- 利益率ってどれくらい取ればいいんですか?
- 原価計算に何を含めればいいの?
こんな悩みを持つ方に向けて、今回は僕の経験をもとに「中国輸入ビジネスの利益率」について徹底解説します。
私自身、2018年に月収30万円の派遣社員から始めて、現在では年商6,000万円以上のネットショップを運営しています。最初は何もわからず壁にぶつかりまくりましたが、だからこそ初心者の気持ちが痛いほど分かります。
この記事を読めば
- 中国輸入特有の見落としがちな費用がわかる
- 実際の利益計算方法を具体例で理解できる
- 失敗しない商品価格の決め方が身につく
それでは、「そもそも利益とは何か?」という基本的なところから解説していきましょう!
長い記事になりますが、ぜひ最後までお付き合いください!
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【実測】僕の店の原価データを全部出します

利益率の話をする前に、まず僕の店の実際の数字を出します。ここが分からないまま「利益率は何%がいい」と言っても、絵に描いた餅になってしまうからです。
使うのは、2026年8月時点で僕が実際に輸入した3便・20箱ぶんの請求データです。
国際送料は、商品代金の4.4〜6.0%だった

| 商品代金 | 国際運賃 | 商品代金に対する割合 | |
|---|---|---|---|
| 1便目(7箱) | 613,488円 | 32,162円 | 5.24% |
| 2便目(9箱) | 722,004円 | 43,476円 | 6.02% |
| 3便目(4箱) | 424,647円 | 18,850円 | 4.44% |
| 3便合計(20箱) | 1,760,139円 | 94,488円 | 平均5.37% |
配送方法はRW船便(ラクマートの独自便)。3便とも、国際送料は商品代金のおおよそ5%前後に収まりました。
kg単価は3便ともほぼ同じ。ブレていたのは「商品の重さとかさ」
「4.4〜6.0%」と聞くと、便によって送料の単価が変わっているように見えます。でも実際は逆でした。
| 課金対象の重量 | kg単価 | |
|---|---|---|
| 1便目 | 188.65kg | 約170.5円/kg |
| 2便目 | 255.8kg | 約170.0円/kg |
| 3便目 | 109.35kg | 約172.4円/kg |
kg単価は3便とも約170円/kg(≒7.1元/kg)でほぼ一定です。ラクマートの公式送料表でも「101〜1000kgの帯は7元/kg」となっていて、実測と整合しています。
つまり、割合がブレていた原因は送料の単価ではなく、その便で運んだ商品が「軽かったか・重かったか・かさばったか」です。同じ10万円ぶんを仕入れても、Tシャツと食器では重さがまるで違いますよね。
国際送料は「重さ」だけでは決まらない(容積重量)
もうひとつ、初心者がほぼ確実につまずくのがこれです。国際送料は実際の重さだけでは決まりません。
容積重量(ようせきじゅうりょう)の計算式
縦(cm)× 横(cm)× 高さ(cm)÷ 6,000
請求は「実際の重さ」と「容積重量」の大きいほうで計算されます
実測データの中に、この違いがはっきり出た箱が2つありました。
| 箱 | サイズ | 実際の重さ | 容積重量 | 請求に使われるのは |
|---|---|---|---|---|
| 小さいのに重い箱 | 40×50×30cm | 29.3kg | 10.0kg | 実重量 29.3kg |
| 大きいのに軽い箱 | 51×58×50cm | 24.2kg | 24.65kg | 容積重量 24.65kg |
つまり「かさばる商品」は、軽くても重い扱いで課金されるということ。ぬいぐるみやダウンジャケットのような商品で、想定より送料が高くなる原因はほぼこれです。
国際送料の請求を見て「思ったより高い!」となったときの犯人は、だいたいこの容積重量だよ。
中国国内送料は、基本的に安い
工場から中国国内の倉庫まで運ぶ費用です。ここは拍子抜けするほど安いです。
| 仕入れ規模 | 中国国内送料 |
|---|---|
| 約2.4万円ぶんの仕入れ | 9元(約220円) |
| 約15万円ぶんの仕入れ | 87元(約2,100円) |
商品代金に対しておおむね1%前後。ただし例外があります。代行業者の倉庫から遠い地域の工場に発注すると、ここが一気に跳ね上がり、納期も伸びます。
そもそも利益とは何か?

