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ノウハウを集めるほど動けなくなる理由|本を900冊読んで気づいたこと

72.ノウハウを集めるほど動けなくなる理由

この記事を書いた人:TAKAHIRO|楽天市場出店8年目・年商6,000万円|ラクマート史上初の認定講師7人の1人

ちょっと皮肉だなと思うことがあります。これから始めたい人ほど、詳しいんです。

どんな副業があるか、何が伸びているか、AIをどう使うか、物販なら何を売るか。知識だけ見れば、もう始めている人より詳しかったりします。

それなのに、まだ1つも出していない。知識が増えれば動きやすくなるはずなのに、逆に動けなくなっていく。

僕もそうでした。これまでに読んだ本は800冊から900冊くらいだと思います。ネットショップだけでなく、マーケティング、心理学、経営まで。

20代のころは手取りが16万円ほどで、支払いが終わって自由に使えるのは月3万円くらい。その半分を本に使っていた時期もあります。

勉強すること自体は、今も大事だと思っています。ただ、知識が増えることと、店が前へ進むことは別でした。

情報を集めている時間は、いちばん安全で気持ちがいい

ここが、いちばんややこしいところです。ノウハウを集めている時間は、何もしていない感じがしません

本を読む。動画を見る。投稿を保存する。AIに聞く。昨日まで知らなかった言葉が分かるようになるので、ちゃんと前へ進んでいる感覚があります。

でも、料理の本を100冊読んでも、一度も台所に立っていなければ料理は上手くなりません。筋トレの動画を毎日見ても、ダンベルを持たなければ筋肉はつかない。

物販でも同じで、本を10冊読んでも、1つも売っていなければ売れるかどうかは何も分かりません

しかも厄介なのが、集めている間も「今日は事業のために頑張った」という感覚だけは残ることです。

TAKAHIRO

僕も情報を集めるのが好きなので、これはよく分かります。新しいノウハウを知った瞬間って、自分まで成長した気がするんですよね。

知ったことと、できるようになったことは別ものです。この2つを混ぜると、勉強しているのに何も変わらない時間がかなり長くなります。

知識が増えるほど「まだ足りない」が増える構造

始める前は、分からないことだらけです。失敗したくない、お金を失いたくない、家族に心配されたくない。だからまず勉強する。これはすごく自然なことだと思います。

ただ、どこかで集め続ければ、ある日ぜんぶつながって不安がゼロになると思っていませんか。僕は思っていました。

実際は逆でした。1つ知ると、別の方法も見つかる。

調べるほど動けなくなる流れ

物販は再現性が高いらしい。でも在庫を持つのは危ないらしい。無在庫なら安全らしい。でも納期で揉めるらしい。選択肢が増えるほど、比べる項目も増えます

そして「もう少し調べてから」に戻る。ここが出口のない場所です。

本当は、知らないことより決めるのが怖い

情報が足りないと思っていたけれど、実は怖かったのは決めることだった。振り返ると、僕はこれでした。

自分で決めると、結果も自分に返ってきます。売れなかったら、自分の選択が間違っていた気がする。反応がなければ、向いていないと思ってしまう。

一方、まだ勉強中なら失敗していません。まだ始めていないだけ、本気を出していないだけ。この可能性を、そのまま残しておけます。

ノウハウ集めには、決めることを先延ばしにできる心地よさがあります。だから抜け出しにくいんだと思います。

「まだ情報が足りない」と思っている時に、本当に足りないもの

では、どこまで調べたら始めていいのか。僕は、始める前の確認を2つに分けます

調べることと試すことを分ける

お金や規約に関わることは、先にきちんと調べます。ここを飛ばすと、あとで取り返しがつかないからです。

でも出さないと分からないことは、いくら調べても出てきません。自分の商品が選ばれるか、お客様がどこで不安になるか、1件あたりいくら残るか。

この線引きができると、調べ終わる場所が見えます

もし「まだ情報が足りない」と感じたら、同じ種類の解説を何本見たかを振り返ってみてください。似た答えが3つ並んだなら、次に必要なのは4つ目の答えではないと思います。

