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中国輸入OEMはいくらかかる?【実録】サンプルまで作って量産で止めた現役楽天店長の全記録

中国輸入OEMはいくらかかる?

この記事を書いた人:TAKAHIRO|楽天市場出店8年目・年商6,000万円|ラクマート史上初の認定講師7人の1人

「OEMって儲かるって聞くけど、実際いくらかかるの?

「転売はできるようになった。次はオリジナル商品……って本当に今やるべき?

この記事は、そんな疑問に「解説」ではなく実録で答えます。

この記事で分かること:OEMの実際の手順とかかった時間/サンプルの実費/収支シミュレーションの実額/そして「量産に進まない」という判断があり得ること。

僕は2025年、OEMに本気で挑戦しました。リサーチに25時間かけて、人生初の商品企画書を書いて、中国の2つの工場でサンプルまで作りました。実費も払っています。

そして——量産の直前で、止めました。

失敗したからではありません。計算した結果、僕の店では「やらない」が正解だったからです。この記事では、その全記録と判断の中身をそのまま公開します。読み終わる頃には、「自分の店はOEMをやるべきか、まだなのか」を自分の数字で判断できるようになるはずです。

TAKAHIRO

やった人の成功談でも、やってない人の解説でもなく、「途中まで本気でやって、やめた人」の記録です。たぶん一番参考になるやつ!

なお僕は、ラクマートの認定講師(史上初の7人のうちの1人)として、OEM支援サービス「ラクメイド」さんに直接インタビューし、実際にサービスを使った上でこの記事を書いています。

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【実録】OEMに25時間かけて、サンプルまで作って、止めた

まず、僕が実際に何をやったかを全部見せます。2025年2月3日に始めて、日付と累計時間を記録していました。

OEM挑戦のタイムライン。2025年2月3日開始、25時間のリサーチ、企画書提出、サンプル制作、量産の手前で中止

立てた目標と、決めていた撤退ライン

初日に立てた目標は「2〜3年でOEM10商品・月利100万円」。1商品目が月200個売れる商品に育てば月利6〜10万円。同じ規模で2〜3商品目を作り、4商品目で大きめの市場に挑む——そういう計画でした。

同時に、最悪のパターンも初日に書き出しています。①量産品がすべて「販売できない欠陥」を持っているパターン。②権利関係(意匠権など)のチェック漏れで全在庫破棄になるパターン。この2つ以外は、リサーチをちゃんとやれば「1個も売れない」はまず起きないので、資金的リスクは数十万円と見積もっていました。

結論を先に:止めたのは「失敗」ではなく「計算」

撤退ラインを先に決めてから始める——これはOEMに限らず、仕入れ全般で効く型です。「いくらまでなら授業料か」を数字で決めておくと、途中でやめる判断が「敗北」ではなく「計画どおり」になります。

サンプルの出来には満足していました。工場とのやり取りも問題なかった。それでも量産に進まなかった理由は、この記事の後半で数字ごと説明します。先に言っておくと、OEMがダメなのではなく、僕の店の形に合わなかったという話です。

リサーチに8割の力を使う——「勝てる土俵」を探す

OEMの作業配分は、僕の実感ではリサーチが8割です。ランチェスター戦略の本に「戦士は戦うことが本分ではない、戦いに勝つことが本分だ」という言葉があります。むやみに戦うのではなく、勝てる土俵を探すのが先。ここで手を抜くと「勝てない土俵で必死に戦い続けて負ける」が待っています。

予算で、狙える市場が決まる

例えば商品開発費・画像などのクリエイティブ費・広告予算の合計が200万円だとします。この予算で「カバン」「ビジネスリュック」のようなビッグキーワードに挑んでも、広告費で太刀打ちできません。

狙うべきは「カバン ジム 小さい」のようなミドル〜スモールキーワード。自分の資源で十分に戦える規模の市場を見つけることが「勝てる土俵」の意味です。

ビッグキーワードの上位は、資金力の勝負になりがちです。予算200万円は大金ですが、広告の世界では小資本。土俵選びを間違えると、良い商品でも資金切れで終わります。

市場を見るときのチェック見るポイント
トップの売上1位がどれだけ売っているか
2位以下の分布1位の独占ではなく、2位以下も売れているか
ブランドの有無圧倒的な指名ブランドがいないか

