物販を始める前は、流れがとてもシンプルに見えていました。売れそうな商品を見つけて、仕入れて、出品して、売れて、利益が出る。
僕もそう思っていました。でも、初めてまとまった量を仕入れたとき、体感で7割ほどが売れ残りました。
段ボールの中に商品が残っている。売上は思ったほど立たない。仕入れに使ったお金は戻ってこない。あのときの重さは、いまでもはっきり覚えています。
この記事では、7割残ったところから何をして立て直したのかと、いま同じことが起きたら最初にどこを見るのかを書きます。
段ボールに商品が残っているのに、売上が立たない
初めての仕入れは、いま思うと明らかに数が多すぎました。まとめて買ったほうが1個あたりが安くなるので、そのほうが得だと思っていたんです。
届いた段ボールを開けたときは、正直うれしかったです。自分の商品がここにある、という感覚がありました。
その気持ちが変わり始めるのは、出品してから2週間ほど経った頃です。動いた分より、残っている分のほうがはるかに多い。部屋の隅の段ボールが、毎日目に入ります。
売れていないことより、「あの段ボールをどうにかしないといけない」という気持ちのほうが重かったです。
売れ残りがしんどいのは、金額そのものだけではありません。自分の判断が外れたことが、物として部屋に置いてあるからだと思います。
しかも在庫は、置いておくだけで場所を取ります。数が多いと、どれが何個あるのか把握するだけでも時間がかかります。お金だけでなく、注意力も持っていかれるのが在庫です。
物販がいちばん怖いのは、お金が商品に変わったまま戻らない感覚
物販の怖さを一言で言うなら、売れないことそのものではありません。お金が商品に姿を変えたまま、戻ってこない感覚です。
仕入れた瞬間、現金は減ります。でも商品は増えているので、帳簿の上では損をしていません。にもかかわらず、次に使えるお金は確実に減っています。

この流れで言うと、売れ残りは2番目で止まったままの状態です。広告にも、次の仕入れにも、生活費にも回せません。
だから僕は、売れ残りを見るときに何個残っているかではなく、いくら戻ってきたかから見るようになりました。ここは後半でもう一度書きます。
売れ残った直後、僕がやったのは反省ではなく言い訳だった
正直に書きます。売れ残ったとき、僕はすぐには反省できませんでした。やっていたのは、売れない理由を見に行かなくて済む説明を探すことです。
当時、自分に言っていたこと
- たまたまタイミングが悪かっただけじゃないか
- まだ見つけてもらえていないだけじゃないか
- もう少し待てば売れるんじゃないか
- この商品を選んだ理由はちゃんとあったはずだ
物販では、待つことが必要な場面も本当にあります。出してすぐ売れる商品ばかりではありません。
ただ当時の僕は、「待つ」と「現実から目をそらす」を混同していました。
売れない理由を見に行くのが怖かったんです。商品選びが違ったのかもしれない。価格が高かったのかもしれない。写真で伝わっていなかったのかもしれない。説明文で不安を消せていなかったのかもしれない。
そういう可能性を確かめると、自分の判断が外れたことが確定します。それが嫌で、「そのうち売れる」と思いたかったんだと思います。
売れないときにどこから見ればいいのかは、別の記事に手順としてまとめています。
残った在庫を「悪」にすると、判断が鈍る
立て直すときにいちばん効いたのは、作業ではなく見方を変えたことでした。売れ残りを失敗ではなく、仕入れ判断の答え合わせとして見る。
気分としては、売れ残りはかなり嫌です。でもそこには、リサーチだけでは絶対に手に入らない情報が入っています。

この表の使い方は簡単で、自分の店がどの行で止まっているかを1つ選ぶだけです。全部を同時に直そうとすると、結局どれも中途半端になります。
在庫そのものが悪いわけではありません。在庫があれば早く届けられますし、欠品も防げます。怖いのは、なぜその数を持っているのか説明できない在庫のほうです。
「在庫=悪」にしてしまうと、残っている事実そのものが責める材料になります。そうなると、値下げも損切りも負けを認める作業に見えてきて、動けなくなります。
立て直すときに、最初に分けた2種類の在庫
7割残った状態から手をつけるとき、僕が最初にやったのは全部を2つに分けることでした。

