- 利益率ってどれくらい取ればいいんですか?
- 原価計算に何を含めればいいの?
こんな悩みを持つ方に向けて、今回は僕の経験をもとに「中国輸入ビジネスの利益率」について徹底解説します。
私自身、2018年に月収30万円の派遣社員から始めて、現在では年商6,000万円以上のネットショップを運営しています。最初は何もわからず壁にぶつかりまくりましたが、だからこそ初心者の気持ちが痛いほど分かります。
この記事を読めば
- 中国輸入特有の見落としがちな費用がわかる
- 実際の利益計算方法を具体例で理解できる
- 失敗しない商品価格の決め方が身につく
それでは、「そもそも利益とは何か?」という基本的なところから解説していきましょう!
長い記事になりますが、ぜひ最後までお付き合いください!
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そもそも、なぜ利益率がそこまで大事なのか

利益とは事業を継続・成長させるための「核」です。
利益が十分に確保できなければ
- 集客や新商品開発(発売)などに投資できない(利益拡大)
- 設備投資に資金を使えない(業務効率)
- お客さまのアフターサービスが悪くなる(サービスの質)
など、負のループに陥ってしまいます。
物販では「売上」ではなく「利益」が大事!というのが僕の持論です。
理由①:元手が増えず、次の一手が打てない

イメージしやすいように身近な例で説明します。
例えば、副業で10万円を元手にお洋服を販売したとします。
- 元金:10万円
- 仕入れ:3.6万円(原価1,200円のTシャツ×30点。売価2,000円に対して原価率60%)
例1)30着完売した場合:
- 売上:6万円(販売額2000円×30点完売)
- 変動費:1.2万円(配送費&梱包資材200円+決済手数料&販売手数料200円×30件)
❶元金10万円-❸仕入れ3.6万円=❶元金6.4万円
❶元金6.4万円+❷売上6万円=❶元金12.4万円
❶元金12.4万円-❹変動費1.2万円=❶元金11.2万円
利益:1.2万円
と利益率20%ほどの場合、30点が完売しても元金があまり増えません。
例2)30点の内、5点(約17%)売れ残りや破損で返品があった場合は、
- 売上:5万円(販売額2000円×25点完売)
- 変動費:1万円(配送費&梱包資材200円+決済手数料&販売手数料200円×25件)
❶元金10万円-❸仕入れ3.6万円=❶元金6.4万円
❶元金6.4万円+❷売上5万円=❶元金11.4万円
❶元金11.4万円-❹変動費1万円=❶元金10.4万円
利益:0.4万円
利益率が低いと80%以上の商品を売っているにも関わらず、元手が増えないという事態になります。
この元手でさらに、新商品の仕入れなどで売上拡大を狙っていくのは、非常にリスクが高くなり、元手の10万円を最大化していく難易度がグッと上がります。
理由②:同じ利益を出すのに、何倍もの売上とリスクが必要になる

もう1点の利益率が低い場合のデメリットが、売上を上げなければ十分な利益を確保できないという点です。
なにを当たり前のことを言ってるんだ!と思うかもしれませんが、
- A社:売上100万円(注文件数100件)×利益率10%=10万円
- B社:売上100万円(注文件数100件)×利益率20%=20万円
とA社がB社と同じ利益額を稼ぐためには、「2倍」の注文件数が必要になります。
その他にも単純に「同じ利益額」を稼ぐのに、その分「元手資金」を多く使うから「リスク」が高くなります。
(例1)売上2000万円×利益率50%=利益1000万円
(例2)売上1億円×利益率10%=利益1000万円
「ぱっと見」(例2)の売上1億円の方が「凄そう」に見えるけど、実際凄いのは(例1)の売上2000万円の方。
「どれだけ売上を上げるか?」ではなく「どれだけ利益が残るか?」が重要なので、少ない売上で多くの利益を残している(例1)の方がビジネスとして優秀です。
簡単に言うと、同じ1000万円を稼ぐのに「例1=1000万円必要」なのに対し、「例2=9000万円必要」と考えるととんでもないリスクの「差」があることが分かります。
「為替変動」や「売残り」など、少しのトラブルで経営が簡単に崩れてしまう可能性が高いです。
それでいて、経営で予期せぬトラブルは必ず来る!!(笑)
さらに、売上件数増えるにつれ、
- 商品の返品・交換
- 商品の破損
- 売れ残り
- 商品管理
- 配送トラブル(送り先間違い、サイズ・色間違い)
などアクシデント率のコントロールが難しくなり、コストも増えていきます。
アクシデント数は、利益ではなく売上に比例し増加していきます。理由は、売上件数や仕事量が比例して増えていくからです。
最初のころはどれだけ売上をあげたか?に着目してしまいがちですが、利益に着目して経営していきましょう。
売上が多いと漠然と安心ができ、精神衛生面は健康に保てるし、自分が凄くなった(成長した)と実感が湧いてくるので気持のいいものではありますよね。
でもそこには注意して、売上ではなく利益を上げることに注力しましょう!
僕自身も2年目までは(つい最近)売上ばかり上げようと躍起になっていました。
利益が少ないとトラブル時の「対応力」が圧倒的に落ちるよね。利益(武器)がないから、打ち手が無いみたいな状況になる…
粗利益と限界利益ってなに?