教科書どおりの「キーワード→土俵→企画」の順番が苦手な人へ。僕は逆で、世間の面白いアイデアや悩みを先に見つけて「自分の店の客層に転用できないか?」から入ることも多いです。どちらでも、最後に土俵の検証をすれば大丈夫です。

月6万円の分析ツールは、使わないと決めた

検索上位の商品がどれだけ売れているかを知りたくて、売上調査ツールを調べました。当時の相場で月額2.5万円〜6万円。高精度と言われるツールでも、データの正確さは7〜8割程度と聞きます。

初商品で、大きなロットも積まない。だったら——と、自分の店のRMSデータで代用することにしました。商品ページ分析の流入キーワード・検索順位・アクセス数・購入率を自店の実データで並べれば、「どのくらいのキーワードボリュームで、何位に入れば、何個売れるのか」の相場観が作れます。

外部ツールの推計は他人の店の話。自分の店の実測は、精度100%の自分の話です。規模を追わない初回OEMなら、これで「大事故」は防げます。

すでに店舗を持っている人は、RMSのデータそのものが最強の分析ツールです。逆に言えば、店を持たずにいきなりOEMから入るのは、この武器なしで戦うことになります。

確認するのは3つだけ——ざっくりでいい

深掘り調査の合格ラインは、細かい数字ではなくこの3つです。

  • 上位帯を取れば月間数百個は売れる市場か
  • その上位帯を狙える競合の数と強さか(絶対的な1位がいないか)
  • 自社の予算で上位表示を十分狙えるか

この段階では「ざっくり分かれば良い」が正解。精密さは企画が固まってからで間に合います。

競合レビューを3,000件読む——AIを使えば3時間で終わる

企画の材料として一番効いたのが、競合商品のレビュー分析です。Amazonの売れ筋TOP5と楽天の売れ筋TOP10、合わせて約3,000〜4,000件のレビューを約3時間で分析しました。AIに読ませたからです。

Amazonと楽天で、やり方が違う

Amazon楽天市場
データの取り方分析ツールの拡張機能でレビューをCSVダウンロード手作業でコピペ(一括取得ツールは規約違反の恐れがあるため使わない)
AIへの渡し方CSVをそのまま渡して丸投げメモ帳に貼った全文(10〜15万字)を渡す
分析の観点評価されている点/評価を落としている点/改善案同じ

★5と★1は読まない。★2〜4だけ読む

コピペするのは★4→★3→★2の順に、各3〜4ページまで。理由は3つあります。

  • ★5と★1は感情に寄りすぎていて、仕様の情報が少ない
  • 3〜4ページ目以降は「良い商品でした!」のような具体性のない意見が増える
  • ★2〜3はそもそも件数が少ないので、3〜4ページで全部読み切れる

楽天レビューの集め方(実際にやった7手順)

楽天は一括取得ができないので、正攻法の手作業です。実際にやった手順をそのまま書きます。

❶ 競合商品のレビューページで★4でソート
❷ 「さらに表示」で全文を開く
❸ 上から一気にコピーしてメモ帳へ
❹ 3〜4ページ目まで繰り返す
❺ ★3でソートして同じく3〜4ページ
❻ ★2も同様に
❼ たまった全文(10〜15万字)をAIに渡す

評価されている点・落としている点・改善案をまとめてもらう

200〜300件くらいの商品なら、ソートせず1〜10ページを全部コピーで大丈夫です。1商品あたり10分もかかりません。

この分析から「ファスナー仕様はトラブルが多くて低評価につながりやすい」「この価格帯だと1,900円でも高いと感じる客層だ」といった、企画書に直結する発見がいくつも出てきました。

ついでにAmazonも調べる——在庫の逃げ道を2本にする

僕は楽天で売る商品なのに、Amazonの市場も同時に調べました。理由は分析のためだけではありません。楽天で大滑りしたときの、在庫処分の捌け口を2ルート確保するためです。

転売でも感じることですが、「楽天では需要があるのにAmazonではキーワードボリュームがゼロ」という商品は結構あります。数千個を作るOEMでは、全部が仮説。だからこそ捌け口が2つある商品を選んでおくと、最悪のときの現金回収がまるで違います。

AIに何を聞けばいいか分からないときは、「何て質問したらいいか」をAIに質問してください。質問文そのものを作ってくれます。

人生初の商品企画書——13項目のテンプレート

リサーチが終わったら企画書です。僕は作り方が分からなかったので、ラクメイドのOEM申込で求められる情報に合わせて、13項目の型を自作しました。そのまま置いておきます。

