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「誰でも月収100万円」は本当か?|現役店長が必要な数字を全部計算してみた

29.「誰でも月収100万円」は本当か?|現役店長が必要な数字を全部計算してみた

皆さん、こんにちは!TAKAHIROです!

SNSや広告で、こういう言葉をよく見かけると思います。

未経験からでもOK。スマホ1台、誰でも月収100万円。

今日はこの「誰でも月収100万」を、感情ではなく電卓で検証します。怪しいと騒ぐのでも、夢を否定するのでもなく、月収100万円という数字に実際に必要なものを、現役の店の数字感覚で全部計算してみる。それがこの記事です。

自己紹介をしておくと、僕は楽天市場で店をやっている現役の店長です。楽天は8年目、年商は6,000万円ほど、累計売上は3億円を超えました。つまり「物販で月収100万円」がどういう規模の商売なのか、実物を運転している側から書けます。

この記事でわかること

  • 月収100万円に必要な月商の逆算(計算過程を全部見せます)
  • 広告が絶対に言わない運転資金1,000万円クラスという数字
  • 「利益率50%」という言葉のトリックの解体
  • 僕自身が月収100万に何年目で届いたか(正直に)
  • 「在庫なし」「再現性あり」という売り文句の読み方と、最終的な見分け方

では、電卓を持って、いきましょう。

月収100万円を逆算する|必要なのは月商500万円

月収100万円に必要な月商を逆算する

まず言葉を決めます。この記事の「月収100万円」は、売上ではなく、手元に残る利益が月100万円のこととします。広告の「月収」も、読んだ人はそう受け取っているはずなので。

次に利益率です。原価計算の記事で詳しく書いたとおり、僕が中国輸入×楽天でやっていくうえでの目安は、粗利益率50%以上・限界利益率20%以上です。限界利益というのは、売価から商品原価だけでなく、送料・モール手数料・広告費といった「売るたびにかかるお金」を全部引いた残りのこと。手元に残る感覚に一番近い数字です。

では、限界利益率20%で月収100万円を作るには、月にいくら売ればいいか。計算は割り算1回です。100万円 ÷ 20% = 月商500万円。内訳のイメージはこうなります。

月商500万円の内訳金額割合
商品原価(国際送料・関税など込み)約250万円50%
モール手数料・決済・ポイント・国内送料など約100万円約20%
広告費約50万円約10%
限界利益(ここが「月収」の原資)約100万円20%

しかも厳密に言うと、ここから出店料などの固定費が引かれるので、手取りで100万円を安定させるには、月商500万円でも少し足りないくらいです。つまり月商500万円は、月収100万円の「最低ライン」。楽天の感覚でいうと、月商500万は片手間の店の数字ではありません。商品数、レビュー、広告運用、在庫管理——それなりの「事業」の規模です。

この計算の使い方はシンプルです。「月収◯◯万円」と言われたら、5倍して「月商」に直してみる。「誰でも月収100万」は「誰でも月商500万」という主張です。そう聞こえた瞬間に、印象が変わりませんか?

広告が言わないもうひとつの数字|運転資金は1,000万円クラス

見落とされがちな運転資金の話

月商500万円という数字より、さらに語られないのがこっちです。その月商を回すために、いくらのお金が動いているか

物販、特に中国輸入は先払いの商売です。商品代金を払って発注し、生産と国際輸送を待ち、販売して、モールからの入金を待つ。

ひとつの仕入れサイクルがお金に戻ってくるまで、だいたい2〜3ヶ月かかります。その間も次の仕入れは続くので、手元には常に「在庫・輸送中・入金待ち」の形で寝ているお金が積み上がります。

さっきの内訳で、月商500万円の店の仕入れ(商品原価)は月に約250万円でした。これが3〜4ヶ月分、常に立て替わっていると考えると、250万円 × 3〜4ヶ月 = 750万〜1,000万円。トラブル対応の余力や固定費も含めれば、動くお金は1,000万円クラスになります。

月収100万円を逆算すると月商500万円、さらに運転資金1,000万円クラスが必要になる3段の図

誤解のないように言うと、これは「1,000万円ないと物販を始められない」という話ではまったくありません。小さく始めるなら数十万円からで十分です(開業資金の実際はこちらの記事に書きました)。ここで言いたいのは、「月収100万円」という看板の裏側には、これだけの規模のお金の運転があるという事実です。

