皆さん、こんにちは!TAKAHIROです!
今日は、僕が今までで一番高い授業料を払った話をします。2016年、ネットショップを始めたばかりの僕は、あるSEO対策会社と契約して約120万円の借金を背負いました。得られたものは、ほぼゼロです。
先に言っておくと、これは業者を晒して溜飲を下げる記事ではありません。会社名も出しませんし、「詐欺だ」と断定するつもりもありません。書きたいのは逆側——「なぜ当時の僕は契約してしまったのか」です。
騙される条件は、業者側じゃなくて僕の中にありました。そこを解剖しておけば、これから始めるあなたの防御力になると思うんです。
自己紹介をしておくと、僕は楽天市場で店をやっている現役の店長です。楽天は8年目、年商は6,000万円ほど、累計売上は3億円を超えました。そんな僕にも、口座残高15万円で震えていた時代がありました。この話は、その時代の話です。
この記事でわかること
- なぜ開業したての初心者にばかり営業電話がかかってくるのか(構造の話)
- 僕が120万円の契約をするまでの実際の時系列(2016年・実録)
- 騙される条件は自分の中にあったという話(焦り・違和感の上書き)
- いま同じ営業が来たら、僕がどう返すか(具体的な一言)
- 読者のあなたに渡したい「1週間ルール」
では、いきましょう。
なぜ「開業したての初心者」にばかり営業電話が来るのか

2016年4月、僕は会社を辞めて、自社サイトでネットショップを始めました。ホームページには、法律で決められた表記として電話番号や住所を載せます。すると、公開して間もなく、営業電話がかかってくるようになりました。SEO対策、広告、コンサル。まだ何も売れていない、実績ゼロの店にです。
当時は「開業したから営業も来るんだな」くらいに思っていました。でも今なら、この構造がはっきり見えます。
なぜか。
知識がなくて、実績がなくて、焦っている人の方が、契約を取りやすいからです。
つまり、開業したてのあなたに営業電話が集中している時点で、その営業は「効果を出せる相手」ではなく「契約を取れる相手」を探している可能性が高い、ということなんです。
ちなみにこれは昔話ではありません。僕は最近、無料で作れるネットショップをひとつ放置しているんですが、そこにも同じ種類の営業が来ました。10年近く経っても、この構造は変わっていないようです。
「社長」「すごいですね」が刺さる仕組み
営業電話の入り方も、よくできていました。
当時23〜24歳、会社では平社員だった僕が、電話の向こうで「社長」と呼ばれるんです。「お若いのに起業されてすごいですね」と持ち上げられる。恥ずかしい話ですが、これが嬉しかった。
面白いのは、いま同じことを言われても、僕は何も感じないということです。つまり褒め言葉が刺さるかどうかは、相手の言葉ではなく、自分の状態で決まる。「社長」と呼ばれてくすぐったく感じたら、それは相手のトークが上手いのではなく、自分がいま承認に飢えているというサインだと思ってください。
実録|120万円の契約までの2週間(2016年)

ここからは、実際に何があったかを時系列で書きます。細かい経緯は別の記事でも触れていますが、この記事では「価格がどう動いたか」に注目して読んでください。
数あるSEO会社の中でその会社と会うことになり、営業マンから最初に提示されたのは、7年契約、総額300万円超のプランでした。会社を辞めたばかり、口座残高15万円の人間に、です。
当然「払えません」と渋りました。
すると営業マンはこう言いました。
御社を「成功者インタビュー」として弊社サイトに掲載させていただく条件で、特別に約150万円までお値引きできます。
それでも決めきれず、「持ち帰らせてください」と伝えて、その日は終わりました。そして7日後、電話が鳴ります。
上司にかけあって、特別条件をなんとか通しました。7年契約で90万円。ただし、今日中にご契約いただくことが条件です。
僕は、契約しました。

図にすると一目瞭然ですよね。2週間で300万円超が90万円まで下がる。あとから調べたら、この会社の契約は平均120万円ほどで、90万円という数字は当時の僕の与信(借りられる限度額)に合わせた調整だったようです。
定価に根拠がないどころか、「あなたが借りられる上限」が価格だったわけです。
契約の建付けも、よくできていた
契約内容にも、いま思えば唸るポイントがあります。
僕が結んだのは「SEOサポート契約」ではなく、ソフトウェアの購入契約でした。「このソフトをパソコンに入れると弊社のSEOシステムが入り、遠隔で施策が打てます」という説明で、物品の売買として契約する。サービスではなく物の購入にすると、クーリングオフや返金交渉への対策になるんですね。そういう準備が、全部済んでいました。
支払いは「お金はこちらで借りてください」と案内された信販で、元金90万円・金利10%、返済総額は約125万円。会社を辞めたばかりの人間が、7年がかりの分割返済を背負いました。
で、肝心のサポートはどうだったか。契約したあと、あの営業マンから連絡が来ることは一度もありませんでした。サポートセンターから2〜3回、薄い内容の電話があっただけ。ソフトは2ヶ月でアンインストールしました。約束された「7年間の徹底サポート」の実態は、それだけです。
「今日中なら90万円」の電話を受けた場所も、まだ覚えています。それくらい高い授業料でした。
騙される条件は、業者ではなく僕の中にあった