利益とは事業を継続・成長させるための「核」です。
利益が十分に確保できなければ
- 集客や新商品開発(発売)などに投資できない(利益拡大)
- 設備投資に資金を使えない(業務効率)
- お客さまのアフターサービスが悪くなる(サービスの質)
など、負のループに陥ってしまいます。
物販では「売上」ではなく「利益」が大事!というのが僕の持論です。
資金の最大化が難しくなる

イメージしやすいように身近な例で説明します。
例えば、副業で10万円を元手にお洋服を販売したとします。
- 元金:10万円
- 仕入れ(60%):3.6万円(原価1200円のTシャツ×30点)
例1)30着完売した場合:
- 売上:6万円(販売額2000円×30点完売)
- 変動費:1.2万円(配送費&梱包資材200円+決済手数料&販売手数料200円×30件)
❶元金10万円-❸仕入れ3.6万円=❶元金6.4万円
❶元金6.4万円+❷売上6万円=❶元金12.4万円
❶元金12.4万円-❹変動費1.2万円=❶元金11.2万円
利益:1.2万円
と利益率20%ほどの場合、30点が完売しても元金があまり増えません。
例2)30点の内、5点(15%程)売れ残りや破損で返品があった場合は、
- 売上:5万円(販売額2000円×25点完売)
- 変動費:1万円(配送費&梱包資材200円+決済手数料&販売手数料200円×25件)
❶元金10万円-❸仕入れ3.6万円=❶元金6.4万円
❶元金6.4万円+❷売上5万円=❶元金11.4万円
❶元金11.4万円-❹変動費1万円=❶元金10.4万円
利益:0.4万円
利益率が低いと80%以上の商品を売っているにも関わらず、元手が増えないという事態になります。
この元手でさらに、新商品の仕入れなどで売上拡大を狙っていくのは、非常にリスクが高くなり、元手の10万円を最大化していく難易度がグッと上がります。
売上を上げるリスク

もう1点の利益率が低い場合のデメリットが、売上を上げなければ十分な利益を確保できないという点です。
なにを当たり前のことを言ってるんだ!と思うかもしれませんが、
- A社:売上100万円(注文件数100件)×利益率10%=10万円
- B社:売上100万円(注文件数100件)×利益率20%=20万円
とA社がB社と同じ利益率を上げるためには、「2倍」の注文件数が必要になります。
その他にも単純に「同じ利益額」を稼ぐのに、その分「元手資金」を多く使うから「リスク」が高くなります。
(例1)売上2000万円×利益率50%=利益1000万円
(例2)売上1億円×利益率10%=利益1000万円
「ぱっと見」(例2)の売上1億円の方が「凄そう」に見えるけど、実際凄いのは(例1)の売上2000万円の方。
「どれだけ売上を上げるか?」ではなく「どれだけ利益が残るか?」が重要なので、少ない売上で多くの利益を残している(例1)の方がビジネスとして優秀です。
簡単に言うと、同じ1000万円を稼ぐのに「例1=1000万円必要」なのに対し、「例2=8000万円必要」と考えるととんでもないリスクの「差」があることが分かります。
「為替変動」や「売残り」など、少しのトラブルで経営が簡単に崩れてしまう可能性が高いです。
それでいて、経営で予期せぬトラブルは必ず来る!!(笑)
さらに、売上件数増えるにつれ、
- 商品の返品・交換
- 商品の破損
- 売れ残り
- 商品管理
- 配送トラブル(送り先間違い、サイズ・色間違い)
などアクシデント率のコントロールが難しくなり、コストも増えていきます。
アクシデント数は、利益ではなく売上に比例し増加していきます。理由は、売上件数や仕事量が比例して増えていくからです。
最初のころはどれだけ売上をあげたか?に着目してしまいがちですが、利益に着目して経営していきましょう。
売上が多いと漠然と安心ができ、精神衛生面は健康に保てるし、自分が凄くなった(成長した)と実感が湧いてくるので気持のいいものではありますよね。
でもそこには注意して、売上ではなく利益を上げることに注力しましょう!
僕自身も2年目までは(つい最近)売上ばかり上げようと躍起になっていました。
利益が少ないとトラブル時の「対応力」が圧倒的に落ちるよね。利益(武器)がないから、打ち手が無いみたいな状況になる…
粗利益と限界利益ってなに?

