皆さん、こんにちは!TAKAHIROです!
SNSや広告で、こういう言葉をよく見かけると思います。
未経験からでもOK。スマホ1台、誰でも月収100万円。
今日はこの「誰でも月収100万」を、感情ではなく電卓で検証します。怪しいと騒ぐのでも、夢を否定するのでもなく、月収100万円という数字に実際に必要なものを、現役の店の数字感覚で全部計算してみる。それがこの記事です。
自己紹介をしておくと、僕は楽天市場で店をやっている現役の店長です。楽天は8年目、年商は6,000万円ほど、累計売上は3億円を超えました。つまり「物販で月収100万円」がどういう規模の商売なのか、実物を運転している側から書けます。
この記事でわかること
- 月収100万円に必要な月商の逆算(計算過程を全部見せます)
- 広告が絶対に言わない運転資金1,000万円クラスという数字
- 「利益率50%」という言葉のトリックの解体
- 僕自身が月収100万に何年目で届いたか(正直に)
- 「在庫なし」「再現性あり」という売り文句の読み方と、最終的な見分け方
では、電卓を持って、いきましょう。
月収100万円を逆算する|必要なのは月商500万円

まず言葉を決めます。この記事の「月収100万円」は、売上ではなく、手元に残る利益が月100万円のこととします。広告の「月収」も、読んだ人はそう受け取っているはずなので。
次に利益率です。原価計算の記事で詳しく書いたとおり、僕が中国輸入×楽天でやっていくうえでの目安は、粗利益率50%以上・限界利益率20%以上です。限界利益というのは、売価から商品原価だけでなく、送料・モール手数料・広告費といった「売るたびにかかるお金」を全部引いた残りのこと。手元に残る感覚に一番近い数字です。
では、限界利益率20%で月収100万円を作るには、月にいくら売ればいいか。計算は割り算1回です。100万円 ÷ 20% = 月商500万円。内訳のイメージはこうなります。
| 月商500万円の内訳 | 金額 | 割合 |
|---|---|---|
| 商品原価(国際送料・関税など込み) | 約250万円 | 50% |
| モール手数料・決済・ポイント・国内送料など | 約100万円 | 約20% |
| 広告費 | 約50万円 | 約10% |
| 限界利益(ここが「月収」の原資) | 約100万円 | 20% |
しかも厳密に言うと、ここから出店料などの固定費が引かれるので、手取りで100万円を安定させるには、月商500万円でも少し足りないくらいです。つまり月商500万円は、月収100万円の「最低ライン」。楽天の感覚でいうと、月商500万は片手間の店の数字ではありません。商品数、レビュー、広告運用、在庫管理——それなりの「事業」の規模です。
広告が言わないもうひとつの数字|運転資金は1,000万円クラス

月商500万円という数字より、さらに語られないのがこっちです。その月商を回すために、いくらのお金が動いているか。
物販、特に中国輸入は先払いの商売です。商品代金を払って発注し、生産と国際輸送を待ち、販売して、モールからの入金を待つ。
ひとつの仕入れサイクルがお金に戻ってくるまで、だいたい2〜3ヶ月かかります。その間も次の仕入れは続くので、手元には常に「在庫・輸送中・入金待ち」の形で寝ているお金が積み上がります。
さっきの内訳で、月商500万円の店の仕入れ(商品原価)は月に約250万円でした。これが3〜4ヶ月分、常に立て替わっていると考えると、250万円 × 3〜4ヶ月 = 750万〜1,000万円。トラブル対応の余力や固定費も含めれば、動くお金は1,000万円クラスになります。

誤解のないように言うと、これは「1,000万円ないと物販を始められない」という話ではまったくありません。小さく始めるなら数十万円からで十分です(開業資金の実際はこちらの記事に書きました)。ここで言いたいのは、「月収100万円」という看板の裏側には、これだけの規模のお金の運転があるという事実です。
「誰でも」「スマホ1台で」という軽い言葉と、運転資金1,000万円クラスという実物。このギャップ自体が、広告の読み方の答えだと思うんです。
「利益率50%の商品を教えます」の正体

月収系の広告とセットでよく出てくるのが、「利益率50%」という数字です。これも分解してみましょう。実は「利益率」という言葉には、どの段階の利益の話かで、まったく別物になるというトリックがあります。
| 「利益率」の中身 | 計算 | 「50%」の現実味 |
|---|---|---|
| 粗利益率 | 売価 − 商品原価 | 中国輸入では普通。むしろ50%は最低ライン |
| 限界利益率 | さらに送料・手数料・広告費を引く | 50%はまず出ない(20%で健全) |
| 最終利益率 | さらに固定費などを引く | 物販で50%は、ほぼあり得ない |
つまり「利益率50%」は、粗利の話なら当たり前すぎて自慢にならない数字で、最終利益の話なら疑った方がいい数字なんです。
同じ「50%」でも、どの段階かを言わなければ、聞いた人は勝手に「手取りが半分残る」と誤解してくれる。この誤解が、あの手の広告の燃料になっています。
実際に「儲かる商品リスト」を計算してみた結果
机上の話だけだと不公平なので、実物のデータも置いておきます。
以前、スクール系の勧誘で配られていた「儲かる商品リスト100選」を入手して、全商品を計算し直したことがあります。
リストに書かれていた利益率は平均41.5%。ただしこれは売値から仕入値を引いただけの、一番甘い計算でした。
- 為替をいまの円安レートで計算し直すと、平均は35%前後まで下がる
- そこから広告費や販売手数料を引くと、残るのは20〜25%程度
- それでも「儲かってはいる」—ただし謳い文句の半分
詳しい分析は別記事に書いたので、リストを探している人はこちらをどうぞ。
最後にもうひとつ、シンプルな論理を置いておきます。誰でも仕入れられるロットで、参入障壁もなく、専門知識も不要で、本当に50%残るなら——なんで、みんなやらないんでしょうか。
あなただけが知っている情報など、この世にはありません。それを踏まえたうえで「何を計算して50%と言っているのか」を確認できる知識だけは、最低限持っておいてほしいんです。
僕は何年目で月収100万円に届いたか|「1日1時間」は結果論