さて、ここからがこの記事の本題です。「ひどい業者だ」で終わらせるのは簡単なんですが、それだと何も学びにならない。なぜ僕は契約してしまったのか。振り返ると、条件は2つありました。
① 焦りの正体は「誰かに人生をなんとかしてほしい」だった
当時の僕は、朝6時から23時まで働くようなブラックな会社を辞めた直後で、貯金はほぼゼロ。「早く結果を出さないと生活が終わる」という焦りの塊でした。
でも、いま振り返ると、あの焦りの正体は時間やお金の問題だけじゃなかったと思うんです。本音のところで、「誰かに、この人生をなんとかしてもらいたい」と思っていた。90万円は、SEOの対価というより「僕を成功させてくれる誰か」への支払いでした。
自分の人生のハンドルを、お金を払って他人に握ってもらおうとしていたんです。
危険信号のリストはこのあと書きますが、一番の危険信号は営業トークの中ではなく、自分の状態にあります。「誰かになんとかしてほしい」と思っているとき、人は営業電話が優しい声に聞こえます。
② 違和感はあった。「信じたい」が上書きした
もうひとつ、これも正直に書きます。違和感は、契約前からありました。
その会社とは、最寄りの駅まで来てもらって直接会いました。営業の方が持ってきたのは、成功事例としての「3社ぶんの資料」です。
「この会社さんはうちが入って、ここまで順位が上がりました」という、よくある実績紹介ですね。
ただ、それだけで7年の分割払いを背負うのは、さすがに不安でした。だから僕はその場で、3社それぞれについて「これは実際どうなっているんですか」と根拠を聞きました。引っかかるものがあったからです。
返ってきたのは、3社のうち2社が「あ、今日はその資料を持ってきていなくて」でした。はぐらかされた、という感触は確かにありました。
いま思えば、ここで言えばよかったんです。「では、その資料が確認できるまで契約はできません」と。
返済総額125万円の契約なんだから、普通に言える一言です。おかしなことは何も言っていない。
でも僕が実際に返したのは「あ、そうなんですね」でした。「これで人生が変わるかもしれない」という信じたい気持ちが、違和感を上書きしたんです。人は見たいものを見ます。焦っているときは、なおさらです。
違和感に気づくことと、違和感で止まることは、まったく別の能力です。
僕は気づいていました。質問もしました。それでも止まれなかった。だからこの記事の後半で渡すのは、危険信号を見分けるコツではなく、止まるための仕組みのほうです。
いま同じ営業が来たら、こう返す

では、いまの僕なら、あの営業電話にどう返すか。実際に使っている一言があります。
- 「その技術があるなら、なんで自社(御社自身のビジネス)でやらないんですか?」
確実に検索順位を上げられる技術が本当にあるなら、それを初心者相手に90万円で売るより、自社で商品を売るなり、実績のある大手と組むなりする方がはるかに儲かるはずなんです。
この質問に、構造として筋の通った答えが返ってくるかどうか。曖昧な答えやはぐらかしが返ってきたら、そこで終了でいいと思います。
もうひとつ、実話を紹介させてください。楽天の店がうまくいくようになってからも、営業電話はたまにかかってきます。あるとき「売上、もっと上げたくないですか?」と来たので、僕はこう返しました。
いや、別に上げたくないですね。
電話の向こうで、営業トークが完全に止まりました。
彼らのトークは「相手は売上を上げたいに決まっている」という前提の一本道でできています。前提を外すと、続きの台本がないんです。この体験は、営業トークというものが「対話」ではなく「台本の再生」だということをよく教えてくれました。
台本に付き合う義理はありません。断るのに、上手な理由も要りません。
あなたに渡したい「1週間ルール」

最後に、この120万円の授業料から僕が作った、たったひとつのルールを渡します。
1週間ルール
- どんな契約でも、その場では決めない。1週間考えてから決める
- その1週間で、会社名・契約形態・相場を徹底的に調べる
- 「今すぐ」「今なら」「今だけ」と言われたら、それだけで見送る
僕の契約の決め手になったのは「今日中にご契約いただくことが条件です」の一言でした。いま思えば、あれは考える時間と調べる時間を奪うための言葉です。
冷静に調べられたら困る商品ほど、即決を迫ります。だから「今すぐ」「今なら」「今だけ」は、僕の中では悪魔の言葉として登録されています。
このルールのいいところは、相手の質を測るリトマス試験紙にもなることです。
実際、あとになって別の会員制サービスに「1週間考えさせてください」と伝えたことがあるんですが、返事は「全然どうぞ」でした。ちゃんとしたサービスは、待ってくれます。自信のある商品は、1週間後も売ってくれるからです。待てない相手は、それだけで答えなんです。
さいごに|120万円で買ったもの

まとめます。
- 営業電話は実績のない初心者に集中する。あなたが狙われるのは、あなたに価値があるからではなく、契約を取りやすいから
- 価格の動き方を見る。2週間で300万→90万になる価格に、根拠はない
- 一番の危険信号は自分の状態。「誰かになんとかしてほしい」と思っているときが一番危ない
- 違和感は9割当たる。「信じたい」で上書きしない
- 1週間ルール。待ってくれない相手は、それだけで答え
120万円を払って、検索順位は上がりませんでした。でも、得たものがゼロだったかというと、実はそうでもないんです。僕がこの一件で買ったのは、「最終的には、自分でなんとかするしかない」というマインドでした。他人に人生を委ねようとした代金としては高すぎましたが、その後の8年を支えてくれたのは間違いなくこの学びです。
あなたは、90万円払わずにこの記事で同じ学びを持って帰ってください。それがこの記事を書いた理由です。
高額な塾やコンサルの判断基準については、別の記事でさらに詳しく書きました。あわせてどうぞ。
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