皆さん、こんにちは!TAKAHIROです!
楽天市場に出店していると、毎月の請求のなかに「楽天スーパーアフィリエイト」という項目が並びます。ここを「うちのジャンルは3%だから、売上の3%ね」とだけ覚えている方が、けっこう多いんです。
でも実際の請求を開くと、アフィリエイト関連の行は1行ではなく2行あります。そしてもう1行のほうを知らないまま料率を触ると、思っていたより出ていくお金が増えます。
この記事では、楽天のアフィリエイト費用が実際どういう構造で、実額でいくら出ていくのか。そして料率を上げるかどうかを、どの数字で決めればいいのかまで書きます。
この記事でわかること
- アフィリエイトの費用が①成果報酬と②システム利用料の二重構造になっていること
- ②の料率は月の成果報酬額で15〜30%に動くこと。そして小さい店ほど重い段にいること
- 1万円売れたときに実際にいくら出ていくのか
- 料率を上げていいかどうかを決めるたった1本の計算式
- 料率を上げても、効くのは紹介経由の売上のうち一部だけだという話
請求書のアフィリエイトは、1行ではなく2行ある
まず言葉の整理からいきます。楽天スーパーアフィリエイトは、楽天が用意している成果報酬型の紹介プログラムです。ブロガーやポイントサイトなどの「パートナー」があなたの商品を紹介して、そのリンク経由で売れたときに、店舗が紹介料を負担する仕組みですね。
で、ここからが本題です。この紹介1件に対して、店舗が払うお金は2種類あります。
| 誰に払うか | 料率 | 店舗が変えられるか | |
|---|---|---|---|
| ①成果報酬 | 紹介してくれたパートナー | アフィリエイト経由売上 × 2〜4% | 上げられる |
| ②システム利用料 | 楽天 | ①の金額 × 15〜30% | 変えられない |
請求のなかでも、この2つは別の行として並びます。②を知らないまま採算を組んでいる店舗さんは、本当に多いです。というより僕自身、最初はまったく見ていませんでした。
①成果報酬はジャンルで決まる(2〜4%)
①の成果報酬の料率は、店舗が決めているわけではありません。商品のジャンル(商品ディレクトリID)ごとに、楽天があらかじめ決めています。2%・3%・4%の3段階です。
商品ディレクトリIDというのは、その商品がどのジャンルに属しているかを示す番号のことです。同じ店の商品でも、扱っているジャンルが違えば料率も違う、ということが起こります。
どのジャンルが何%なのか、全部並べるとこうなります。自分の店の主力商品がどこに入っているか、ここで確認してみてください。
| 料率 | 商品ジャンル |
|---|---|
| 4% | ジュエリー・アクセサリー/食品/インナー・下着・ナイトウェア/水・ソフトドリンク/日本酒・焼酎/靴/レディースファッション/バッグ・小物・ブランド雑貨/メンズファッション/スイーツ・お菓子/ビール・洋酒/美容・コスメ・香水/ペット・ペットグッズ/医薬品・コンタクト・介護/ダイエット・健康/スポーツ・アウトドア/花・ガーデン・DIY/キッズ・ベビー・マタニティ/カタログギフト・チケット |
| 3% | キッチン用品・食器・調理器具/日用品雑貨・文房具・手芸/本・雑誌・コミック/インテリア・寝具・収納/ホビー/サービス・リフォーム/おもちゃ/住宅・不動産 |
| 2% | 車用品・バイク用品/腕時計/TV・オーディオ・カメラ/パソコン・周辺機器/スマートフォン・タブレット/家電/CD・DVD/楽器・音響機器/車・バイク/光回線・モバイル通信/テレビゲーム/上記以外のジャンル |
並べてみると傾向がはっきりしています。ファッション・食品・美容といった、単価が低くてリピートが起きやすいジャンルほど4%。家電やパソコンのような高単価ジャンルほど2%です。売れたときの金額が大きいジャンルほど、料率は低く抑えられている構造です。
この2〜4%は下限です。店舗の側から「2%を1%に下げる」ということはできません。逆に、あとで説明する料率アップという機能を使えば、この上に積むことはできます。
もう1行のほう——アフィリエイトシステム利用料
こっちが、知らない人が多い②です。パートナーに払った成果報酬に対して、さらに楽天がシステム利用料を取ります。
そして、この料率は固定ではありません。月の成果報酬の合計額によって、段階的に変わります。

| 月間の成果報酬原資の合計額 | システム利用料の料率 |
|---|---|
| 300,000円以下 | 30% |
| 300,001〜1,000,000円 | 25% |
| 1,000,001〜5,000,000円 | 23% |
| 5,000,001〜10,000,000円 | 20% |
| 10,000,001円以上 | 15% |
表を見ると「うちは25%かな」と思いたくなるんですが、ここで冷静に計算してみてください。月の成果報酬が30万円を超えるということは、料率3%のジャンルならアフィリエイト経由の売上だけで月1,000万円です。