「誰でも」「スマホ1台で」という軽い言葉と、運転資金1,000万円クラスという実物。このギャップ自体が、広告の読み方の答えだと思うんです。

「利益率50%の商品を教えます」の正体

利益率50%という言葉の正体

月収系の広告とセットでよく出てくるのが、「利益率50%」という数字です。これも分解してみましょう。実は「利益率」という言葉には、どの段階の利益の話かで、まったく別物になるというトリックがあります。

「利益率」の中身計算「50%」の現実味
粗利益率売価 − 商品原価中国輸入では普通。むしろ50%は最低ライン
限界利益率さらに送料・手数料・広告費を引く50%はまず出ない(20%で健全)
最終利益率さらに固定費などを引く物販で50%は、ほぼあり得ない

つまり「利益率50%」は、粗利の話なら当たり前すぎて自慢にならない数字で、最終利益の話なら疑った方がいい数字なんです。

同じ「50%」でも、どの段階かを言わなければ、聞いた人は勝手に「手取りが半分残る」と誤解してくれる。この誤解が、あの手の広告の燃料になっています。

実際に「儲かる商品リスト」を計算してみた結果

机上の話だけだと不公平なので、実物のデータも置いておきます。

以前、スクール系の勧誘で配られていた「儲かる商品リスト100選」を入手して、全商品を計算し直したことがあります。

リストに書かれていた利益率は平均41.5%。ただしこれは売値から仕入値を引いただけの、一番甘い計算でした。

  1. 為替をいまの円安レートで計算し直すと、平均は35%前後まで下がる
  2. そこから広告費や販売手数料を引くと、残るのは20〜25%程度
  3. それでも「儲かってはいる」—ただし謳い文句の半分

詳しい分析は別記事に書いたので、リストを探している人はこちらをどうぞ。

11.「儲かる商品リスト」を探している人へ|配られていた100商品を分析した結果
「儲かる商品リスト」を探している人へ|配られていた100商品を分析した結果儲かる商品リストは役に立つのか?実際に配られていた100商品のリストを全ページ分析したところ、日付・販路・手数料の記載がゼロでした。楽天8年目の現役店長が、リストが機能しない構造的な理由と、代わりに今日からやれることを解説します。...

最後にもうひとつ、シンプルな論理を置いておきます。誰でも仕入れられるロットで、参入障壁もなく、専門知識も不要で、本当に50%残るなら——なんで、みんなやらないんでしょうか

あなただけが知っている情報など、この世にはありません。それを踏まえたうえで「何を計算して50%と言っているのか」を確認できる知識だけは、最低限持っておいてほしいんです。

僕は何年目で月収100万円に届いたか|「1日1時間」は結果論

月収100万に何年目で届いたかの正直な話

数字の話が続いたので、今度は時間の話をします。実物の時間軸です。

僕自身が月収100万円に届いたのは—正直に言うと、何年目だったかはっきり覚えていません。4年目か5年目あたりだったと思います。

歯切れが悪くてすみません。でも、この歯切れの悪さごと書いておきたいんです。「◯ヶ月で達成しました」と即答できる数字を並べる発信と、実際にやってきた人間の記憶の曖昧さ。どちらが実物に近いかは、伝わると思うので。

もうひとつ、「1日1時間で稼げます」系の話。実は僕の今の生活は、店の運営だけなら1日1時間くらいで回ります。だからあの売り文句は、完全な嘘とは言えません。でも、そこには8年分の積み上げが丸ごと隠れています。

仕組みを作り、外注と物流を整え、とんでもない時間を使った結果としての1日1時間なんです。

「1日1時間で月100万」を見たら、数字の真偽より先にこう問うてください。「それは、何年目の姿ですか?」。切り取られた「今」の姿を、「最初から」の姿として見せるのが、この手の広告の基本技です。

最初から1日1時間で月収100万—それは、ないです。少なくとも僕は、そういう人を見たことがありません。

「在庫を持たない」「再現性がある」はどう読むか

在庫を持たない・再現性があるという売り文句の読み方

月収100万系の広告には、だいたいこの2つの言葉が添えられています。それぞれ、現場からの読み方を書きます。

「在庫を持たずに稼げる」—ラクさの代金は参入障壁で払っている

在庫リスクなしで売る手法(無在庫販売)自体は、別にいいと思うんです。

ただ、構造は知っておいてほしい。在庫を持たないということは、参入障壁が低いということです。あなたにできることは、明日から他の全員にもできます。同じ商品を、同じ価格で、同じように無在庫で売る競合が無限に現れる。しかも納期は遅く、利幅は薄い。

