僕が初めてネットショップに挑戦したのは2015年です。そこから本格的に商売として動き出すまで、約3年かかりました。
3年間ずっと1つの店を育てていたわけではありません。店を作っては閉じ、別のビジネスを調べ、また店を作る。その繰り返しで、商売らしい売上はほとんど出ませんでした。
当時の僕は、自分ではかなり行動しているつもりでした。会社も辞めましたし、見本市にも行きましたし、SEOも勉強しました。
この記事では、その3年間で何が足りなかったのかを書きます。同じように「動いているのに進まない」感覚がある人の材料になればと思います。
3年かけて、商売らしい売上はほとんど出なかった
最初に選んだのは家具のネットショップでした。会社員を辞める前に、東京ビッグサイトの見本市へ行っています。スーツにリュックを背負って、友人についてきてもらいました。
午前中は緊張して、仕入先に一社も声をかけられませんでした。昼食のときに友人から「どうせもう会わない人たちなんだから、思い切って行けば」と言われて、午後は10社ほど回りました。
1社から資料をもらって、ネットで見つけた卸会社とも取引できそうになりました。それだけで、もう店を始められると思ったんです。
仕入れる資金はほとんどないのに、月額2万円ほどかかるネットショップサービスを契約しました。会社を辞めたときの口座残高は15万円ほど。店はまだ完成していないし、アクセスもゼロです。
そこへ、検索順位を上げるという営業電話がかかってきました。この判断については別の記事に書いたので、ここでは深く触れません。
そのあと自分でSEOを勉強して、あるキーワードで上位に入りました。一日1,000人ほどがサイトに来るようになります。
それでも家具はまったく売れませんでした。来ていた人が見ていたのは商品ではなく、部屋づくりの参考記事だったからです。
アクセスは増えているのに注文が入らない。このときはもう、どこを直せばいいのか自分でも分からなくなっていました。
やがて口座残高はゼロになって、僕は会社員に戻りました。
やっていたことを並べると「行動していた」ように見える
この3年間を並べると、こうなります。

家具の店を作って閉じる。中古アパートを買って貸す本を10冊ほど読んで事業計画を作る。銀行に相談して断られる。株やFXを調べる。BASEとカラーミーショップで店を3つ4つ作る。
文字にすると、わりと動いているように見えます。実際、僕もそう思っていました。
でも、やっていたことと、そこから返ってきたものを並べると景色が変わります。

見ての通り、注文が入ったかどうかを確かめる行動が、ほとんど入っていません。仕入先を探し、サービスを契約し、順位を上げ、ページを作り直す。どれも「店を整える」側の仕事でした。
動いていたのに進まなかった理由は、確かめる前に次へ移っていたから
いま振り返って、いちばんはっきり言えるのはここです。売れなかった理由を確かめる前に、次の方法へ移っていました。
家具が売れなかったとき、僕は原因を検証していません。訪問者は来ていたのに買われなかったのだから、本当は「見られた上で買われなかった」といういちばん価値のある材料が手元にあったはずでした。
送料や配送、返品のルールは曖昧なままでしたし、正直に言うと、売れた後の責任が怖くて注文が入らない場所を整え続けていた面もあったと思います。
それを確かめないまま、次に読んだのは不動産の本でした。「今度こそこれだ」と思って、また最初から準備を始めます。
確かめないまま移ると、何が起きるか
- 売れなかった原因が分からないまま持ち越される
- 次の方法でも同じ場所で止まる
- 止まった理由がまた分からないので、また次を探す
- 方法だけが増えて、経験が1つも積み上がらない
僕は「売れない」をひとかたまりの結果として見ていました。商品なのか、集客なのか、販売場所なのか、価格なのか、信頼なのか。分けて見ていないので、直す場所も決まりません。
そして、分からない不安を新しいビジネスモデルを探すことで埋めていました。
新しい方法を探すのは、いちばん気持ちのいい逃げ方だった
20代の頃、手取りは16万円ほどで、家賃や支払いが終わると自由に使えるお金は月3万円くらいでした。その半分ほどを本に使っていた時期があります。
これまでに読んだ本は800冊から900冊くらいだと思います。ネットショップだけでなく、マーケティング、心理学、自己啓発、経営。興味を持ったものはかなり読みました。
勉強すること自体は、いまも大切だと思っています。ただ、知識が増えることと、店が前へ進むことは別でした。
本を10冊読んでも、商品を1つも販売していなければ、売れるかどうかは何も分かりません。そして厄介なのは、情報を集めている間も「今日は事業のために頑張った」という感覚だけは残ることです。