粗利益と限界利益について説明します。
- 売上-商品原価(仕入れ)=粗利益
- 売上-(商品原価+変動費)=限界利益
- 売上-(商品原価+変動費+固定費)=営業利益
【変動費の例】 =販売数量に応じて変わる費用
広告費、配送費、梱包資材費、決済手数料、販売手数料、オプション費など
【固定費】 =販売数量に関係なくかかる費用
人件費、家賃など
少し難しいと思うので、以下の図をご覧ください。

僕自身、初心者セミナーに潜入した際、「今回は粗利益○○%で○○万円売上作った商品紹介します」と見かけましたが、「それって限界利益率何%?」と疑問に思うことがありました。
物販やネットショップ運営を始めたばかりの方は「粗利益=営業利益」と認識している人も多いと思います。
中国輸入ビジネスの主な費用項目と目安

利益率を正しく設定するには、「商品原価」をできるだけ正確に把握する必要があります。中国輸入ビジネスでは、国内仕入れには無い様々なコストが発生します。主な費用項目とその目安は以下の通りです。
商品代金(仕入れ値)

仕入れ先での商品そのものの価格です。中国のサイト上の価格(人民元)を円換算します。例えば20元の商品は為替レート×20元で日本円に換算します(レート例:1元=24円なら480円)。
商品代金は仕入れ原価の根幹で、取扱商品の個数や種類によって合計額が決まります。当然ながら為替レートの影響を大きく受ける点に注意しましょう(円安になると同じ元額でも円換算コスト増)。
中国国内送料

中国の仕入れ先(工場や店舗)から中国の代行業者の倉庫まで商品を送ってもらう送料です。距離や荷物の重量によって異なりますが、おおむね10~100元くらい、20~40元程度が多い印象です。
日本の感覚より非常に安く、数百円~数千円程度で済むことがほとんどです。この費用は商品代金とは別途発生しますので見落とさないようにしましょう。
国際送料(中国→日本の送料)

中国から日本まで商品を輸送する費用です。航空便と船便があり、一般に航空便は速くて高い、船便は遅くて安いという関係になります。
ここで多くの人が誤解しているのが、重さだけでは送料が決まらないという点です。航空便でも船便でも、「実際の重さ」と「容積重量(縦×横×高さ÷6,000)」を比べて、大きいほうで課金されるのが基本です。ぬいぐるみやアウターのように軽くてかさばる商品で送料が跳ね上がるのは、これが理由です。
また「初心者はまず航空便」と言われることもありますが、最近は代行業者が独自に運行する速い船便も出てきていて、船便でも10日前後で届くケースがあります。資金が少ないうちほど「早く届く=早く売れる=早く現金が戻る」が効くので、自分の使う業者にどんな配送方法があるかは一度確認しておく価値があります。
なお、国際送料には通関後に税関から自宅(またはFBA倉庫等)への配達費も含まれることが多いです。代行業者や配送会社によりますが、別途日本国内の送料を支払わずに済むケースが基本です。
関税