区分項目
企画概要①商品名 ②企画意図・コンセプト ③ターゲット層 ④販売予定価格
商品仕様⑤希望価格(元) ⑥SKU(カラー展開) ⑦材質 ⑧目標重量 ⑨付属品 ⑩希望最小ロット ⑪デザイン・サイズ規格
注意事項⑫こだわり・意図 ⑬絶対に気を付けてほしい点

⑬が一番大事な理由——口頭で伝えたことは、守られないことがある

サンプルや契約書に書かれていない要求は、生産でミスが起きたときに「記録にない」という理由で対応されないことがあります。逆に言えば、文字と実物に落とした要求だけが守られる。「ここだけは絶対」という条件は、必ず⑬に書いてください。察してくれよ、は通じません。

記入例:ジム用トートバッグならこう書く

項目だけ見ても粒度が分からないと思うので、記入例を置きます(実際の商材は明かせないため、ジム用の撥水トートバッグに置き換えた例です。粒度はこのままです)。

項目記入例
②コンセプト仕事帰りにジムへ行く人向け。撥水加工で汗をかいたウェアをそのまま入れられる。カジュアルにもオフィスにも馴染む見た目
④販売予定価格5,980円(税込)
⑤希望価格70元以内
⑥SKUブラック/グレー/ネイビーの3色
⑨付属品メイン収納×1、内ポケット×3、通気メッシュのシューズ専用ポケット×1、ボトルホルダー×1、2WAYストラップ
⑩最小ロット初回300〜500個
⑬絶対に気を付けてほしい点持ち手が短いと肩掛けできない/ファスナーの強度確保/シューズポケットは通気性重視

ポイントは⑬まで含めて「なぜその仕様なのか」を言えること。「なんとなくカッコいいから」はNGで、「汗をかいたウェアを入れるから撥水」のように、全部の仕様に理由を付けます。理由が言えない仕様は、たいてい要りません。

企画書で最重要なのは「サイズ」

ポケットに何がどのくらい入るのか。既存の設備に取り付けるなら、どのサイズなら合うのか。これは実物を手に取らないと分かりません。僕は備品を実際に買い、専門店まで見に行きました。売り場には専門雑誌もお客さんの生の姿もあって、ネットのリサーチでは得られない情報が拾えます。

設計図やイメージイラストは、いまはAIの画像生成でかなり細かく作れます。参考画像と「ここをこう変えたい」という指示だけで、企画書に添付できるレベルのデザイン案が出せます。絵心はいりません。(僕が挑戦した2025年はPhotoshopで枠組みを作ってからAIに整えてもらっていましたが、2026年現在はもっと簡単になっています)

サンプルの真実——実費と、量産で品質が落ちる理由

企画書を出すと、いよいよサンプル制作です。僕は広州と義烏(イーウー)の2つの工場で作りました。

日本から送る見本は3種類

工場に「言葉」で伝わらないものは、「実物」で伝えます。僕が中国に送った見本は3種類です。

  • 大本の設計の見本になるサンプル
  • デザインや色の参考になるサンプル
  • ポケットや蓋など、個別に追加したい機能の参考になるサンプル

送り先はラクマートの日本事務所(大阪)。月2回ほどまとめて中国に送ってくれるので、国際送料が浮きます。細かいですが、サンプル段階の数千円は積もると効きます。

柄生地にする場合は、柄のデータ(AIファイル)の提供を求められます。僕は「工場にお任せ」で通しました。参考画像から画像生成で起こす手もあります。

サンプル制作の実費(サンプル代600元+生地印刷代480元=約2万円)と、日本からのサンプル送付の流れ

実費はサンプル代600元+生地の印刷代480元=約2万円。市場にない柄生地を1から印刷したので割高でした。既製の生地ならもっと安く済みます。

広州の連携工場と義烏の工場の比較。広州は価格高めで品質良し、義烏は価格低めで品質は普通

2つの工場で同じものを作ると、差がはっきり見えます。広州は高いが再現度が高い。義烏は安いが普通。ただ、僕の場合は広州の見積もりでも十分ECモールで戦える価格でした。「高品質=高すぎて無理」とは限りません。

サンプルがOKでも、量産で品質が落ちることがある

サンプルは1人の職人が手元の材料で作る。量産品は大勢の分業と新規調達の材料で作る。だから品質が変わりうる

これは僕自身、過去に経験があります。トートバッグを約400万円分OEMで発注したとき、サンプルは良かったのに量産で品質が落ちました。当時は理由が分からなかったのですが、今は構造で説明できます。