粗利益と限界利益について説明します。
- 売上-商品原価(仕入れ)=粗利益
- 売上-(商品原価+変動費)=限界利益
- 売上-(商品原価+変動費+固定費)=営業利益
【変動費の例】 =販売数量に応じて変わる費用
広告費、配送費、梱包資材費、決済手数料、販売手数料、オプション費など
【固定費】 =販売数量に関係なくかかる費用
人件費、家賃など
少し難しいと思うので、以下の図をご覧ください。

僕自身、初心者セミナーに潜入した際、「今回は粗利益○○%で○○万円売上作った商品紹介します」と見かけましたが、「それって限界利益率何%?」と疑問に思うことがありました。
物販やネットショップ運営を始めたばかりの方は「粗利益=営業利益」と認識している人も多いと思います。
中国輸入ビジネスの主な費用項目と目安

利益率を正しく設定するには、「商品原価」をできるだけ正確に把握する必要があります。中国輸入ビジネスでは、国内仕入れには無い様々なコストが発生します。主な費用項目とその目安は以下の通りです。
商品代金(仕入れ値)

仕入れ先での商品そのものの価格です。中国のサイト上の価格(人民元)を円換算します。例えば20元の商品は為替レート×20元で日本円に換算します(レート例:1元=20円なら400円)。
商品代金は仕入れ原価の根幹で、取扱商品の個数や種類によって合計額が決まります。当然ながら為替レートの影響を大きく受ける点に注意しましょう(円安になると同じ元額でも円換算コスト増)。
中国国内送料

中国の仕入れ先(工場や店舗)から中国の代行業者の倉庫まで商品を送ってもらう送料です。距離や荷物の重量によって異なりますが、おおむね10~100元くらい、20~40元程度が多い印象です。
日本の感覚より非常に安く、数百円~数千円程度で済むことがほとんどです。この費用は商品代金とは別途発生しますので見落とさないようにしましょう。
国際送料(中国→日本の送料)

中国から日本まで商品を輸送する費用です。航空便と船便で大きく異なります。航空便の場合は重量制で1kgあたり15~25元(約300~500円)が平均的です。速いですが高コストになります。一方、船便は容積制で、到着に10~25日程度かかる代わりに航空便より安価に大量輸送できます。初心者で扱う少量輸送なら航空便利用が一般的でしょう。
なお、国際送料には通関後に税関から自宅(またはFBA倉庫等)への配達費も含まれることが多いです。代行業者や配送会社によりますが、別途日本国内の送料を支払わずに済むケースが基本です。
関税

輸入品に課せられる税金です。商品カテゴリー(品目)と課税価格によって税率が変わります。日本では、課税価格が20万円以下の場合「簡易関税率」という簡略化された税率が適用され、多くの品目が0~20%の範囲で定められています。
例えば衣類は一律10%、プラスチック製品は一律3%など比較的シンプルです。初心者が扱う少額輸入なら、まずこの簡易関税率で計算するとよいでしょう。
消費税(輸入消費税)