輸入品に課せられる税金です。商品カテゴリー(品目)と課税価格によって税率が変わります。日本では、課税価格が20万円以下の場合「簡易関税率」という簡略化された税率が適用され、多くの品目が0~20%の範囲で定められています。
例えば衣類は一律10%、プラスチック製品は一律3%など比較的シンプルです。初心者が扱う少額輸入なら、まずこの簡易関税率で計算するとよいでしょう。
消費税(輸入消費税)

海外から商品を輸入する際、日本の消費税も課税されます。計算式は「(商品代金 + 送料 + 関税) × 消費税率」です。税率は標準10%です(飲食料品など軽減税率の対象品目のみ8%)。
見落とされがちですが、金額としては関税より輸入消費税のほうが重いことも多いです。概算では課税価格の10%で見積もっておけば大きなズレはありません。
詳しくは上記記事で詳しく解説しています!
代行手数料(買付代行費用)

中国輸入では多くの場合、現地に発注・検品・発送まで対応してくれる「輸入代行業者」を利用します。そのサービス利用料が代行手数料です。一般的に商品代金に対して3~8%程度が相場です。
たとえば代行業者「ラクマート」の場合、累計仕入額に応じてランクが上がり、手数料5%→4%→3%…と段階的に安くなるシステムです(別途、月額を払うタイプの会員になると買付手数料が無料になる仕組みもあります。仕入れ額の条件はなく、加入すれば誰でも使えます)。代行手数料は商品代金部分のみに掛かり、国内・国際送料には掛からない点も覚えておきましょう。
詳しくは上記記事で詳しく解説しています!
検品費用・オプション費用

代行業者に追加の有料サービスを依頼した場合に発生する費用です。
例として、現地での検品代行、日本向けに梱包資材の入れ替え、タグ付け、FBA納品代行などがあります。それぞれ業者や内容によりますが、1商品あたり数十円~数百円のこともあれば、注文ごとに定額のこともあります。これらは利用した場合のみ原価に加算されます。
プラットフォーム販売手数料

仕入れた商品をどの販路で売るかによってかかる費用です。Amazonなら商品が売れるたびに販売手数料がかかり、料率はカテゴリごとに違います。FBA(Amazonの発送代行)を使えば、そこに倉庫保管料や出荷作業手数料が乗ります。
フリマアプリやオークションサイトにもそれぞれ手数料があり、楽天市場のようなモールに出店するなら月額の出店料や決済手数料も別にかかります。
ここは料率がたびたび改定されるので、必ず公式の最新情報を確認してください。ネットで見つけた数字をそのまま信じて計算すると、あとでズレます。
その他の費用

上記以外にも細かな費用が発生する場合があります。例えば決済手数料(代行業者への支払い時の振込手数料や為替手数料)や、輸入通関時の立替手数料(配送業者が関税等を立替えた際の手数料)があります。
国際配送業者によっては1件ごとに数百円~千円程度の手数料が請求されることがあります。また、商品をお客様に発送する際の梱包資材費や送料(出品者負担の場合)、売れ残った在庫の保管コストなども事業全体では考慮すべきコストです。
小さな額でも積み重なると利益を圧迫しますので、「その他経費」として余裕を持たせておくと安心です。
以上が主な費用項目です。ポイントは、販売価格から引かれる全てのコストを漏れなくリストアップすることです。その合計が「売上原価」(商品の仕入れにかかった総コスト)となります。
中国輸入では特に輸送費や関税など国内仕入れには無いコストが多いため、まずは何にいくらかかるのか一つ一つ把握しましょう。
で、利益率は何%にすればいいのか?【僕の目安】

ここまでの費用を全部踏まえたうえで、この記事の結論です。
僕の最低ライン
- 粗利益率 50%以上(売価 − 商品原価)
- 限界利益率 20%以上(− 送料・手数料・広告費などの変動費)
中国輸入ビジネス全体の相場感としては、最終的に20〜30%残れば健全なほうです。
なぜ粗利50%が最低ラインなのか。モールに出して売る場合、販売手数料・決済手数料・広告費・配送費といった変動費だけで、売価の3割前後は当たり前に出ていくからです。粗利が50%を切ると、広告を1回試しただけで限界利益がほぼ消えます。「打ち手を試す余白」まで含めた数字が50%です。
そして利益率は、商品を見つけてから計算するものではなく、先に決めて逆算するものです。