サンプルは、試作の専門スタッフが1人で、手元にある材料で作る。量産は、大勢の工員の分業で、新しく調達した材料で作る。作る人も材料も違うんです。落ちるのが普通、くらいに構えておいた方がいい。

対策:量産の最初のロットで一度生産を止めて、実物を確認できるか——発注前に必ず確認してください。通常、量産は始まったら止められません。止められる契約かどうかで、最悪のパターン(全ロット欠陥)を防げるかが決まります。

小ワザ:無地の色は、日本で「色見本」を買って企画書の段階で色番号まで指定しておく。画面越しの「この色どうする?」が、一番かみ合わないやり取りです。

【実額】OEMはいくらかかって、いつ黒字になるのか

ここからが本題です。僕が挑戦初日に組んだ収支計画を、実額のまま出します。

先に、計画の3点セット

OEMの計画は「①発注要件(商品企画)②流通計画 ③資金計画」の3点セットで考えます。②の流通計画は「楽天に出品する!」だけではダメで、広告予算・予算配分・広告の種類・リピート施策まで。③の資金計画は、初回仕入れだけでなく商品撮影・画像制作・リピート仕入れまで含めます。このうち②と③を数字にしたのが、次のシミュレーションです。前提は仕入れ600円(関税・国際送料込み)×1,000個=60万円、販売価格1,980円。

販売価格1,980円の内訳と販促費。初回は1個217円の赤字、2回目は283円の黒字
初回の注文2回目3回目以降(半年〜)
仕入れ60万円(1,000個)60万円(1,000個)
販促費100万円(広告+画像等)50万円圧縮していく
1個あたり217円の赤字283円の黒字
収支10〜20万円の赤字+28.3万円(累計でやっと黒字)月30〜50万円の黒字を目指す

利益率だけ見れば39.5%。でも初回は広告とクリエイティブで食い潰して赤字です。黒字になるのは2回目から。商品企画から数えると、十分な利益が出るまで最低半年はかかります。

つまりOEMの本当のコストは「60万円」ではなく、60万円+販促150万円+回収までの半年〜1年という時間です。ここまで見積もって、初めて転売と比較できます。

60万円初回の仕入れ(1,000個)
150万円販促費(初回100万円+2回目50万円)
半年〜1年資金が回収できるまで
39.5%利益率(粗利783円)
TAKAHIRO

「利益率が高い」は嘘じゃない。ただし2回目からの話。初回から儲かる前提で資金を組むと死にます!

資金は「回収まで半年〜1年寝る」前提で組んでください。生活費や既存店の仕入れ資金と同じ財布から出すと、途中で苦しくなって投げ売りになります。

なぜ僕は、量産で止めたのか

サンプルは良かった。収支計画も立っていた。それでも止めた理由は、突き詰めると1つです。

僕の店は、1つの商品に大金を置く形をしていない。

同じ400万円を1商品に集中させるか、売れ筋20商品の在庫増強に分散するかの比較

僕の店は数百の商品を回す多SKU型です。この店で1商品に400万円を入れると、会社全体の財務バランスが大きく歪みます。回収には半年〜1年。その間、同じお金をすでに売れているトップ20商品の在庫に回せば、確実に回転して返ってくる。

だったら、そっちの方が儲かる——それだけの判断です。しかも僕の場合、OEMではない今の店舗でうまくいってしまっている。わざわざ資金を寝かせてまで、今やる理由がなかった。

「せっかくサンプルまで作ったのにもったいない」とは思いませんでした。サンプル代の約2万円は、OEMの実務を体で覚えるための授業料。むしろ安いくらいです。

OEMをやるかどうかは「店の形」で決まる

もうひとつ、見落としがちな話をします。品揃えの思想と資金の置き方は連動します。品数を絞って1つを深く売る店は、OEMで「その1つ」を作る意味が大きい。逆に、選べる楽しさで勝負する店は、資金も広く薄く置くのが筋。自分の店がどちらの思想で作られているかを先に確認してください。ここがズレると、良い商品でも店に馴染みません。

店の形OEMとの相性
多SKU・薄く広く回す店(僕の店)1商品への資金集中が全体の回転を落とす。在庫増強の方が儲かりやすい
少SKU・1商品を育てる店資金の集中が戦略と一致する。OEMの土俵に乗りやすい