数字の話が続いたので、今度は時間の話をします。実物の時間軸です。
僕自身が月収100万円に届いたのは—正直に言うと、何年目だったかはっきり覚えていません。4年目か5年目あたりだったと思います。
歯切れが悪くてすみません。でも、この歯切れの悪さごと書いておきたいんです。「◯ヶ月で達成しました」と即答できる数字を並べる発信と、実際にやってきた人間の記憶の曖昧さ。どちらが実物に近いかは、伝わると思うので。
もうひとつ、「1日1時間で稼げます」系の話。実は僕の今の生活は、店の運営だけなら1日1時間くらいで回ります。だからあの売り文句は、完全な嘘とは言えません。でも、そこには8年分の積み上げが丸ごと隠れています。
仕組みを作り、外注と物流を整え、とんでもない時間を使った結果としての1日1時間なんです。
最初から1日1時間で月収100万—それは、ないです。少なくとも僕は、そういう人を見たことがありません。
「在庫を持たない」「再現性がある」はどう読むか

月収100万系の広告には、だいたいこの2つの言葉が添えられています。それぞれ、現場からの読み方を書きます。
「在庫を持たずに稼げる」—ラクさの代金は参入障壁で払っている
在庫リスクなしで売る手法(無在庫販売)自体は、別にいいと思うんです。
ただ、構造は知っておいてほしい。在庫を持たないということは、参入障壁が低いということです。あなたにできることは、明日から他の全員にもできます。同じ商品を、同じ価格で、同じように無在庫で売る競合が無限に現れる。しかも納期は遅く、利幅は薄い。
そこで残れるかどうかは、結局ひとつの問いに行き着きます。「なぜ、あなたから買う理由があるのか」。
この問いに答えられないまま参入すると、価格を下げること以外にやることがなくなってしまう。やめておけとは言いませんが、この問いだけは先に持っておいてほしいです。無在庫販売の法律・規約まわりも含めた詳しい話は、こちらに書きました。
「再現性があります」—実は、この言葉だけは嘘じゃない
意外に思われるかもしれませんが、僕は物販は再現性が結構ある方のビジネスだと思っています。YouTubeやブログは、その人だから伸びたという属人性が強くて、同じことをやっても同じ結果になりません。
それに比べると物販は、数字を見て、需要のある商品を、価値が伝わる形で売る——この型がノウハウとして確立されていて、キャラクターや才能への依存が小さいんです。
じゃあ広告の何が問題かというと、盛られているのは「再現性」ではなく「金額」と「速度」だということです。正しくやれば結果が積み上がっていく、は本当。誰でもすぐ月100万、は別の話。この切り分けができると、あの手の広告への解像度が一段上がると思います。
さいごに|数字ではなく「何を言っているか」で見分ける

まとめます。
- 「月収100万」は5倍して月商に直す。誰でも月収100万=誰でも月商500万、という主張
- その裏では運転資金1,000万円クラスのお金が回っている
- 「利益率50%」はどの段階の利益かを確認する。粗利50%は普通、手取り50%はほぼない
- 実在の「儲かるリスト」も、計算し直すと41.5% → 35% → 20〜25%まで目減りした
- 僕が月収100万に届いたのは4〜5年目あたり。「1日1時間」は結果論
- 物販の再現性は本物。盛られているのは金額と速度
最後に、一番大事な話をします。「発信者の実績スクショが本物か、見分ける方法を教えてください」とよく聞かれるんですが、正直に言います。見分ける方法は、ないです。数字は、発信者なら全員持っています。そしてその数字が本物か嘘かは、外からはまず分かりません。
だから、見るところを変えるんです。数字ではなく、「何を言っているか」で判断する。計算の前提を示しているか。うまくいかないケースにも触れているか。構造の説明ができているか。この記事でやってきたような検算が、その人の発信に対してもできるか。
そして「何を言っているかを判断できるか」は、あなた自身の基礎知識で決まります。その基礎は、お金をかけなくても作れます。このブログとYouTubeは、そのために書き続けているものなので、よかったら使い倒してください。高額塾との付き合い方について書いたこちらの記事も、同じ背骨の話です。
ではでは!
楽天出店を考え始めた方へ。
無料のメール講座「楽天出店21ステップ勉強会」をやっています。
毎日1通・21日間のメール講座です。
- 読むのは、1通2〜3分
- 専用シートに1日1マス埋めると、21日後に「あなたの店の設計図」が完成
(誰に・何を・いくらで・どれだけの資金と時間で売るか) - 登録した瞬間に、道具が4つ届きます
(設計図シート/関税計算テンプレ/利益率シミュレーター/集客診断シート) - 「簡単に稼げます」系の話はしません。
出店するかどうかを、自分の数字で決められるようになるための講座です
※メールを待たずに、今すぐ全手順を知りたい方には、有料の「0から始める楽天市場の教科書」もあります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。僕のことをもっと知りたい方はこちらもどうぞ。