この順番にしておくと、リサーチの段階で「買っていい商品代金の上限」が先に決まるので、「売れそうだから」という気分で高い商品に手を出さなくなります。
図の中の「×1.35」は、送料・関税・手数料まで含めた最終原価を商品代金から見積もる、僕の実運用の係数です。実測データによる根拠は、こちらの記事で全部公開しています。
実測3便ぶんの請求データから「商品代金の何倍が最終原価になるか」を出したよ。リサーチのお供にどうぞ!
見落としがち:物流費は「下げられない」費用です

費用項目を見てきて、「物流費が重いな」と思った方は多いと思います。そこで多くの人が考えるのが「自社発送に切り替えれば安くなるのでは?」です。
結論から言うと、総額はほとんど変わりません。
倉庫サービスの料金は「全部込み」だから
楽天のRSLやAmazonのFBAのような倉庫サービスの料金には、こういうものが全部含まれています。
- 配送料(実際に運んでもらう費用)
- 出荷作業料(ピッキング・梱包の手間=人件費にあたる部分)
- 資材料(箱・袋・緩衝材)
- 保管料(在庫を置いておく場所代=家賃にあたる部分)
これを自社発送に切り替えると、たしかに「物流費」という項目の数字は下がります。でもそのぶん、人件費・家賃・梱包資材費という別の項目が増えるだけです。
「物流費を削る」って発想でずっと悩んでたんだけど、あるとき「これ削れないものだ」と気づいて、考え方が変わったんだよね。
1注文にかかる物流費は、ほぼ固定
もう1つ知っておいてほしいのが、物流費は「1注文につきいくら」という形でかかるということです。
| 費目 | かかり方 | 例 |
|---|---|---|
| 配送料 | 1注文につき1回 | 約200〜450円(サイズによる) |
| 資材料 | 1注文につき1つ | 数十円 |
| 出荷作業料 | 1点ごと | 数十円 |
| 保管料 | 在庫の量と期間に応じて | — |
注目してほしいのは、配送料と資材料は「注文の単位」でかかるところです。2点まとめて買われても、箱は1つ・配送は1回。つまり点数が増えても、この部分は増えません。
ここに、利益率を改善する唯一の突破口があります。
利益率を上げる道は、2つしかありません

物流費そのものは下げられない。だとすれば、動かせるのは「分母」=1回の注文の大きさだけです。方法は2つあります。
道① 1注文あたりの点数を増やす(同梱率を上げる)
たとえば「1注文あたり固定290円+1点ごと70円」という料金体系の倉庫サービスを使っていて、商品単価が1,600円だとします。1注文の点数が増えると、こうなります。

| 1注文の点数 | 注文金額 | 物流費 | 売上に占める物流費 |
|---|---|---|---|
| 1.20点 | 1,920円 | 374円 | 19.5% |
| 1.35点 | 2,160円 | 384円 | 17.8% |
| 1.50点 | 2,400円 | 395円 | 16.5% |
| 1.75点 | 2,800円 | 412円 | 14.7% |
| 2.00点 | 3,200円 | 430円 | 13.4% |
1.20点から2.00点に増えるだけで、物流費の負担が19.5%から13.4%まで、6ポイント以上も軽くなります。商品を1つも値上げしていないのに、です。
同梱率を上げる打ち手
- セット販売をつくる(2点セット・3点セット)
- まとめ買い割引(2点購入で10%OFFなど)
- 「あと◯円で送料無料」の設計
- 関連商品を商品ページ内で提案する
道② 商品単価そのものを上げる
もう1つは、扱う商品の価格帯を上げることです。1,000円の商品も4,000円の商品も、かかる物流費はほとんど同じだからです。