大事なのは、これが才能ややる気の話ではないということです。同じ400万円をどこに置くのが一番増えるか——ただの資金配置の問題です。だから「僕はやらなかった」は「あなたもやるな」を意味しません。

ちなみにトートバッグの400万円分は、最終的に売り切りました。ただ正直に言うと、「無理やり頑張ってはけさせた」が実感です。売り切る労力も、OEMの見えないコストのひとつです。

それでも挑戦するあなたへ——入口は思っているより手前にある

ここまで読んで「それでもやりたい」なら、僕は全力で応援します。実際、とりあえず1回やってみないと何も始まらないというのが、やってみた僕の結論だからです。

1回やるだけで、2商品目が別世界になる

企画書を出すと、工場からかなり細かい質問が来ます。最初は自分の企画書の情報不足を思い知らされます。でも、1回サンプルのやり取りをするだけで「工場が何の情報を求めているか」が体で分かる。2商品目以降の企画書のハードルが激減します。

しかもOEMは、参入まで半年〜1年、要領をつかむまでさらに半年〜1年かかります。遅いと思いますか?逆です。時間がかかるからこそ、参入障壁になる。楽天市場はAmazonに比べてOEM商品がまだ少なく、単純転売が多いモールです。転売で実績が出ている人なら、挑戦する価値は十分あります。

TAKAHIRO

勉強だけしてるのはスライムを倒してる感じ。行動に移した瞬間、メタルスライムに変わります。経験値が桁違い!

「面倒くさい」「時間がかかる」は、あなたにとっての壁であると同時に、ライバルにとっての壁でもあります。参入障壁は、いつも面倒くささの向こう側にあります。

「OEM=いきなり数千個」ではない

OEMの入口4段階。既製品セット売り、ライトカスタマイズ、ODM、フルOEMの順に自由度とリスクが上がる

僕のトートバッグ400万円の経験も、実は設計図から起こしたフルOEMではなく、既製品をベースに柄やタグを変えたライトカスタマイズ寄りのものでした。2026年8月時点のラクメイドさんの公式区分でも、既製品セット売り→ライトカスタマイズ→ODM→OEMと段階が分かれていて、小ロットでの生産対応も打ち出されています。左側の入口から始めれば、リスクは桁で小さくなります。

なお、1688で「1点から買える」商品が増えているのは既製品の話です。カスタム生産は原材料の調達単位がある以上、既製品と同じ感覚のロットにはなりません。混同にご注意を。

やる前に、この8つだけ見てほしい

初めてのOEMで狙う商品の条件8つ。サイズが小さい、SKUが少ない、オールシーズン売れる、複雑でない、壊れにくい、需要がある、既存客と合う、権利と法規制を侵害しない

僕が挑戦初日に決めたリサーチ基準です。特に8番——権利・法規制だけは、最悪パターンが「全在庫破棄」なので、企画段階で徹底的に調べてください。

「この8つ、全部満たす商品なんてあるの?」——なかなかありません。だからこそ、見つけたときに「これだ」と分かります。8条件は商品を落とすためではなく、迷いを消すための道具です。

仕入れてはいけない商品の考え方は、こちらの記事で詳しく書いています。OEMでも同じ地雷がそのまま効きます。

中国輸入の注意点
ラクマートで仕入れない方がいい商品【2026年版】現役店長の「触らない」リスト中国輸入で仕入れてはいけない商品を権利・法規制・実務の3分類で解説。ブランド・キャラ物の侵害リスク、食品衛生法やPSEなどの規制、「商標登録済み」アピールの正体まで。8年間ノーブランド既製品だけで続けてきた現役店長の「触らないリスト」です。...

よくある質問

Q1. 結局、最低いくらあれば始められますか?

フルOEMなら、仕入れ60万円+販促100万円+予備で200万円前後が僕の体感です。ただしライトカスタマイズや既製品セット売りから入るなら、桁が1つ下がります。サンプルだけなら数万円で体験できます。

Q2. サンプルだけ作ってやめてもいいんですか?

いいと思います。僕がそうです。サンプル代約2万円で「OEMがどういう仕事か」を体で理解できたので、安い授業料でした。やめる自由があるのはサンプルまで。量産は始まったら止められません。

Q3. 中国語ができなくても大丈夫?

大丈夫です。僕も日本語だけです。ただし日本語が通じることと、意図が伝わることは別問題。要求は口頭ではなく、企画書と実物サンプルに落としてください。

Q4. 工場はどうやって選べばいいですか?

