以前ラジオで、これから楽天市場に出店する方から「初月の売上を、言える範囲で教えてください」という質問をいただきました。
そのとき僕は「教えません」と答えています。意地悪で言ったわけではなく、その方にとって知らないほうがいい数字だと思ったからでした。
ただ、その後も同じ質問を何度かいただいたので、今回は数字を出します。2018年9月、楽天に出店した初月の売上は282,315円でした。
この記事では、その数字と、そこから4か月の推移をそのまま出します。そのうえで、なぜこの数字を目安にしてほしくないのかまで書きます。
楽天に出店した初月の売上は、282,315円だった
まず数字だけ先に出します。楽天に出店してからの4か月です。

初月が282,315円。2か月目が257,712円。3か月目が477,916円。4か月目が530,487円です。
数字だけ並べると、4か月で倍近くになった話に見えます。でも、この並びを見て最初に伝えたいのは、伸びたことではありません。
2か月目が初月より下がっていること。そして、この数字が出た条件が、いまとはかなり違うことです。
ただし、この数字だけ見ても意味がない
先に前提を全部出します。ここを飛ばして数字だけ持って帰ると、判断を間違える材料にしかなりません。
282,315円が出たときの条件
- 2018年。円安になる前で、仕入れが今より安かった
- 広告の知識はゼロ。広告費もゼロで出していた
- 競合が、いまほど強くも多くもなかった
- 楽天が最初の販売先ではなかった
最後のところが特に大事です。僕は楽天に出店する数か月前から別の場所で商品を売っていて、そこで実際に動いていた商品を、そのまま楽天にも並べました。
つまり、ゼロからいきなり28万円が出たわけではありません。売れる商品がある程度分かっている状態で、入口を1つ増やしたということです。

2か月目は、初月より下がった
2か月目の10月は257,712円。初月より2万5千円ほど下がりました。
当時はけっこう落ち込みました。出したばかりの店なので、翌月は当然増えるものだと思っていたんです。
ただ、いま数字の中身を見ると、話が変わります。

訪問者数は3,388人から4,861人に増えています。購入件数も69件から79件に増えています。人も注文も増えているのに、売上だけが下がったんです。
理由は1件あたりの金額でした。初月は1件あたり約4,090円だったのが、10月は約3,260円。安い商品のほうがよく動いた月だった、ということです。
売上だけを見ていたら「失敗した」で終わっていました。中身を見ると、店としては前に進んでいたんですよね。
ここが、初月の数字を売上だけで判断してはいけない理由の1つだと思っています。
3か月目に、はじめて景色が変わった
11月は477,916円。購入件数は79件から135件に増えました。
訪問者数は4,861人から5,341人なので、人の増え方より、注文の増え方のほうが大きいです。来た人のうち買ってくれる割合が上がった、ということになります。
では何が効いたのか。正直に書くと、1つに絞れません。
思い当たること
- 商品ページを出し続けていた(入口が増えた)
- 11月・12月は、そもそも年末に向かって物が動く時期
- 出してから時間が経ったページが、少しずつ拾われ始めた
特に2つ目は大きいと思います。同じことを別の月にやって同じ結果が出たかというと、たぶん出ていません。
4か月目の12月は530,487円。件数は140件でした。11月から件数はほとんど変わっていないので、このときは1件あたりの金額が上がった月です。
初月に見ていたのは、売上ではなく訪問者数と件数だった
当時の僕が毎日見ていたのは、実は売上ではありませんでした。何人来たかと、何件売れたかです。
売上は、この2つの掛け算の結果でしかありません。結果だけを見ても、明日やることが決まらないんです。