本を読む、動画を見る、競合を調べる、詳しい人に聞く。どれも必要ですが、僕はこれを行動の回数には数えていません。数字が何も返ってこないからです。
勉強不足で失敗することはあります。でも勉強しすぎたせいで挑戦が大きくなって、身動きが取れなくなることもある。僕は後者でした。
「誰か一人に買ってもらう」から、どんどん離れていた
店を作ること。知識を増やすこと。新しいビジネスモデルを見つけること。そのどれもが、誰か一人に商品を買ってもらうという現実から、少しずつ外れていました。
店のデザインを整えれば信用される。商品数を増やせばそのうち売れる。SNSを始めれば人が集まる。そう思っていました。
実際には、店を作ることとお客様を連れてくることは別の仕事です。そして、人が来ることと商品を買ってもらうことも別でした。
3年間で分かっていなかった3つの「別」
- 店を作ることと人を連れてくることは別
- 人が来ることと買ってもらうことは別
- 知識が増えることと店が進むことは別
一日1,000アクセスあっても、家具を買うつもりのない人ばかりなら売れません。投稿しても、その商品を探している人へ届かなければ店には来ません。店に来ても、納期や送料や返品条件が分からなければ注文できません。
この3つのどこで止まっているかを見れば、直す場所は決まります。でも僕は、3年間で一度もこの分け方をしませんでした。
3年目に何を変えたのか
転機になったのは、2017年9月に長男が生まれたことでした。もう一度、本気で商売を作ろうと思いました。
ただ、ここでも同じ癖が出ています。孫正義さんが長い時間をかけて事業計画を作ったという話に影響を受けて、半年で完璧な計画を作ろうとしました。2018年2月になっても、その計画はほとんど進んでいませんでした。
完璧な計画ができたら始める。正しい商品が分かったら仕入れる。成功する販売先を見つけたら出店する。失敗を避けようとするほど、実際のお客様から遠ざかっていました。
結局、変わったきっかけは計画ではありませんでした。海外のサイトで小さな転売を始めて、実際に商品を買って、販売する流れを一周させたことです。
そのあと少量を仕入れたら、7割ほどが売れ残りました。きれいな成功ではありません。
でも、売れ残ったことで初めてどの商品が動いて、どの商品が止まったのかを自分の数字で見られました。店を何個作っても得られなかった情報が、一度の仕入れと販売で手に入ったんです。

いまの僕が当時の自分に伝えるなら、次の店を作る前に、1つの取引を最後まで終わらせろと言います。
3年間が無駄だったとは思っていません。サイト作りやSEOの技術は、後の店舗運営や発信に役立ちました。
ただ、遠回りを美化するつもりもありません。最初に1つの商品を小さく売って確かめていれば、もっと早く商売の中心を学べたと思います。
さいごに
3年売れなかった頃の僕は、行動しているのに結果が出ない人でした。いまなら理由が分かります。行動の多くが、お客様へ商品を届ける行動になっていなかったからです。
この記事のまとめ
- 3年で移ったのは方法だけ。確かめたことは一度もなかった
- 準備の仕事は失敗しない。だからやめる理由が見つからない
- 「売れない」は分けて見ないと直す場所が決まらない
- 知識が増えることと、店が進むことは別
- 店を作るより、取引を一周させるほうが分かることが多い
売れないとき、新しい店や新しい副業へ移る前に、いまの方法を分解してみてください。そもそも見られたのか。買いたい人に届いたのか。ページに必要な情報はあったのか。価格と送料を引いて利益が残るのか。
1つずつ答えられれば、失敗はそのまま次に持っていけます。答えがないまま方法だけ変えると、僕と同じ3年を繰り返すことになります。
この3年で何をしていたのかは、こちらの記事にも書いています。
ではでは!
楽天出店を考え始めた方へ
無料のメール講座「楽天出店21ステップ勉強会」をやっています。
毎日1通・21日間のメール講座です。
- 読むのは、1通2〜3分
- 専用シートに1日1マス埋めると、21日後に「あなたの店の設計図」が完成
(誰に・何を・いくらで・どれだけの資金と時間で売るか) - 登録した瞬間に、道具が4つ届きます
(設計図シート/関税計算テンプレ/利益率シミュレーター/集客診断シート) - 「簡単に稼げます」系の話はしません。
出店するかどうかを、自分の数字で決められるようになるための講座です
※メールを待たずに、今すぐ全手順を知りたい方には、有料の「0から始める楽天市場の教科書」もあります。
0から始める楽天市場の教科書はこちら【楽天市場の資料請求】
楽天への出店をまだ決めきれていない段階の方は、先に出店資料を取り寄せておくと判断がしやすくなります。いまのプランや費用の最新の話は、担当の方に直接聞くのが一番早いです。
僕自身も資料請求がきっかけで出店を決め、いまでは一番大きな「売上の柱」になっています。
※下記は楽天市場の資料請求の紹介リンクです。お申し込みがあると僕に紹介料が入ります。もし資料請求する機会があれば、よろしかったらこちらから請求していただけると嬉しいです。

この記事を書いた人

ラクマート認定講師:TAKAHIRO
- 2015年から3年間ネットショップに挑戦するも1円も稼げず、100万円以上の借金を負う
- 2018年に融資を受け、ネットショップ経営に独学で挑戦する
- 初年度から年商2,000万円以上を売り上げる
- 2022年に楽天市場「月間優良ショップ」を受賞
- 2022年に始めたYouTubeが1ヶ月で登録者1万人突破(現在は3万人以上)
- 2023年に楽天市場「ショップ・オブ・ザ・マンス【都道府県賞】」を受賞
- 2024年にラクマート史上初の「認定講師」7人のうちの1人に選ばれる
- 楽天市場は出店8年目。2025年度は年商6,000万円、累計売上3億円を突破
- ラクマートでの累計仕入れは6,000万円以上。最上位のV10会員
- 紹介したラクマート利用者は1,400人以上。中国の工場・船便倉庫と1688本社も現地視察ずみ
ふだんは、こんな発信をしています
ここまで読んでいただきありがとうございました。ブログ以外だと、だいたいこのあたりにいます。
- 日々のルーティン動画(YouTube)
朝の出荷から夜の受注処理まで、店長の1日をそのまま撮った動画です。「ネットショップって毎日なにをしてるの?」の答えになると思います - TAKAHIROラジオ(音声)
作業しながら聴ける音声チャンネルです。数字だけでは伝わらない話や、うまくいかなかったときの話をしています - Substack(コラム・ライブ配信)
週2〜3本のペースで発信しています。ブログに書ききれなかった現場の話はこちらに。ライブ配信も予定しています