海外から商品を輸入する際、日本の消費税も課税されます。計算式は「(商品代金 + 送料 + 関税) × 消費税率」です。税率は標準10%です(飲食料品など軽減税率の対象品目のみ8%)。
見落とされがちですが、金額としては関税より輸入消費税のほうが重いことも多いです。概算では課税価格の10%で見積もっておけば大きなズレはありません。
詳しくは上記記事で詳しく解説しています!
代行手数料(買付代行費用)

中国輸入では多くの場合、現地に発注・検品・発送まで対応してくれる「輸入代行業者」を利用します。そのサービス利用料が代行手数料です。一般的に商品代金に対して3~8%程度が相場です。
たとえば代行業者「ラクマート」の場合、累計仕入額に応じてランクが上がり、手数料5%→4%→3%…と段階的に安くなるシステムです(一定額以上仕入れると月額固定プランで手数料0%にもできます)。代行手数料は商品代金部分のみに掛かり、国内・国際送料には掛からない点も覚えておきましょう。
詳しくは上記記事で詳しく解説しています!
検品費用・オプション費用

代行業者に追加の有料サービスを依頼した場合に発生する費用です。
例として、現地での検品代行、日本向けに梱包資材の入れ替え、タグ付け、FBA納品代行などがあります。それぞれ業者や内容によりますが、1商品あたり数十円~数百円のこともあれば、注文ごとに定額のこともあります。これらは利用した場合のみ原価に加算されます。
プラットフォーム販売手数料

仕入れた商品をどの販路で売るかによってかかる費用です。例えばAmazonで販売するなら、1商品ごとに販売手数料(カテゴリごとに8~15%程度)が発生します。また、FBA(Amazonの発送代行サービス)を使えば倉庫保管料や出荷作業手数料が掛かります。
メルカリやヤフオクなら販売手数料は10%前後です。楽天市場など独自ショップを持つなら月額出店料や決済手数料もかかります。
初心者の方はまず手軽なプラットフォームを利用することが多いと思いますので、その利用料(例:Amazon月額4,900円や販売手数料15%、メルカリ10%等)を忘れず原価に織り込んでください。
その他の費用

上記以外にも細かな費用が発生する場合があります。例えば決済手数料(代行業者への支払い時の振込手数料や為替手数料)や、輸入通関時の立替手数料(配送業者が関税等を立替えた際の手数料)があります。
国際配送業者によっては1件ごとに数百円~千円程度の手数料が請求されることがあります。また、商品をお客様に発送する際の梱包資材費や送料(出品者負担の場合)、売れ残った在庫の保管コストなども事業全体では考慮すべきコストです。
小さな額でも積み重なると利益を圧迫しますので、「その他経費」として余裕を持たせておくと安心です。
以上が主な費用項目です。ポイントは、販売価格から引かれる全てのコストを漏れなくリストアップすることです。その合計が「売上原価」(商品の仕入れにかかった総コスト)となります。
中国輸入では特に輸送費や関税など国内仕入れには無いコストが多いため、まずは何にいくらかかるのか一つ一つ把握しましょう。
【実測】楽天に払っているお金は、売上の約35%でした

原価の話をしたので、次は「売れたあとに引かれるお金」のほうです。
ここも実データで出します。僕の店の楽天からの請求書と売上を、14ヶ月ぶん突き合わせて計算しました(2024年12月〜2026年4月)。