| 商品単価 | 注文金額(1.3点として) | 売上に占める物流費 |
|---|---|---|
| 1,000円 | 1,300円 | 29.3% |
| 1,500円 | 1,950円 | 19.5% |
| 2,000円 | 2,600円 | 14.6% |
| 3,000円 | 3,900円 | 9.8% |
| 4,000円 | 5,200円 | 7.3% |
配送も梱包も、中身の値段では変わりません。だから単価が低いほど、物流費が売価を食う割合が大きくなります。
まとめると
利益率が思ったより残らないとき、疑うべきはこの2つ
- 1注文あたりの点数が少なくないか(=セット販売やまとめ買いの設計がない)
- 商品単価が低すぎないか(=物流費が売価を食っている)
「原価を下げる」「もっと安く仕入れる」より、この2つのほうが効果が大きく、しかも自分でコントロールできます。
仕入れ交渉より、セット販売を1つ作るほうが早く効くこともあるよ。ここは意外と見落とされがち!
落とし穴:売価が低いほど、同じ粗利率でも手元に残らない
ここまで読んで、「じゃあ粗利率50%を確保すればいいんだな」と思った方に、もう1つだけ知っておいてほしい落とし穴があります。
それは、同じ粗利率50%でも、売価によって手元に残る額がまるで違うということです。

| 売価 | 原価(粗利率50%) | 変動費 | 手元に残る | 限界利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000円 | 500円 | 430円 | 70円 | 7.0% |
| 2,000円 | 1,000円 | 530円 | 470円 | 23.5% |
| 5,000円 | 2,500円 | 830円 | 1,670円 | 33.4% |
| 10,000円 | 5,000円 | 1,330円 | 3,670円 | 36.7% |
※変動費は「配送300円+販売手数料10%+梱包30円」で計算しています。
理由はシンプルで、配送費と梱包費は、売価が下がっても安くならないからです。売価1,000円の商品にとって配送300円は売価の30%ですが、売価10,000円の商品にとっては3%でしかありません。
ここから導ける実務の結論
- 低価格帯を扱うなら、粗利率は50%でも足りない。60%以上は取りにいく必要がある
- 低価格帯は「まとめ買い前提」で設計する。1個売りでは配送費に食われる
- 粗利率が同じでも、売価が高い商品のほうが手元には残る
送料をどう設定するかで利益率が変わる話は、こちらの記事で詳しく書きました。
利益率は「商品ジャンル」では決めていません

よく「アパレルなら何%、雑貨なら何%」というジャンル別の目安を聞かれます。でも正直に言うと、僕はジャンルでは決めていません。

見ているのは、この3つです。
- その市場の競合の強さ
- 店内での役割(入口商品なのか、回遊・認知のための商品なのか)
- 1個売るまでにかかる手間
③の「手間」を原価に入れて考える
ここがいちばん見落とされます。原価というと仕入れ代と資材費だけを数える人が多いのですが、自分とスタッフの労力も原価に入れて考えるべきです。
たとえばギフトセット。これは検品して終わりではありません。
- 中身をセットに詰める
- ラッピングする
- 潰れないように段ボールに入れ直す
- 倉庫に納品する段取りを組む
この手間を考えると、利益率30%では割に合いません。だからこういう商品は、最初から利益を多めに取るように設計します。
逆に、ラクマートから直送できて、検品も向こうに任せられる商品は手間がほとんどかかりません。こういう商品は利益率が多少薄くても、回転率で取る/店舗の回遊や認知につながる商品として使うという考え方ができます。
「利益率30%あるのに、なんでこんなに忙しいのに残らないんだろう」って思ったら、たぶん手間を原価に入れてないんだよ。
値上げはちょくちょくしています。売れ行きはそこまで変わりません
2026年は物価の上がり方が急なので、僕は値上げをちょくちょく実施しています。そして正直に言うと、売れ行きはそこまで変わりません。
理由は2つあると思っています。
①自分の店の値上げ幅より、世間全体のインフレ率のほうが高い
②楽天は、Amazonほど価格をシビアに比較される市場ではない
②が特に大きいです。Amazonは検索の一番上を取らないと全商品と横並びで比較される構造ですが、楽天はクーポン・ポイント・店舗ごとの施策が絡むので、10円50円単位で殴り合う市場になっていません。
「値上げしたら売れなくなるのでは」と怖がって薄利のまま続けるより、適正な利益を取ったほうが結果的に店は続きます。
中国側との価格交渉は、正直あまりしていません
「ロットを増やせば単価は下がりますか?」もよく聞かれます。商品ページによっては下がりますが、僕はあまり交渉していません。
理由は扱っているジャンルの構造です。アパレル系は商品の入れ替わりが激しく、ずっと売り続けるロングセラーがあまりありません。SKU数も多い。つまりロットを積みづらいジャンルなんです。
300〜500程度のロットでは、中国側が普段動かしている大型ロット(桁が違います)に対して、そもそも交渉のカードになりません。
薄利商品の本当の怖さは「売り切れないこと」