僕の実感では、広州系は高いが品質と再現度が高く、義烏系は安いが普通でした。転売の仕入れなら実力のある店を数字で見ますが、OEMは設備と生産管理が本体なので、見るべきものが変わります。ただ正直に言うと、僕はOEMで工場を選び比べた経験が1回分しかありません。ここは断定せず、代行やOEM支援サービスの提案を複数比べることをおすすめします。

Q5. サンプルが完璧なら、量産も安心していい?

いいえ。作る人も材料も変わるので、サンプルと量産は別物です。最初のロットで止めて確認できる契約かどうかを、発注前に確認してください。

Q6. 納期はどれくらい見ておけばいいですか?

量産の納期が30日と言われても、「10日で3分の1できる」わけではありません。工場には順番待ちがあり、納期の前半は原材料の調達で消えます。縫製は分業なので、完成品が出てくるのは後半から。販売計画は納期に余裕を乗せて組んでください。

Q7. 転売とOEM、結局どっちがいいんですか?

店の形によります。多SKUで回す店なら転売+在庫増強の方が資金効率が良く、少数の商品を深く育てる店ならOEMが武器になります。どちらが上ではなく、自分の店の形に合う方が正解です。

Q8. 何から始めればいいですか?

❶ 自分の店(または作りたい店)の形を決める
❷ この記事の8条件で商品の当たりを付ける
❸ 競合レビューを読み込む
❹ 企画書を13項目で書いてみる

ここまで1円もかかりません。企画書が書けたら、サンプルの見積もりに進むかを決めればOKです。

さいごに

OEMに25時間と約2万円を使って、僕が持ち帰ったものは「商品」ではなく「判断力」でした。自分の店の形が分かった。工場との付き合い方が分かった。何より、いつか少SKU型の勝負をする日が来たら、迷わず使える武器になった。

やるにしても、やらないにしても、この記事の数字がそのまま判断材料になるように書きました。あなたの店の形で、計算してみてください。

もし挑戦するなら、日付と累計時間のメモだけ付けてみてください。僕はこの記録のおかげで、1年後に「何にいくら使って、なぜ止めたか」を数字で語れています。記録は、それ自体があなたの資産になります。

実際にラクメイドでOEMを進めるときの操作手順(企画書の出し方・引合書・打ち合わせの流れ)は、下の記事に画面つきで全部まとめています。

【完全解説】ラクメイドの利用ガイド(見積もり提出~商品が届くまで)初心者向けにOEM解説_ラクマートOEMのやり方【初心者向け】ラクメイドの使い方完全ガイド|OEM・ODMの始め方から企画書の書き方、見積依頼の流れまで徹底解説! 中国輸入の第一歩として話題の「ラクメイド」の登録方法から、OEM商品開発の流れ、企画書作成、見積依頼~商品が届くまでのプロセスを超具体的に解説!累計3,000万円以上の仕入れ実績を持つラクマート認定講師・TAKAHIROが、初心者でも安心してOEMに挑戦できるよう、実例やテンプレート付きで丁寧にナビゲートします。...

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この記事を書いた人

ラクマート認定講師の授賞式の様子(2024年・中国での式典)

ラクマート認定講師:TAKAHIRO

  • 2015年から3年間ネットショップに挑戦するも1円も稼げず、100万円以上の借金を負う
  • 2018年に融資を受け、ネットショップ経営に独学で挑戦する
  • 初年度から年商2,000万円以上を売り上げる
  • 2022年に楽天市場「月間優良ショップ」を受賞
  • 2022年に始めたYouTubeが1ヶ月で登録者1万人突破(現在は3万人以上)
  • 2023年に楽天市場「ショップ・オブ・ザ・マンス【都道府県賞】」を受賞
  • 2024年にラクマート史上初の「認定講師」7人のうちの1人に選ばれる
  • 楽天市場は出店8年目。2025年度は年商6,000万円、累計売上3億円を突破
  • ラクマートでの累計仕入れは6,000万円以上。最上位のV10会員
  • 紹介したラクマート利用者は1,400人以上。中国の工場・船便倉庫と1688本社も現地視察ずみ
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ABOUT ME
TAKAHIRO
自宅で妻と2人ネットショップを経営8年目 ・27歳まで社畜 ・現在の年商6000万 ・受賞歴:楽天市場月間優良ショップ ・通算売上4億円突破 ・好きなもの:ゼルダの伝説、ドラクエ、NBA

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