分け方の基準は、期待ではなく反応です。出してから今日までに1件でも動いたかどうか、アクセスは来ているのかどうか。ここで線を引きました。
まだ売れる見込みがある側にやったこと
- 1枚目の写真を撮り直す
- 価格と送料の合計金額を見直す
- 説明文で、買う前に不安になる点を先に書く
- 相性のいいものをセットにして見せ方を変える
見込みが薄い側にやったこと
- 利益が薄くても現金に戻す
- 同じ商品を次も扱うなら、撮影用の見本として残す
- 理由を書いたうえで、処分価格に切り替える
- 売れない前提で、保管し続ける費用と比べて決める
全部がきれいに売れたわけではありません。損切りした商品もあります。それでも、損切りを含めて立て直しでした。
物販は、仕入れた瞬間に勝ち負けが決まる仕事ではありません。売れ残ったあとにどう動くかで、結果はかなり変わります。
次の仕入れを、どのタイミングで打つか
売れ残りがあると、全部売り切ってからでないと次に進んではいけないような気がします。僕もそう思っていました。
ただ、商売のお金は問題集のように1ページずつ終わるものではありません。最初の商品が動いている途中で、その売上を次に回して、また売る。その循環で少しずつ大きくなります。

見るのはこの4つです。この仕入れにいくら使ったか。手数料と送料を引いていくら戻ったか。近いうちに出ていく支払いに必要な現金を確保できているか。何日で何割が動いたか。
たとえば売れた枚数が9割でも、値下げを重ねた結果戻ったお金が仕入れ額の半分なら、話はまったく違います。売れているように見えるのに現金がなくなるのは、この状態です。
そして次の仕入れは、残った理由を1つでも反映させてから打ちます。同じ数をもう一度買うのではなく、動いた側を少し厚く、残った側を減らす。それだけで前回とは別の仕入れになります。
最初の仕入れは、利益のためだけの仕入れではない
7割残した経験から、いま強く思っていることがあります。最初から大きく当てにいかないほうがいい、ということです。
最初の仕入れは、利益を出すためだけのものではありません。実際に商品を持つと、画面の前では絶対に分からないことが一度に分かります。
- 写真を撮るのが思ったより難しいこと
- ページを1つ作るのに時間がかかること
- 送料と資材が利益をかなり削ること
- 保管する場所が先に足りなくなること
- 売れ残ったときの、気持ちの重さそのもの
これはリサーチをどれだけ丁寧にやっても手に入りません。だから最初は小さく試して、動いたら増やす。動かなかったら理由を見る。この順番のほうが、結果的に早く進みます。
いきなり大きく仕入れて当たれば気持ちはいいですが、外したときのダメージも同じだけ大きいです。僕のように、段ボールを見るたびに気持ちが重くなります。
さいごに
売れ残りは本当にしんどいです。お金が減った感じがして、部屋は圧迫されて、自分の判断が間違っていたように感じます。
ただ、売れ残った時点では、まだ何も終わっていません。そこから何を読み取って、いくら現金に戻せるかで、次が変わります。
この記事のまとめ
- 怖いのは売れないことではなく、お金が商品のまま止まること
- 売れ残りは失敗ではなく、仕入れ判断の答え合わせ
- 在庫を悪にすると、値下げも損切りもできなくなる
- 立て直しは、見込みがある側と薄い側に分けるところから
- 次へ進む判断は、残数ではなく戻ったお金と手元の現金
僕は初めての仕入れで7割を残しました。いま振り返ると高い授業料でしたが、その分だけ仕入れ前に立ち止まれるようになりました。
もし今、売れ残りを抱えて落ち込んでいる人がいたら、在庫を責める前に、そこから何が分かるかを見てみてください。
在庫がお金に戻らないときに効いてくるのは、資金の持ち方のほうです。
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この記事を書いた人

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- 2015年から3年間ネットショップに挑戦するも1円も稼げず、100万円以上の借金を負う
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