利益率の話でいちばん伝えたいのが、ここかもしれません。
物販をやっていると、「この商品、もう売り切らなきゃ」という日が必ず来ます。需要を見誤った、競合が思ったより強かった、商品に不具合があった——理由はいろいろです。
そのときに効いてくるのが利益率です。

| 利益率が低い商品 | 利益率が高い商品 | |
|---|---|---|
| 通常価格 | 1,000円 | 1,000円 |
| 原価 | 900円 | 500円 |
| 値下げできる限界 | 900円まで | 500円まで |
| 値下げの余地 | たった100円 | 500円 |
| 売り切りたいとき | 少し下げただけで赤字。売れない | 「在庫処分だからお得」で売れる |
利益率が高ければ、訳あり品・在庫処分として堂々と値下げできます。お客様にも「在庫処分だからお得だな」という納得感が生まれるので、品質で競合に負けていても売れていきます。
つまり利益率は、儲けの話であると同時に「出口(撤退手段)を持てるかどうか」の話でもあるんです。
ただし、下げすぎると今度は「怪しい」と思われます
ここが面白いところで、値下げにも下限があります。
たとえば1,000円で売っていた商品を、赤字覚悟で500円まで下げたとします。そうすると今度は、「安すぎて逆に怪しい」と思われるんです。
傘が500円で売られていたら、「これ、ちゃちいんじゃないの?」と思いませんか。それと同じことが起きます。
利益率が高くても、回転しなければ意味がない
もう1つ、セットで見てほしい数字があります。回転率です。
どれだけ利益率が高くても、回転率の悪い商品は、意外と利益が出ていません。倉庫に置いている間ずっと保管料がかかりますし、そのお金は次の仕入れに使えません。
「利益が出てさえいればいい」という問題ではないんです。在庫が多すぎる状態そのものが危険だと考えてください。
セールで30%OFFにしても、利益を残す組み方
楽天はセールイベントの多いモールです。「30%OFFなんてやったら利益が消える」と思うかもしれませんが、設計次第で残せます。
僕のやり方:送料込みにして、まとめ買いで送料を浮かせる
僕が使っているのは、送料の設計です。商品を送料込みの価格で出しておくと、まとめ買いされたときに配送は1回で済むので、送料が浮きます。
その浮いたぶんを割引の原資に充てれば、「2点購入で10%OFF」のような大胆に見える施策を、利益をほとんど削らずに打てます。詳しくはこちらの記事に書きました。
よく見かける、もう1つのやり方
もう1つ、業界でよく見かけるやり方についても触れておきます。これは僕が推奨しているわけではなく、「そういう店舗もある」という事実の紹介です。
通常価格をあらかじめ高めに設定しておいて(2,980円ではなく3,980円にしておく)、セールのときに30%OFFで実質2,980円にする、というやり方です。
商品画像の1枚目に「30%OFF」の大きなラベルを貼ると、それだけでお得感が出ます。2,980円でずっと売っていると、お客様には「今買う理由」がありません。その理由を、通常価格を上げることで作っているわけです。
僕自身は、この方法よりも送料の設計で原資を作るほうが健全だと思っています。
よくある質問(FAQ)

