- 「開業届って、いつ出せばいいの?」
- 「どのくらい売上が立ったら出すもの?」
よくいただく質問です。そして僕自身、この開業届を出すかどうかで4年間も悩みました。
結論から言うと、出す日を決めるのは売上ではなく「モールに出店すると決めたかどうか」です。そして開業届よりも先にやっておいたほうがいいことが1つだけあります。そこを間違えると、あとから取り返しがつきにくいので、この記事ではその順番から書きます。
4年も悩んだ人間が言うので信じてほしいんですが、開業届そのものは本当にあっけないです
結論:出す順番だけ、間違えないでください
楽天やヤフーショッピングへの出店を考えているなら、開店前に片づけておくものは大きく3つです。僕はこれを「3点セット」と呼んでいます。
- 開業届(+青色申告承認申請書)
- クレジットカード
- 事業用の銀行口座
ただしやる順番があります。ここが今日一番伝えたいところです。

| 順番 | やること | なぜその順番なのか |
|---|---|---|
| ① | クレジットカードを作る | 会社員の給与所得があるうちのほうが通りやすい |
| ② | 開業届+青色申告承認申請書を出す | 出店申込に必要。青色申告は同時申請が原則 |
| ③ | 事業用の口座を分ける | 屋号入りの口座は開業届の控えを求められることが多い |
| ④ | 会計ソフトに口座とカードを連携 | ①〜③が終わっていないと連携する対象がない |
【実体験】4年悩んで、行ってみたら郵便物の受け渡しレベルだった
順番の話をする前に、開業届そのもののハードルを下げておきます。
僕は開業届を出すのに4年かかりました。理由は単純で、怖かったからです。会社員をやりながらネットショップに挑戦していたので、「出したらもう戻れないんじゃないか」と勝手に思い込んでいました。
「婚姻届を出すくらいの気持ちで行ったら」
YouTubeのサブチャンネルで開業届の話をしたとき、コメント欄にすごく的確な言葉をいただきました。
「婚姻届出すくらいの気持ちで行ったら、郵便物の受け渡しレベルだった」
本当にこのとおりです。国税庁のサイトから印刷できる紙1枚に必要事項を書いて、担当の税務署に持っていく。控えに印をもらって終わり。窓口では1分もかかりませんでした。

提出したとき「俺の悩んでた4年間は何だったんだ…」って本気で思いました(笑)
出さずに挑戦した1回目の話
自分に不利なことも正直に書いておきます。僕が一番最初にネットショップに挑戦したときは、開業届を出していませんでした。単純にビビっていただけです。
結果は売上0円で、サラリーマンに戻りました。ただこのとき、開業届を出していなかったおかげで「再就職手当」を受け取ることができました。
開業届を出すと、何が変わるのか

できるようになること
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| モールに出店できる | 楽天市場・ヤフーショッピングの出店申込に必要になる |
| 青色申告ができる | 最大65万円の特別控除 |
| 赤字を繰り越せる | 出た赤字を翌年以降の黒字と相殺できる |
| 屋号入りの口座を作れる | お客さんから見た振込先の印象も変わる |
| 経費の範囲がはっきりする | 事業として使ったお金を整理しやすくなる |
気をつけること
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 失業保険 | 受けられなくなることがある(受給予定なら先にハローワークへ) |
| 扶養 | 家族の扶養から外れる可能性がある |
| 確定申告 | 毎年やることになる(会計ソフトを入れれば負担は小さい) |
| 帳簿づけ | 青色申告の65万円控除には複式簿記が必要 |
「まだ出さないほうがいい人」もいます
全員がいますぐ出すべき、とは思いません。売上も立っていない、出店の予定もないという段階で出すと、失業保険まわりで不利になる可能性だけが残ります。
僕なりの結論:「モールに出店すると決めた」または「売上が立ち始めた」タイミングで出しに行けばいい
青色申告承認申請書も、同じ日に出してください
開業届と一緒に出しておくべき紙が、もう1枚あります。「所得税の青色申告承認申請書」です。同じように国税庁のサイトから印刷できて、費用はかかりません。
メリットに挙げた「青色申告ができる」は、地味に見えて一番効きます。最大65万円の特別控除が使えるので、利益が出たときの税金がまるごと変わってきます。
「複式簿記」で手が止まる人へ
65万円控除の条件は2つ。青色申告承認申請書を出していることと、複式簿記で帳簿をつけることです。
この「複式簿記」で手が止まる人が本当に多いのですが、いまは会計ソフトが全部やってくれます。僕自身は マネーフォワード クラウド確定申告 を使っています。銀行口座やクレジットカードを連携しておけば取引を自動で取り込んでくれるので、簿記の知識がなくても青色申告まで完走できます。正直、これが無かった時代に戻れる気がしません。
クレジットカードは、開業届より先に作る
ここが3点セットで一番大事なところです。
クレジットカードの審査では、収入の安定性が見られます。会社員は毎月決まった給与があるので、そこが評価されやすい。一方で独立したばかりの個人事業主は、まだ実績のない事業主として見られることになります。
カードは、事業でどう使うのか
仕入れ・広告費・資材・通信費・ソフト代。ネットショップの支出はほとんどカードで払えます。そしてカードで払うと、支払いが1ヶ月ほど後ろにずれます。入金より支払いが先に来るネットショップでは、これがけっこう効きます。
| カードを使うと | 起きること |
|---|---|
| 仕入れをカードで払う | 実際の引き落としは翌月以降。手元の現金が長持ちする |
| 事業用カードに集約する | 会計ソフトが自動で取り込む。仕分けの手間が消える |
| ポイント・還元がつく | 同じ支出でも、還元のぶんだけコストが下がる |
どこを見て選ぶか
- 年会費——最初は無料または低額のもので十分
- 会計ソフトと連携できるか——ここが一番効きます
- 限度額——仕入れの規模に足りるか
- 事業用として作れるか——個人カードと分けられると管理がラク
カードの話、地味なんですけど「あのとき作っておけば」で一番後悔しやすいところです
事業用の口座を分けておく
3点セットの最後は口座です。生活のお金と事業のお金が同じ口座に混ざっていると、確定申告のときに1件ずつ「これは事業、これは生活」と仕分ける作業が発生します。