| 費目 | 売上に対する割合 | 中身 |
|---|---|---|
| 物流費(RSL) | 約20% | 配送料・保管料・出荷作業料 |
| 販売促進費 | 約6% | アフィリエイト成果報酬・RPP広告・CPA広告 |
| システム利用料 | 約5.5% | 月額・ポイント付与料・各種サービス |
| 決済手数料 | 約3.4% | 楽天ペイの利用料 |
| 合計 | 約35% | 売上の3分の1が楽天への支払い |
この数字で驚いてほしいのは、いちばん重いのが広告でも手数料でもなく「物流費」だったことです。売上の約20%が、荷物を保管して出荷して届けるためのお金に消えています。
また、この35%はあくまで平均で、繁忙期(夏や年末)は物流費が26%まで上がり、合計46%になる月もありました。忙しい月ほど手元に残らない、というのは実感としてもその通りです。
「販売手数料が◯%だから大丈夫」って計算だと、だいたい足りなくなるんだよね。実際に引かれるのはこの4つ全部だから。
【実額】1個売って、手元にいくら残るのか

費用項目が分かったところで、実際に1個売ったら手元にいくら残るのかを、最後まで通しで計算してみます。ここまでやらないと、利益率の話は実感になりません。
まず、仕入れた商品が「いくらの原価」になるのか
1688で商品代金600円の商品を見つけたとします。これが手元に届くまでに、いくらになるでしょうか。

| 費目 | 金額 | 根拠 |
|---|---|---|
| 商品代金(1688) | 600円 | 基準 |
| 中国国内送料 | 8円 | 商品代金の約1%(実測) |
| 国際送料 | 32円 | 商品代金の5.37%(実測3便平均) |
| 買付手数料 | 30円 | 商品代金の5%(一般会員のスタート料率) |
| 関税+輸入消費税 | 133円 | 衣類(関税10%)の場合 |
| 通関料・立替手数料 | 17円 | 1件2,000円+1,400円を1便200点で按分 |
| 最終原価 | 820円 | 商品代金の約1.37倍 |
注目してほしいのは一番下です。600円の商品が、手元に届くときには820円になっている。倍率にすると約1.37倍です。
僕がリサーチのときに使っている係数は×1.35なのですが、積み上げで計算した結果とほぼ一致しました。この係数の作り方は、原価計算の記事で詳しく解説しています。
次に、売ったときに引かれるもの
では、この商品を売価2,000円(送料込み)で楽天市場に出したとします。売れた瞬間に、こんどは販売側の費用が引かれます。
| 費目 | 金額 | 内容 |
|---|---|---|
| 売価 | 2,000円 | お客様が払う金額(送料込み) |
| − 商品の原価 | −820円 | 上の表で出した最終原価 |
| − 配送費 | −300円 | メール便サイズの場合 |
| − 販売手数料など | −200円 | 売価の約10%(モール・プランで変わります) |
| − 梱包資材 | −30円 | 袋・緩衝材など |
| − 広告費・ポイント原資 | −100円 | 売上の5%を投じた場合 |
| 手元に残る | 550円 | 限界利益率 27.5% |
2,000円の商品を1個売って、手元に残るのは550円。ここからさらに、家賃や人件費といった固定費が引かれます。
「2,000円で売れた!」の中身って、実はこれくらい削られてるんだよね。だから利益率を先に決めておくのが大事なんだ。
で、利益率は何%にすればいいのか?【僕の目安】

ここまでの費用を全部踏まえたうえで、この記事の結論です。
僕の最低ライン
- 粗利益率 40%以上(売価 − 商品原価)
- 限界利益率 25%以上(− 送料・手数料・広告費などの変動費)
中国輸入ビジネス全体の相場感としては、最終的に20〜30%残れば健全なほうです。
なぜ粗利40%が最低ラインなのか。販売手数料・配送費・決済手数料といった変動費だけで、売価の2〜3割は確実に出ていくからです。粗利が40%を切ると、広告を1回試しただけで限界利益がほぼ消えます。「打ち手を試す余白」まで含めた数字が40%です。
そして利益率は、商品を見つけてから計算するものではなく、先に決めて逆算するものです。

