが求められます。「例外だから納期を書かなくていい」ではなく、「例外だからこそ、いつ送るかを明示する」という設計です。
タグの使い方には流れがあります。レンタルやふるさと納税など一部を除き、商品ごとに利用審査を申請し、許可が出てからタグIDを登録する。勝手に付けるものではありません。

期間限定のタグは、期間が終わった「翌日」に解除するのがルールです。最終日のうちに外すと、最終日に入った注文が例外扱いにならないまま集計に入ってしまうので、外すタイミングまで決まっています。
日々の遵守事項——発送日と伝票番号の登録
制度のもうひとつの柱が、日々の出荷業務での遵守事項です。地味ですが、店舗基準はここの積み重ねで決まります。
まず発送日。登録する発送日は、荷物を配送会社に引き渡した日です。出荷処理をした日でも、伝票を印刷した日でもありません。倉庫で梱包を終えていても、キャリアに渡していなければその日は発送日にできない。複数の箱に分かれる注文は、個口の数だけ登録します。
次に伝票番号。宅配便やクール便、コンビニ受取などは伝票番号の登録が必須です。一方、追跡のないメール便は任意、店頭受取やサービス商品など発送を伴わないものは不要と、配送方法ごとに扱いが分かれています。
そしてもうひとつ。休業・締切時間・最短お届け可能日の設定を何度も変更するのは、それ自体が禁止事項です。集計を有利にするための設定いじりを防ぐ趣旨です。設定は「一度正しく決めて、実態が変わったら直す」ものです。
やってはいけないこと——自作ラベルは特に危ない
最後に禁止事項です。うっかりやりがちなものから、明確に悪質なものまで並んでいます。

特に注意してほしいのが、店が独自に「最強翌日配送」のラベルやバナーを作って商品ページに載せること。認定されていないのに載せるのは当然NGですが、似た文言や似せたロゴで「認定されているように見せる」のも誤認表示として禁止です。「翌日最強配送」みたいな言い換えでもアウトだと考えてください。
タグIDの扱いも要注意です。タグIDを公開したり、他の店に譲ったりするのは禁止。同じ会社が運営する姉妹店であっても、店舗間で使い回すことはできません。
現役店長はどう見ているか——実感と準備の話
最後に、制度とどう付き合うかの話をします。正直なところを言うと、2026年8月時点の僕の体感では、最強翌日配送ラベルが検索順位に効いている実感は、まだ強くありません。ラベルで順位が目に見えて上がった、という手応えは今のところありません。
じゃあ放っておいていいかというと、そうは考えていません。理由は単純で、楽天が「ラベル対象の商品を検索でさらに優遇していく」と明言しているからです。プラットフォームが方針を宣言している以上、効き方が強まったときに慌てて対応を始めるのでは遅い。
だから僕の結論は、「今すぐ全商品でラベルを取りに行く」ではなく、いつでも乗れる状態を整えておくです。具体的には、休業・締切時間・最短お届け可能日の設定を正しく保ち、発送日と伝票番号を正確に登録し続けること。これはお客さんに正しいお届け日を見せるという商売の基本でもあるので、やって損がありません。
さいごに
配送品質向上制度の仕組みを整理しました。
この記事のまとめ
- 「最強翌日配送」ラベルは配送品質向上制度の認定の結果
- ラベルは検索順位を決める要素のひとつと楽天が明言
- 認定は店舗基準と商品基準の2階建て。両方必要
- 土台は休業・締切時間・最短お届け可能日の3設定
- すぐ発送できない商品は例外商品タグを審査申請して使う
- 自作ラベル・タグIDの使い回しは禁止。違反点数につながる場合も
配送の制度は、派手さがない分、後回しにされがちです。でも中身を見てきたとおり、実態は「検索」と「違反点数」の両方につながる制度です。まずは自分の店の休業・締切時間・納期表示が実態と合っているか、そこから確認してみてください。ラベルはその先に付いてくるものです。
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この記事を書いた人

ラクマート認定講師:TAKAHIRO
- 2015年から3年間ネットショップに挑戦するも1円も稼げず、100万円以上の借金を負う
- 2018年に融資を受け、ネットショップ経営に独学で挑戦する
- 初年度から年商2,000万円以上を売り上げる
- 2022年に楽天市場「月間優良ショップ」を受賞
- 2022年に始めたYouTubeが1ヶ月で登録者1万人突破(現在は3万人以上)
- 2023年に楽天市場「ショップ・オブ・ザ・マンス【都道府県賞】」を受賞
- 2024年にラクマート史上初の「認定講師」7人のうちの1人に選ばれる
- 楽天市場は出店8年目。2025年度は年商6,000万円、累計売上3億円を突破
- ラクマートでの累計仕入れは6,000万円以上。最上位のV10会員
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