初月に集めたいのは、安心できる大きな数字ではありません。自分の店についての小さな答えのほうです。
1件売れただけでも分かること
- 最初の注文は、どの商品から入ったか
- お客様は、どんな言葉でそのページへ来たか
- 問い合わせでは、何を聞かれたか
- 発送までの作業で、どこに時間がかかったか
- 説明に書いたつもりで、伝わっていなかったこと
同じサイズの質問が2度来たなら、画像の中に寸法を入れたほうがいいかもしれません。発送日の確認が続くなら、納期の表示が見つけにくいのかもしれません。
こういう答えを1つずつページと運営に戻すと、翌月は初月の自分より少し分かりやすい店になります。
この数字を、あなたの目安にしないでほしい
ここまで数字を出しておいて言うのもなんですが、282,315円を自分の基準にしないでください。
仮にこの数字を知った人の初月が5万円だったとします。楽天で初めて1円の売上をつくって、5万円分もお客様に選んでもらえた。本来なら大きな一歩です。
それなのに、頭の中に28万円という数字が入った瞬間、その5万円が失敗に見えてしまいます。まだ1か月分しかデータがないのに、焦って値下げしたり、商品を全部入れ替えたくなる。
逆に、初月で40万円、50万円を売った人はどうでしょうか。今度はうれしい比較になりますが、こちらも危ないです。
たまたま開店した月が、その商品の一年でいちばん売れる時期だったのかもしれません。初月の勢いが続くと思って在庫を多めに仕入れて、翌月から注文が減る。期待が大きかった分、落ちたときの気持ちも大きく落ちます。
商材も、商品数も、価格帯も、開店した季節も違います。28万円に届かなかったから失敗でも、超えたから成功でもありません。
比べるなら、他人ではなく自分の中で比べる
とはいえ、何とも比べずに運営するのは難しいと思います。人間なので、どうしても基準がほしくなります。
なので僕は、比べる相手を自分の中に置くようにしていました。先月の自分、先週の自分と比べる、ということです。
自分の中で比べられること
- 商品を10点出した週と、30点出した週の訪問者数
- 説明文を書き直す前と、書き直したあとの注文件数
- 写真を1枚追加する前と、追加したあとのページ
- 先月と今月で、問い合わせの内容が変わったか
この比べ方には、他人の数字にはない良さがあります。条件が自分だけそろっていることです。同じ商品、同じ店、同じ人がやっているので、変えた部分の影響が見えます。
他店の初月売上と比べても、動かせるものは1つも出てきません。でも先月の自分と比べると、次に何を変えるかが必ず1つ出てきます。
儲かるかどうかという話は、別の記事にもう少し詳しく書いています。
さいごに
楽天に出店した初月の売上は282,315円。2か月目は257,712円に下がって、3か月目に477,916円、4か月目に530,487円でした。
数字は出しましたが、この記事でいちばん伝えたいのは金額ではありません。初月は、店の実力を測る試験ではないということです。
この記事のまとめ
- 初月は282,315円。ただしゼロからの28万円ではない
- 2か月目は下がった。右肩上がりではなかった
- 売上より先に動くのは、訪問者数と購入件数
- 売上が動いたら、件数なのか1件あたりなのかを見る
- 他人の初月は、低ければ焦り、高ければ油断を生む
初月に1件注文が入ったなら、その1件がなぜ生まれたかを見る。入らなかったなら、商品数、アクセス、価格、説明のどこから直すか考える。そして翌月、初月より1つだけ良い店にする。
初月売上の正解は、誰かの過去の数字の中にはありません。僕の282,315円も、そのうちの1つでしかないです。
出店するまでの流れと、その前の3年間については、こちらに書いています。
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この記事を書いた人

ラクマート認定講師:TAKAHIRO
- 2015年から3年間ネットショップに挑戦するも1円も稼げず、100万円以上の借金を負う
- 2018年に融資を受け、ネットショップ経営に独学で挑戦する
- 初年度から年商2,000万円以上を売り上げる
- 2022年に楽天市場「月間優良ショップ」を受賞
- 2022年に始めたYouTubeが1ヶ月で登録者1万人突破(現在は3万人以上)
- 2023年に楽天市場「ショップ・オブ・ザ・マンス【都道府県賞】」を受賞
- 2024年にラクマート史上初の「認定講師」7人のうちの1人に選ばれる
- 楽天市場は出店8年目。2025年度は年商6,000万円、累計売上3億円を突破
- ラクマートでの累計仕入れは6,000万円以上。最上位のV10会員
- 紹介したラクマート利用者は1,400人以上。中国の工場・船便倉庫と1688本社も現地視察ずみ
ふだんは、こんな発信をしています
ここまで読んでいただきありがとうございました。ブログ以外だと、だいたいこのあたりにいます。
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