楽天市場に出店すると、最初に必ずぶつかるのが送料の設定です。
その中でも、いちばん先に理解しておいたほうがいいのが共通の送料込みラインです。
これは店ごとの判断で決められるサービスではなく、楽天市場全体に入っている仕組みです。
自分の店がどう設定していても、条件を満たした注文は送料が0円になります。
つまり、知らないまま値付けをすると、送料の分だけ利益が消えるということです。
この記事では、共通の送料込みラインが何を決めている仕組みなのか、どの金額で判定されるのか、何が禁止されているのかを整理します。
共通の送料込みラインとは何か
共通の送料込みラインは、一定の金額以上の注文は送料を無料にする、という楽天市場共通のルールです。
お店ごとに「5,000円以上で送料無料」「1万円以上で送料無料」とバラバラだった状態を、モール全体でそろえた仕組みだと考えると分かりやすいです。

国内宛の注文であれば、3,980円(税込)以上で送料が0円になります。
宛先が沖縄・離島等の場合は、ラインが上がって9,800円(税込)以上です。
大事なのは、これが1商品あたりの話ではないところです。
単品で3,980円を超えていても、1,500円の商品を3つ買って合計が超えても、どちらも同じように送料込みになります。
なぜ楽天がこの仕組みを入れたのか
お客様の側から見ると、同じような商品でも店によって送料の考え方が違うと、比べるのがとても面倒です。
「商品は安いけれど送料が高い店」と「商品は少し高いが送料込みの店」を、かごに入れる前に毎回計算しなければいけません。
この分かりにくさをなくして、送料を気にせず金額だけで比べられる状態にするのが目的です。
だから店側から見ると、これは「参加するかどうかを選ぶキャンペーン」ではなく、売り場の前提条件が変わった話になります。
どの金額で判定されるのか
ここを間違えている方が本当に多いです。
判定に使われるのは、クーポンとポイントを使う前の注文金額です。

たとえば4,200円の注文に500円クーポンが使われて、お客様の支払いが3,700円になったとします。
支払額だけを見れば3,980円を下回っていますが、判定はクーポンを引く前の4,200円で行われるので、送料は0円のままです。
ここを「支払額で判定される」と思い込んで値引き企画を組むと、想定していなかった送料を店が負担することになります。
注文が確定したあとに送料を足すことはできない
もうひとつ、必ず押さえておきたいのがここです。
対象になった注文について、あとから送料を請求することはできません。
お客様に連絡して同意をもらった場合でも、対象注文であれば追加徴収はできない扱いです。
送料の設定を間違えたまま注文が入ってしまうと、その差額はそのまま店の負担になります。だから設定は、注文が入る前に確認しておく必要があります。
対象になる配送方法と、ならない配送方法
共通の送料込みラインは、すべての配送方法に等しくかかるわけではありません。
店が商品ごとに設定している配送方法によって、対象かどうかが変わります。

宅配便、小型宅配便、メール便、追跡可能メール便、コンビニ受取や店頭受取などの受取サービスは、いずれも対象です。
一方で、国際配送、発送を伴わない設定、当日配送は対象外です。
大型宅配便とクール便は、出店した時期で扱いが違う
ここが少しややこしいところです。
アカウントオープン日が2020年7月1日以降の店舗は、大型宅配便もクール便も、共通の送料込みラインの対象になります。
それより前から出店している店舗の場合は、この2つは対象外の扱いです。
つまり、同じ商品を同じ配送方法で売っていても、店の出店時期によって結果が変わることがあります。
大型宅配便の定義もあいまいにしないほうがいいです。1口あたり20kgを超えるもの、または3辺の合計が160cmを超えるものが大型宅配便にあたります。
同梱できない商品はどうなるのか
産地直送品やメーカー直送品のように、他の商品と一緒に送れない商品もあります。
こうした商品まで合算されてしまうと、実際には2つの荷物を出しているのに送料は1つ分、ということが起きます。
そのために用意されているのが単品配送設定です。
| 設定 | 一緒に買われたときの扱い | 送料 |
|---|---|---|
| 単品配送設定なし | 他の商品と合算して判定される | 合計がラインを超えれば0円 |
| 単品配送設定あり | 他の商品とは分けて別々に判定される | それぞれで判定される |
| 個別送料設定を併用 | 分けたうえで個別の送料を使う | 設定した送料を請求できる |
設定できる商品は決まっています。産地直送品、メーカー直送品、ケース売りの商品、長尺・異型の商品、出荷地が異なる商品、温度帯が異なる商品などです。
条件を満たしていない商品にこの設定を使うことは、禁止事項に入っています。
送料を分けたいという理由だけで使う設定ではない、ということです。
やってはいけないこと
送料まわりは、お客様の誤解が生まれやすい場所です。
そのため、ガイドラインでは禁止事項がかなり細かく決められています。