Q. 中国輸入の利益率は、平均でどのくらいですか?
A. 最終的に手元に残る割合でいうと、20〜30%が一般的な水準だと思います。ただし「利益率」という言葉が粗利益なのか、変動費まで引いた後なのかで数字がまったく変わるので、他の人の数字を見るときはどこまで引いた後の数字なのかを必ず確認してください。
Q. 原価には何を含めればいいですか?
A. 売価から引かれるものは全部です。商品代金・中国国内送料・国際送料・買付手数料・関税・輸入消費税・検品などのオプション費・通関料まで含めて「最終原価」と考えます。毎回すべて計算するのは大変なので、実績から係数を1つ作って掛ける運用をおすすめします。
Q. 為替が動いたら、係数も作り直しですか?
A. いいえ、係数は基本的に作り直しません。仕入れ表の商品単価をその日のレートで更新すれば、掛け算の結果が自動で追いついてくれるからです。関税も送料も商品代金に連動する部分が大きいので、係数そのものは意外と安定しています。
Q. 利益率が低い商品は、扱わないほうがいいですか?
A. 一概には言えません。リピート購入されやすい商品なら、1回目の利益が薄くても回収できます。ただし「一生に一度しか買わない商品」で利益率を削るのは危険です。取り返す機会がないので、そのまま体力を削られて終わります。
Q. 広告費は変動費に入れるべきですか?
A. クリック課金型の広告は変動費として扱ったほうが安全です。売上に比例して増えるので、固定費として脇に置いておくと「売れているのに残らない」状態に気づけません。
Q. 不良品が出たぶんの仕入れ代は、どう考えればいいですか?
A. 僕は最初から原価に織り込んで考えています。不良品率がどのくらいか、その分をどう回収するかは別の記事にまとめました。
Q. 利益率10%でも回している人がいますが、ダメなんですか?
A. ダメとは言いませんが、リスクがかなり高いです。利益率10%ということは、10万円の利益を作るのに90万円のコストが必要ということ。100万円の利益を出そうとすれば1,000万円規模を動かす必要があります。
その規模でトラブルが起きたり売れ残ったりしたら、一発で終わります。粗利50%・限界利益20%という目安は、今の円安の状況で「これくらいは確保しないと危ない」というラインです。
Q. 仕入れ値を下げるために、価格交渉はすべきですか?
A. ロットを積めるジャンルなら有効です。ただし商品の入れ替わりが激しくSKU数の多いジャンル(アパレルなど)は、そもそもロットを積めないので交渉のカードになりません。僕自身はほとんど交渉していません。
まとめ

今回は「中国輸入ビジネス初心者向けの利益率の決め方と費用の基本」について解説してきました。振り返ってみましょう。
利益とは事業継続の核 – 売上ではなく利益が大事です
粗利益の最低ライン – 粗利益率50%、限界利益率20%が目安
中国輸入の平均利益率 – 約20~30%が相場
総原価に含むべき項目 – 商品代だけでなく、各種送料、手数料、関税、消費税などを忘れずに
- 為替レート変動によるコスト増
- 輸入消費税
- プラットフォーム手数料
- 送料の想定外の追加料金
- 返品・不良品のリスク
最初は計算が面倒に感じるかもしれませんが、Excelなどで計算シートを作っておけば、次回からは簡単に利益シミュレーションができるようになります。ぜひこの記事を参考に、健全な利益率を確保できるビジネスを構築してください!
皆さんの中国輸入ビジネスが、「売上ではなく利益」を重視した持続可能なものになることを願っています。
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この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
【TAKAHIROのネットショップ大学】
僕自身の1日ルーティン動画です!
これからネットショップを始める人の参考になれば嬉しいです
ながら聞きで参考になれば嬉しいです。
▼最新の発信はこちら▼
現在は、Substack/ポッドキャストで週2〜3本ほど発信しています。
Substackでは、ライブ配信も予定していますので、
よかったらフォローしてもらえると嬉しいです。
この記事を書いた人

この記事の筆者プロフィール【ラクマート認定講師:TAKAHIRO】
- 2015年から3年間ネットショップに挑戦するも1円も稼げず、100万円以上の借金を負う
- 2018年に融資を受け、ネットショップ経営に独学で挑戦する
- 初年度から年商2000万円以上を売上げる
- 2022年に楽天市場「月間優良ショップ」を受賞
- 2022年に始めたYouTubeが1ヶ月で登録者1万人突破
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