この順番にしておくと、リサーチの段階で「買っていい商品代金の上限」が先に決まるので、「売れそうだから」という気分で高い商品に手を出さなくなります。
図の中の「×1.35」は、送料・関税・手数料まで含めた最終原価を商品代金から見積もる、僕の実運用の係数です。実測データによる根拠は、こちらの記事で全部公開しています。
実測3便ぶんの請求データから「商品代金の何倍が最終原価になるか」を出したよ。リサーチのお供にどうぞ!
落とし穴:売価が低いほど、同じ粗利率でも手元に残らない
ここまで読んで、「じゃあ粗利率40%を確保すればいいんだな」と思った方に、もう1つだけ知っておいてほしい落とし穴があります。
それは、同じ粗利率40%でも、売価によって手元に残る額がまるで違うということです。

| 売価 | 原価(粗利率40%) | 変動費 | 手元に残る | 限界利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000円 | 600円 | 430円 | −30円(赤字) | −3.0% |
| 2,000円 | 1,200円 | 530円 | 270円 | 13.5% |
| 5,000円 | 3,000円 | 830円 | 1,170円 | 23.4% |
| 10,000円 | 6,000円 | 1,330円 | 2,670円 | 26.7% |
※変動費は「配送300円+販売手数料10%+梱包30円」で計算しています。
理由はシンプルで、配送費と梱包費は、売価が下がっても安くならないからです。売価1,000円の商品にとって配送300円は売価の30%ですが、売価10,000円の商品にとっては3%でしかありません。
ここから導ける実務の結論
- 低価格帯を扱うなら、粗利率は40%では足りない。50〜60%は取りにいく必要がある
- 低価格帯は「まとめ買い前提」で設計する。1個売りでは配送費に食われる
- 粗利率が同じでも、売価が高い商品のほうが手元には残る
送料をどう設定するかで利益率が変わる話は、こちらの記事で詳しく書きました。
利益率は「商品ジャンル」では決めていません

よく「アパレルなら何%、雑貨なら何%」というジャンル別の目安を聞かれます。でも正直に言うと、僕はジャンルでは決めていません。

見ているのは、この3つです。
- その市場の競合の強さ
- 店内での役割(入口商品なのか、回遊・認知のための商品なのか)
- 1個売るまでにかかる手間
③の「手間」を原価に入れて考える
ここがいちばん見落とされます。原価というと仕入れ代と資材費だけを数える人が多いのですが、自分とスタッフの労力も原価に入れて考えるべきです。
たとえばギフトセット。これは検品して終わりではありません。
- 中身をセットに詰める
- ラッピングする
- 潰れないように段ボールに入れ直す
- 倉庫に納品する段取りを組む
この手間を考えると、利益率30%では割に合いません。だからこういう商品は、最初から利益を多めに取るように設計します。
逆に、ラクマートから直送できて、検品も向こうに任せられる商品は手間がほとんどかかりません。こういう商品は利益率が多少薄くても、回転率で取る/店舗の回遊や認知につながる商品として使うという考え方ができます。
「利益率30%あるのに、なんでこんなに忙しいのに残らないんだろう」って思ったら、たぶん手間を原価に入れてないんだよ。
値上げはちょくちょくしています。売れ行きはそこまで変わりません
2026年は物価の上がり方が急なので、僕は値上げをちょくちょく実施しています。そして正直に言うと、売れ行きはそこまで変わりません。
理由は2つあると思っています。
①自分の店の値上げ幅より、世間全体のインフレ率のほうが高い
②楽天は、Amazonほど価格をシビアに比較される市場ではない
②が特に大きいです。Amazonは検索の一番上を取らないと全商品と横並びで比較される構造ですが、楽天はクーポン・ポイント・店舗ごとの施策が絡むので、10円50円単位で殴り合う市場になっていません。
「値上げしたら売れなくなるのでは」と怖がって薄利のまま続けるより、適正な利益を取ったほうが結果的に店は続きます。
中国側との価格交渉は、正直あまりしていません
「ロットを増やせば単価は下がりますか?」もよく聞かれます。商品ページによっては下がりますが、僕はあまり交渉していません。
理由は扱っているジャンルの構造です。アパレル系は商品の入れ替わりが激しく、ずっと売り続けるロングセラーがあまりありません。SKU数も多い。つまりロットを積みづらいジャンルなんです。
300〜500程度のロットでは、中国側が普段動かしている大型ロット(桁が違います)に対して、そもそも交渉のカードになりません。
薄利商品の本当の怖さは「売り切れないこと」