調べる量に上限を置くのも効きます。「3つ資料を読んだら1回試す」「1時間調べたら仮に決める」。上限がないと、不安の量だけ検索が続きます。

再現性が高いノウハウほど、みんなが使った瞬間に効かなくなる

もう1つ、集めているときに気づきにくいことがあります。ノウハウは、広まると効きにくくなるという点です。

仕入れ先も、商品も、販売先も、価格も公開されている。たしかに、同じところまでは真似できます。

広まる前と後でノウハウはどう変わるか

でも同じ人が増えれば、供給が増える。値下げが始まる。広告の枠も取り合いになる。作業は再現できても、利益は再現できないことがあります

商売の答えは、テストの答えとは違います。テストなら全員が同じ答えを書いても全員正解ですが、商売では全員が同じ答えを書いた瞬間に、条件のほうが変わります

高速道路の抜け道がテレビで紹介されると、翌日その道が渋滞するのと同じです。道が間違っていたわけではなく、みんなが同時に使ったから近道でなくなっただけです。

みんなが知っても薄まらないもの

だから僕は、成功事例を見るとき商品名より判断の順番を見ます。どんな需要を見つけたのか。何を小さく試したのか。どの数字で続けると決めたのか。

商品は変わっても、この流れは使えます。強い再現性とは、別の状況でも考え直せることだと思っています。

集めるのをやめた日に、僕が最初にやったこと

では何をしたかというと、たいしたことではありません。家にある不用品を、フリマアプリに出しました

写真を撮る。説明文を書く。値段を決める。質問に答える。梱包して送る。これだけです。

でも、これだけでも物をネットで売る流れが一通り分かります。そして、分からないことが具体的になります。

1つ出しただけで具体的になったこと

  • 写真は、どこまで撮れば伝わるのか
  • 送料を引くと、手元にいくら残るのか
  • お客様は、どんな言葉で商品を探しているのか
  • 梱包と発送に、実際何分かかるのか
  • 自分は、この作業を続けられそうか

次にやったのが、失っても生活に困らない金額だけで小さく仕入れてみることでした。売れなかったとしても、ページや画像を作る練習にはなります。

大きな挑戦でなくていいと思います。目的は成功することではなく、次に何を学べばいいか分かる状態を作ることです。

小さく売る場所の選び方は、こちらにも書いています。

32.メルカリ・Amazon・楽天どこで売る?|現役店長は「商品と性格」の2軸で選びます
メルカリ・Amazon・楽天どこで売る?|現役店長は「商品と性格」の2軸で選びます副業の物販、メルカリ・Amazon・楽天のどこで売るべきか。楽天8年目の現役店長(Amazonは経験あり)が、手数料比較ではなく「商品の軸(定量か定性か)」と「性格の軸(数字が好きか店づくりが好きか)」で選ぶ方法を解説。僕がAmazonをやめた理由、併用の判断基準2点まで正直に書きました。...

1回動くと、漠然とした不安が、具体的な疑問に変わります。具体的な疑問は調べられます。漠然とした不安だけは、どれだけ情報を入れても終わりません。

情報との付き合い方を変える

情報を減らせという話ではありません。順番を変えるという話です。

僕が変えた順番

  • 前:全部学んでから、完璧に始める
  • 後:少し学ぶ → 小さくやる → 困る → 必要なことを学ぶ

同じノウハウでも、動く前と動いた後では見え方が変わります。

たとえば「お客様を具体的に考えよう」と聞いても、始める前は分かった気になるだけです。でも実際に1つ出して、まったく売れなかった後に同じ言葉を見ると、自分は誰に向けて出したんだろうという本当の疑問になります。

一度やると、自分だけの困りごとが生まれます。そこで初めて、ノウハウが一般論から道具に変わります。

検索する言葉も変わります。始める前は「何がおすすめですか」と大きな質問になりがちですが、一度やると「30分で終わらせるにはどこを削るか」と具体的になります。

メモや保存が増えてきたら、新しい情報を探す前に「今ある材料だけで何が決められるか」を書き出してみてください。決められないなら、足りないものを一文で特定する。ここまで絞れると、調べるより聞いたほうが早いと分かることもあります。

さいごに

ノウハウは大事です。地図がなければ、危ない道に入ることもあります。

ただ、地図を何枚集めても、現在地から動かなければ景色は変わりません

この記事のまとめ

  • 集めている時間は前へ進んでいる感覚があるが、店は動いていない
  • 知るほど選択肢が増え、「もう少し調べてから」に戻る
  • 始める前の確認は「先に知ること」と「出さないと分からないこと」に分ける
  • 広まったノウハウは、作業は真似できても利益までは真似できない
  • 小さく1つ出すと、不安が調べられる疑問に変わる

必要なのは、全部を理解してから始めることではなく、分からないままでも戻れる大きさで一歩を出すことなんじゃないかなと思います。

僕も今日、この記事を書く前に別の解説動画を開きそうになりました(笑)

集めるのをやめたあと、実際に何から手をつけたかはこちらです。

67.ネットショップが全く売れなかった3年間
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この記事を書いた人

ラクマート認定講師の授賞式の様子(2024年・中国での式典)

ラクマート認定講師:TAKAHIRO

  • 2015年から3年間ネットショップに挑戦するも1円も稼げず、100万円以上の借金を負う
  • 2018年に融資を受け、ネットショップ経営に独学で挑戦する
  • 初年度から年商2,000万円以上を売り上げる
  • 2022年に楽天市場「月間優良ショップ」を受賞
  • 2022年に始めたYouTubeが1ヶ月で登録者1万人突破(現在は3万人以上)
  • 2023年に楽天市場「ショップ・オブ・ザ・マンス【都道府県賞】」を受賞
  • 2024年にラクマート史上初の「認定講師」7人のうちの1人に選ばれる
  • 楽天市場は出店8年目。2025年度は年商6,000万円、累計売上3億円を突破
  • ラクマートでの累計仕入れは6,000万円以上。最上位のV10会員
  • 紹介したラクマート利用者は1,400人以上。中国の工場・船便倉庫と1688本社も現地視察ずみ

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TAKAHIRO
自宅で妻と2人ネットショップを経営8年目 ・27歳まで社畜 ・現在の年商6000万 ・受賞歴:楽天市場月間優良ショップ ・通算売上4億円突破 ・好きなもの:ゼルダの伝説、ドラクエ、NBA

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