つまり、ほとんどの店舗は一番上の30%の段にいます。規模が小さい店ほど重い料率になる、という構造ですね。
実額でいくら出ていくのか
%のままだと感覚がつかめないので、金額に直します。

料率3%のジャンルで、アフィリエイト経由で10,000円の商品が1つ売れたとします。
- パートナーへの成果報酬 … 10,000円 × 3% = 300円
- システム利用料 … 300円 × 30% = 90円
- 店舗の負担合計 … 390円(売上に対して3.9%)
ここまでは、まあ想定内かもしれません。問題は料率を上げたときです。
料率アップで10%に設定していたとすると、1,000円+300円で1,300円。料率10%のつもりでも、売上に対して出ていくのは13%になります。
月単位でも見ておきましょう。料率4%のジャンルで、アフィリエイト経由の売上が月100万円だったとします。
- 成果報酬 … 1,000,000円 × 4% = 40,000円
- システム利用料 … 40,000円 × 30% = 12,000円
- 合計 … 52,000円(経由売上に対して5.2%)
料率アップ——上げると、楽天の取り分も自動で増える
楽天にはアドバンスサービスというオプションがあって、これを申し込むと、さきほどの2〜4%を超える料率をパートナーに提示できます。設定できる範囲は5〜20%、1%刻みです。
料金は月額10,000円と定められていますが、2015年11月分から現在まで無料の扱いが続いています。請求上は「利用料金10,000円」と「値引き −10,000円」が並んで相殺されます。ただしいつ終わるかは公表されていないので、これが続く前提で利益計算を組まないほうがいいです。
「いまは無料」という扱いのオプションは、これ以外にもあります。そちらはまとめて書きました。
設定できるのは「ジャンル単位」。商品ごとには変えられない
ここは勘違いしやすいところです。料率アップの設定単位はジャンル、または店内商品への一括で、「この商品だけ20%」という設定はできません。
つまり、そのジャンルのなかで一番粗利の薄い商品でも成立する料率を選ぶ必要がある、ということです。
「上位パートナー」と「一般パートナー」
料率アップの設定画面には、上位パートナー向けと一般パートナー向けの2つの入力欄があります。ここで最初につまずく方が多いので、整理しておきます。
| 区分 | 誰が決めているか | 店舗にできること |
|---|---|---|
| 上位パートナー | 楽天(基準値は非公開) | 上位向けの料率を設定する |
| 一般パートナー | 楽天(基準値は非公開) | 一般向けの料率を設定する |
| どちらにも入らない | 楽天(ジャンル別の2〜4%) | 何もできない |
つまり誰が上位で誰が一般かを決めているのは楽天で、店舗は2つの料率を出せるだけです。自分の店の紹介者のうち何人が上位なのかは、店舗側からは見えません。
もうひとつ。料率を決めているのは「誰が貼ったか」だけです。商品ページからリンクを取ろうが、楽天アフィリエイトのポータルから取ろうが、リンクの取り方では1円も変わりません。
①を上げると、②も自動で増える
ここが一番大事なところです。②のシステム利用料は①に対してかかるので、料率を2倍にすると、楽天に払う分も自動的に2倍になります。
「3%から6%にしたからコストが3%増えた」ではありません。1万円あたりで見れば390円から780円で、増えたのは390円。上げ幅そのものより重くなります。
アドバンスサービスがずっと無料のままなのは、料率を上げてもらったほうが楽天の取り分(②)も増えるから、という構造になっているように見えています。批判したいわけではなくて、仕組みを分かったうえで使いましょう、という話です。
上げていいかどうかは、1本の式で決まる
では、いくらまで上げていいのか。ここは感覚ではなく式で出せます。
料率の上限 = 限界利益率 ÷ 1.3
1.3で割るのは、さっきのシステム利用料30%が上乗せされるからです。実際に出ていくお金は「報酬 × 1.3」なので、限界利益率をそのまま料率の上限にすると足りません。
限界利益率の出し方
限界利益率というのは、1つ多く売れたときに、追加でいくら残るかの割合です。
- 売上 − 仕入原価 − 送料 − 楽天手数料
- RPP広告費と保管料は引きません。アフィリエイト経由で1件多く売れても、この2つは増えないからです
僕自身の店で計算したときは、この上限が20%台前半でした。楽天の設定上限が20%なので、上限いっぱいに張ると、その1件からはもう何も残らない位置です。
「元が取れるか」は、何%増えればいいかで見る
もうひとつ考えておくことがあります。料率を上げると、上げる前から来ていた紹介にも高い料率がかかります。増えた分だけ得、ではないんですね。
同じ利益を保つには、紹介経由の売上そのものが増えるしかありません。必要な増加額は、こう出せます。
必要な新規売上 = 既存売上への上乗せ額 ÷(限界利益率 − 新しい料率 × 1.3)