利益率の話でいちばん伝えたいのが、ここかもしれません。
物販をやっていると、「この商品、もう売り切らなきゃ」という日が必ず来ます。需要を見誤った、競合が思ったより強かった、商品に不具合があった——理由はいろいろです。
そのときに効いてくるのが利益率です。

| 利益率が低い商品 | 利益率が高い商品 | |
|---|---|---|
| 通常価格 | 1,000円 | 1,000円 |
| 原価 | 900円 | 500円 |
| 値下げできる限界 | 900円まで | 500円まで |
| 値下げの余地 | たった100円 | 500円 |
| 売り切りたいとき | 少し下げただけで赤字。売れない | 「在庫処分だからお得」で売れる |
利益率が高ければ、訳あり品・在庫処分として堂々と値下げできます。お客様にも「在庫処分だからお得だな」という納得感が生まれるので、品質で競合に負けていても売れていきます。
つまり利益率は、儲けの話であると同時に「出口(撤退手段)を持てるかどうか」の話でもあるんです。
ただし、下げすぎると今度は「怪しい」と思われます
ここが面白いところで、値下げにも下限があります。
たとえば1,000円で売っていた商品を、赤字覚悟で500円まで下げたとします。そうすると今度は、「安すぎて逆に怪しい」と思われるんです。
傘が500円で売られていたら、「これ、ちゃちいんじゃないの?」と思いませんか。それと同じことが起きます。
利益率が高くても、回転しなければ意味がない
もう1つ、セットで見てほしい数字があります。回転率です。
どれだけ利益率が高くても、回転率の悪い商品は、意外と利益が出ていません。倉庫に置いている間ずっと保管料がかかりますし、そのお金は次の仕入れに使えません。
「利益が出てさえいればいい」という問題ではないんです。在庫が多すぎる状態そのものが危険だと考えてください。
セールで30%OFFにしても、利益を残す組み方
楽天はセールイベントの多いモールです。「30%OFFなんてやったら利益が消える」と思うかもしれませんが、設計次第で残せます。
僕のやり方:送料込みにして、まとめ買いで送料を浮かせる
僕が使っているのは、送料の設計です。商品を送料込みの価格で出しておくと、まとめ買いされたときに配送は1回で済むので、送料が浮きます。
その浮いたぶんを割引の原資に充てれば、「2点購入で10%OFF」のような大胆に見える施策を、利益をほとんど削らずに打てます。詳しくはこちらの記事に書きました。
よく見かける、もう1つのやり方
もう1つ、業界でよく見かけるやり方についても触れておきます。これは僕が推奨しているわけではなく、「そういう店舗もある」という事実の紹介です。
通常価格をあらかじめ高めに設定しておいて(2,980円ではなく3,980円にしておく)、セールのときに30%OFFで実質2,980円にする、というやり方です。
商品画像の1枚目に「30%OFF」の大きなラベルを貼ると、それだけでお得感が出ます。2,980円でずっと売っていると、お客様には「今買う理由」がありません。その理由を、通常価格を上げることで作っているわけです。
僕自身は、この方法よりも送料の設計で原資を作るほうが健全だと思っています。
よくある質問(FAQ)