分けると、何がラクになるのか
| 分けていない | 分けている | |
|---|---|---|
| 確定申告 | 1件ずつ仕分ける | 会計ソフトが自動で取り込む |
| 資金の把握 | 事業のお金が今いくらか分からない | 残高がそのまま事業の体力 |
| 税務署への説明 | 説明しづらい | 通帳がそのまま事業の記録になる |
選ぶときに見る3つ
- 会計ソフトと連携できるか——これが最優先。連携できないと自動化が止まります
- 振込手数料——仕入れや外注の支払いで毎月効いてきます
- 屋号名義で作れるか——屋号入りだと事業用として分かりやすい
ネット銀行は、実店舗の銀行にくらべて振込手数料が安く、会計ソフトとの連携にも対応しているところが多いです。個人事業主向けの口座を用意している銀行もあるので、上の3つの基準で比べてみてください。条件は変わるので、開設前に公式の最新情報の確認をおすすめします。
デビットカードという選択肢
クレジットカードの審査が不安な方や、使いすぎを避けたい方には、口座直結のデビットカードという手もあります。支払いの繰り延べはできませんが、口座と一体なので会計ソフトの取り込みがきれいです。
請求書まわりは、必要になってから
BtoCのネットショップだと、請求書を発行する場面はそれほど多くありません。卸売をやる、法人と取引する、といった段階になってから請求書サービスを検討すれば十分です。インボイス制度に登録すべきかどうかは取引の相手によって変わるので、判断に迷うところは税務署か税理士さんに確認してください。ここは記事の情報で決めないほうがいい領域です。
3点セットがそろったら
開業届・カード・口座がそろったら、あとは出店の準備です。楽天の出店申込から開店までの流れ、必要書類、審査で見られるものはこちらに全部まとめました。
「そもそも出店していいのか」を数字で確かめたい方は、こちらを先にどうぞ。
仕入れ先の確保も、出店前にやっておく3つのうちの1つです。僕は中国輸入を軸にしていて、買付代行はラクマートさんを使っています。
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よくある質問
Q1. 開業届はいくらかかりますか?
0円です。用紙は国税庁のサイトから無料で印刷できますし、提出にもお金はかかりません。
Q2. 会社員をしながらでも出せますか?
出せます。ただし勤務先の副業規定はご自身で確認してください。また、住民税の納付方法によっては勤務先に伝わることがあるので、気になる方は確定申告のときの選択肢を調べておくと安心です。
Q3. 売上がまだ0円でも出していいですか?
出店すると決めているなら出していいと思います。逆に、出店の予定も売上もない段階で出す必要はありません。失業保険を受け取る予定がある方は特に、先にハローワークで確認してください。
Q4. 開業日はいつにすればいいですか?
実際に事業を始めた日を書きます。ここで神経質になる必要はありませんが、青色申告の申請期限は開業日から数えます。あまり過去の日付にすると期限を過ぎてしまうことがあるので、そこだけ気をつけてください。
Q5. 屋号は決めておかないとダメですか?
空欄でも受理されます。あとから変えることもできます。ただし屋号入りの口座を作りたいなら、先に決めておくとスムーズです。ショップ名の決め方はこちらに書きました。
Q6. 出したあとに、やめたくなったら?
廃業届という紙を出せば終わりです。これも1枚。開業届と同じくらいあっけないです。「出したらもう戻れない」は思い込みでした。
さいごに
今回は「開業届を出すタイミング」と、その前後にやっておく3点セットについて書きました。
- 開業届を出す日は、売上ではなく「出店すると決めたか」で決める
- クレジットカードだけは、開業届より先に作っておく
- 開業届と青色申告承認申請書は同じ日に2枚まとめて出す
- 事業用の口座を分けて、会計ソフトに連携するところまでやる
一番伝えたかったのは、開業届はそんなに気合いを入れて行くようなものじゃない、ということです。4年悩んだ僕が言うので、間違いありません。
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ラクマート認定講師:TAKAHIRO
- 2015年から3年間ネットショップに挑戦するも1円も稼げず、100万円以上の借金を負う
- 2018年に融資を受け、ネットショップ経営に独学で挑戦する
- 初年度から年商2,000万円以上を売り上げる
- 2022年に楽天市場「月間優良ショップ」を受賞
- 2022年に始めたYouTubeが1ヶ月で登録者1万人突破(現在は3万人以上)
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