限界利益率30%、いまの実効料率が9%の店を例に計算すると、こうなります。

注目してほしいのは、上げ幅が3倍になると、必要な売上の増え方は6倍以上になるところです。比例しません。
理由は単純で、料率を上げると「新しく1円売れたときに手元に残る額」も同時に痩せるからです。分子が増えて分母が減るので、急に苦しくなります。上げるなら、いきなり上限ではなく段階を踏むほうが現実的だと数字が言っています。
上げても、効くのは紹介経由の売上のうち一部だけ
もうひとつ、上げる前に知っておいたほうがいいことがあります。
さっきの表のとおり、店舗が設定した料率が乗るのは楽天が「上位」「一般」に選んだパートナーの紹介だけです。それ以外のパートナーからの紹介には、何%に設定しようとジャンル別の2〜4%しか乗りません。
僕の店で12か月分の明細を分解してみたところ、店が設定できる料率が乗っていたのは、紹介経由の売上のうち3割ほどでした。残りは何をしても動かない枠だった、ということです。
ここから実務的に言えることが2つあります。
分解して分かったこと
- 効果を見るときに全体の実効料率で見てはいけない。動くのは一部だけなので、全体で見ると変化が薄まって消えてしまう。料率アップ枠だけ切り出して判定する
- 料率アップは「露出を買う」施策ではない。RPP広告に3万円入れれば3万円ぶんのクリックが買えるが、料率アップで3万円増えても、そのお金は今すでに来ている紹介への上乗せで、新しい露出は1円も買っていない
料率アップは、広告の購入ではなくパートナーへのインセンティブの提示です。売上が増えるのは、料率が上がったのを見た人が新しく貼ってくれたときだけで、そこは店側からコントロールできません。
広告の側で「入れた分だけ露出が買える」ほうの話は、こちらにまとめてあります。
参考までに、下げたときに起きたこと
「料率を上げても効果が分からない」という声はよく聞きます。うちの店は、一度上げたものを途中で下げて、そのあとまた戻した期間がありました。結果的に、下げたらどうなるかのデータが取れていたことになります。
季節の影響をそろえるために、1〜8月だけで前年と比べるとこうなりました。
| 期間 | 料率アップの状態 | 紹介経由の売上(前年比) | 件数(前年比) |
|---|---|---|---|
| 2023年1〜8月 | 下げた年 | −3.8% | −7.0% |
| 2024年1〜8月 | 戻した年 | +24.8% | +30.0% |
下げた年だけ前年割れしています。上げたら伸びた、というだけなら「商品が売れただけかもしれない」と言えますが、下げた期間だけ落ちているので、料率以外の説明はつけにくいと感じています。
もうひとつ、時間の話をしておきます。戻したのは2023年の9月で、前年比が測れたのはその約1年後でした。実効料率は戻した直後から動きますが、紹介件数が伸びてくるのは遅れます。
さいごに
長くなったので、まとめます。
この記事の要点
- アフィリエイトの費用は①成果報酬+②システム利用料の二重構造。請求には2行並ぶ
- ②は①に対してかかり、料率は月の成果報酬額で15〜30%。ほとんどの店は一番重い30%の段にいる
- 実コストは「料率」ではなく「料率 × 1.3」で見る。10%のつもりでも出ていくのは13%
- 上げていい上限は限界利益率 ÷ 1.3。限界利益率からRPP広告費と保管料は引かない
- 料率を上げても、店が設定した料率が乗るのは紹介の一部だけ。効果は料率アップ枠だけ切り出して、半年〜1年で見る
アフィリエイトは、楽天の費用のなかでも構造が分かりにくい部分です。でも「2行ある」「実コストは料率×1.3」の2つを押さえるだけで、料率を触るときの判断がぐっと楽になります。
請求書に並ぶ費用の全体像は、品目ごとにこちらで説明しています。
楽天で儲からないと感じている理由については、こちらの記事でも書いています。
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この記事を書いた人

ラクマート認定講師:TAKAHIRO
- 2015年から3年間ネットショップに挑戦するも1円も稼げず、100万円以上の借金を負う
- 2018年に融資を受け、ネットショップ経営に独学で挑戦する
- 初年度から年商2,000万円以上を売り上げる
- 2022年に楽天市場「月間優良ショップ」を受賞
- 2022年に始めたYouTubeが1ヶ月で登録者1万人突破(現在は3万人以上)
- 2023年に楽天市場「ショップ・オブ・ザ・マンス【都道府県賞】」を受賞
- 2024年にラクマート史上初の「認定講師」7人のうちの1人に選ばれる
- 楽天市場は出店8年目。2025年度は年商6,000万円、累計売上3億円を突破
- ラクマートでの累計仕入れは6,000万円以上。最上位のV10会員
- 紹介したラクマート利用者は1,400人以上。中国の工場・船便倉庫と1688本社も現地視察ずみ
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