Q. 中国輸入の利益率は、平均でどのくらいですか?
A. 最終的に手元に残る割合でいうと、20〜30%が一般的な水準だと思います。ただし「利益率」という言葉が粗利益なのか、変動費まで引いた後なのかで数字がまったく変わるので、他の人の数字を見るときはどこまで引いた後の数字なのかを必ず確認してください。
Q. 原価には何を含めればいいですか?
A. 売価から引かれるものは全部です。商品代金・中国国内送料・国際送料・買付手数料・関税・輸入消費税・検品などのオプション費・通関料まで含めて「最終原価」と考えます。毎回すべて計算するのは大変なので、実績から係数を1つ作って掛ける運用をおすすめします。
Q. 為替が動いたら、係数も作り直しですか?
A. いいえ、係数は基本的に作り直しません。仕入れ表の商品単価をその日のレートで更新すれば、掛け算の結果が自動で追いついてくれるからです。関税も送料も商品代金に連動する部分が大きいので、係数そのものは意外と安定しています。
Q. 利益率が低い商品は、扱わないほうがいいですか?
A. 一概には言えません。リピート購入されやすい商品なら、1回目の利益が薄くても回収できます。ただし「一生に一度しか買わない商品」で利益率を削るのは危険です。取り返す機会がないので、そのまま体力を削られて終わります。
Q. 広告費は変動費に入れるべきですか?
A. クリック課金型の広告は変動費として扱ったほうが安全です。売上に比例して増えるので、固定費として脇に置いておくと「売れているのに残らない」状態に気づけません。
Q. 不良品が出たぶんの仕入れ代は、どう考えればいいですか?
A. 僕は最初から原価に織り込んで考えています。不良品率がどのくらいか、その分をどう回収するかは別の記事にまとめました。
Q. 利益率10%でも回している人がいますが、ダメなんですか?
A. ダメとは言いませんが、リスクがかなり高いです。利益率10%ということは、10万円の利益を作るのに90万円のコストが必要ということ。100万円の利益を出そうとすれば1,000万円規模を動かす必要があります。
その規模でトラブルが起きたり売れ残ったりしたら、一発で終わります。粗利40%・限界利益25%という目安は、今の円安の状況で「これくらいは確保しないと危ない」というラインです。
Q. 仕入れ値を下げるために、価格交渉はすべきですか?
A. ロットを積めるジャンルなら有効です。ただし商品の入れ替わりが激しくSKU数の多いジャンル(アパレルなど)は、そもそもロットを積めないので交渉のカードになりません。僕自身はほとんど交渉していません。
まとめ

今回は「中国輸入ビジネス初心者向けの利益率の決め方と費用の基本」について解説してきました。振り返ってみましょう。
利益とは事業継続の核 – 売上ではなく利益が大事です
粗利益の最低ライン – 粗利益率40%、限界利益率25%が目安
中国輸入の平均利益率 – 約20~30%が相場
総原価に含むべき項目 – 商品代だけでなく、各種送料、手数料、関税、消費税などを忘れずに
- 為替レート変動によるコスト増
- 輸入消費税
- プラットフォーム手数料
- 送料の想定外の追加料金
- 返品・不良品のリスク
最初は計算が面倒に感じるかもしれませんが、Excelなどで計算シートを作っておけば、次回からは簡単に利益シミュレーションができるようになります。ぜひこの記事を参考に、健全な利益率を確保できるビジネスを構築してください!
皆さんの中国輸入ビジネスが、「売上ではなく利益」を重視した持続可能なものになることを願っています。
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この記事を書いた人

この記事の筆者プロフィール【ラクマート認定講師:TAKAHIRO】
- 2015年から3年間ネットショップに挑戦するも1円も稼げず、100万円以上の借金を負う
- 2018年に融資を受け、ネットショップ経営に独学で挑戦する
- 初年度から年商2000万円以上を売上げる
- 2022年に楽天市場「月間優良ショップ」を受賞
- 2022年に始めたYouTubeが1ヶ月で登録者1万人突破
- 2023年に楽天市場「ショップオブザマンス」を受賞
- 2024年にラクマート「認定講師」に選ばれる