そこで残れるかどうかは、結局ひとつの問いに行き着きます。「なぜ、あなたから買う理由があるのか」

この問いに答えられないまま参入すると、価格を下げること以外にやることがなくなってしまう。やめておけとは言いませんが、この問いだけは先に持っておいてほしいです。無在庫販売の法律・規約まわりも含めた詳しい話は、こちらに書きました。

12.無在庫販売とは
無在庫販売とは?法律・規約・現実|3年半やってやめた現役店長の実話無在庫販売は違法なのか、規約的にどうなのかを2026年8月時点の一次情報で整理しました。楽天8年目の現役店長が、3年半の無在庫販売でどれだけケアしても10%はクレームが来た実話と、やめて低評価が10分の1になった話まで正直に書いています。...

「再現性があります」—実は、この言葉だけは嘘じゃない

意外に思われるかもしれませんが、僕は物販は再現性が結構ある方のビジネスだと思っています。YouTubeやブログは、その人だから伸びたという属人性が強くて、同じことをやっても同じ結果になりません。

それに比べると物販は、数字を見て、需要のある商品を、価値が伝わる形で売る——この型がノウハウとして確立されていて、キャラクターや才能への依存が小さいんです。

じゃあ広告の何が問題かというと、盛られているのは「再現性」ではなく「金額」と「速度」だということです。正しくやれば結果が積み上がっていく、は本当。誰でもすぐ月100万、は別の話。この切り分けができると、あの手の広告への解像度が一段上がると思います。

さいごに|数字ではなく「何を言っているか」で見分ける

さいごに

まとめます。

  • 「月収100万」は5倍して月商に直す。誰でも月収100万=誰でも月商500万、という主張
  • その裏では運転資金1,000万円クラスのお金が回っている
  • 「利益率50%」はどの段階の利益かを確認する。粗利50%は普通、手取り50%はほぼない
  • 実在の「儲かるリスト」も、計算し直すと41.5% → 35% → 20〜25%まで目減りした
  • 僕が月収100万に届いたのは4〜5年目あたり。「1日1時間」は結果論
  • 物販の再現性は本物。盛られているのは金額と速度

最後に、一番大事な話をします。「発信者の実績スクショが本物か、見分ける方法を教えてください」とよく聞かれるんですが、正直に言います。見分ける方法は、ないです。数字は、発信者なら全員持っています。そしてその数字が本物か嘘かは、外からはまず分かりません。

だから、見るところを変えるんです。数字ではなく、「何を言っているか」で判断する。計算の前提を示しているか。うまくいかないケースにも触れているか。構造の説明ができているか。この記事でやってきたような検算が、その人の発信に対してもできるか。

そして「何を言っているかを判断できるか」は、あなた自身の基礎知識で決まります。その基礎は、お金をかけなくても作れます。このブログとYouTubeは、そのために書き続けているものなので、よかったら使い倒してください。高額塾との付き合い方について書いたこちらの記事も、同じ背骨の話です。

28.物販の高額塾・コンサルは必要?|「詐欺かどうか」より先に考えること
物販の高額塾・コンサルは必要?|「詐欺かどうか」より先に考えること入会金70万〜99万円の物販塾は詐欺なのか、入るべきなのか。教材を売る側でもある現役楽天店長が、成功体験投稿の読み方、余裕資金×基礎知識という判断基準、塾でうまくいく人の皮肉な実像、「中国から7割引」の見抜き方、そして「100万円払うから教えて」を断り続けている理由まで正直に書きます。...

ではでは!

【0から完全解説】ネットショップの始め方/開業~運営まで(人生を変えたい人の物販授業)このブログでは「ネットショップ初心者へ完全解説!全くの初心者でも、ネットショップを始め、月10万円稼ぎ、楽しめるようになる方法」を何処よりもわかりやすく、丁寧に、初心者の方でも全く問題ないように解説していきます。...

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ここまで読んでいただきありがとうございました。僕のことをもっと知りたい方はこちらもどうぞ。

ABOUT ME
TAKAHIRO
自宅で妻と2人ネットショップを経営8年目 ・27歳まで社畜 ・現在の年商6000万 ・受賞歴:楽天市場月間優良ショップ ・通算売上4億円突破 ・好きなもの:ゼルダの伝説、ドラクエ、NBA

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