特に気をつけたいのが、地域別に違う送料を取るために、同じ商品を複数登録することです。
「本州向け」と「本州以外向け」で価格を変えた同じ商品を2つ並べる、という形は認められていません。
また、条件を満たしたときだけ送料無料になる商品なのに、商品情報の送料の項目を「送料無料」にしてしまうのも禁止です。
お客様から見れば、その表示は「いつでも0円」に読めるからです。
これらに違反した場合は、出店停止などの措置が取られる場合があると明記されています。
うっかりで済む話ではないので、設定を変えるときは毎回確認したほうが安全です。
配送できない地域があるときは、理由を書く
生ものや工事をともなう商品など、どうしても届けられない地域が出ることはあります。
その場合、配送できないこと自体は問題になりません。問題になるのは、理由を書かないまま買えない状態にしておくことです。
「鮮度を保てないため一部地域へは配送できません」のように、商品ページで先に伝えておけば、お客様も納得できますし、注文後のやり取りも減ります。
値付けを先に直したほうが早い
制度の話が続いたので、実際の運営でどうしているかも書いておきます。
僕は、3,980円以上で売る商品は、最初から送料込みの価格で組むようにしています。
理由は単純で、そこを超えた時点で送料は0円になるからです。
「3,980円以上だけど送料は別でもらう」という設計にしても、その送料は結局取れません。送料の分だけ、利益が薄くなるだけです。
値付けを決めるときの順番
- その商品が、3,980円のラインを超える価格帯なのかを先に見る
- 超えるなら、送料をのせた金額を販売価格にする
- 超えないなら、送料をいくらにするか、いくつ買われたら超えるかを考える
もうひとつ、地域別の送料設定についてです。
僕の店では、沖縄・離島や北海道の別料金は設定していません。
これは手を抜いているわけではなく、使っている物流が全国一律の料金体系だからです。
自社で配送業者と契約している場合、料金表は地域で変わります。その場合は地域別の設定が必要になります。どちらが正しいという話ではなく、使っている物流の仕組みで決まります。
制度を先に読んでおくと、値付けも送料設定も一度で決まります。あとから直すほうが、ずっと大変です。
送料込みにするか送料別にするかで売れ方がどう変わるかは、別の記事に書いています。
送料込みラインを満たすには、そもそも送料の料金表を作れている必要があります。全国一律・地域別・2軸の使い分けは、こちらにまとめました。
1個で送料無料にしていても、2個買われたときの見え方は別の話になります。
この送料込みラインは、最強翌日配送ラベルの店舗基準の1つにもなっています。
さいごに
共通の送料込みラインは、「参加するかどうか」を悩む仕組みではありません。
国内宛は3,980円(税込)以上、沖縄・離島等は9,800円(税込)以上。この金額を超えた注文は送料が0円になります。
判定はクーポンとポイントを使う前の金額で行われ、注文が確定したあとに送料を足すことはできません。
だから店側にできることは、注文が入る前に配送方法の設定を合わせておくことと、価格のほうを先に整えておくことです。
制度に文句を言っても注文は入りますし、設定を直さなければ差額は店が負担します。
先に一度だけ向き合っておけば、あとは値付けのときに思い出すだけで済みます。
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この記事を書いた人

ラクマート認定講師:TAKAHIRO
- 2015年から3年間ネットショップに挑戦するも1円も稼げず、100万円以上の借金を負う
- 2018年に融資を受け、ネットショップ経営に独学で挑戦する
- 初年度から年商2,000万円以上を売り上げる
- 2022年に楽天市場「月間優良ショップ」を受賞
- 2022年に始めたYouTubeが1ヶ月で登録者1万人突破(現在は3万人以上)
- 2023年に楽天市場「ショップ・オブ・ザ・マンス【都道府県賞】」を受賞
- 2024年にラクマート史上初の「認定講師」7人のうちの1人に選ばれる
- 楽天市場は出店8年目。2025年度は年商6,000万円、累計売上3億円を突破
- ラクマートでの累計仕入れは6,000万円以上。最上位のV10会員
- 紹介したラクマート利用者は1,400人以上。中国の工場・船便倉庫と1688本社も現地視察ずみ
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